年も明けてえべっさんも終わり、ようやく落ち着いてまいりました。
記憶のかさブタも19回目。
今回はストーリーと作画のえげつないこちらが御題。

アパッチ野球軍

(1971年10月6日〜1972年3月29日)
 全26話 NET(テレビ朝日)系放映
製作 東映動画

堂島コーチ

今回の紹介する作品には、現在不適切な表現もありますが、
作品の歴史的背景を考慮し、原文のままとしました。
御了承下さい。

商根ドラマの大家、スポ根参戦
とにもかくにもアクの強い、というよりアク100%のアニメでした。
原作は花登筐。そう、「どてらい男」「細うで繁盛記」「あかんたれ」
といったなにわ商人ド根性サクセスストーリーで
名を馳せた花登筐先生が原作。
銭によって泥水をすすらされた
主人公が、銭を味方に付けて成り上がっていくという
一連のドラマは、昭和40年〜50年にかけて
全国的に爆発的にヒットしました。
そんな花登筐先生が、少年スポ根漫画の
原作を担当したという変り種がこちら。
元々は週刊少年キングに連載されていた
「エースの条件」(漫画・水島新二)
という漫画があり、アパッチ〜はエースの条件の
第二部として始まった作品でした。
ストーリーはこんな感じで始まります。

甲子園で完全試合を成し遂げた
堂島剛は、その実力からプロへの引き合いが殺到。
莫大な契約金を目当てに剛の親父は酒におぼれて
働かなくなり、それを知った堂島は
自らの手をビールビンでズタズタにつんざき
野球の出来ない手にして、親父を叩き直します。

親父の死後、高校時代の恩師ネギ監督に
「わしの知人が四国の山奥で教師をしとる。
いって手伝ってやってくれんか」と誘われ、
堂島は四国に渡ります。しかしそこは
人里から完全に隔離された密林のような
僻地「猪猿村」。いるのは地元に住む昔からの村人
(閉鎖的で、よそ者を受け入れない)と、
ダム建設のためにやってきた出稼ぎ労働者
(銭の亡者で、犯罪者あがりがひしめきあってる。)
で、日ごろの鬱憤と不満、欲望と敵対心が
剥き出し合って、ケンカや事件の絶えないという
まさに無法地帯。堂島はそこに作られた分校に赴任してきたのです。
学校内でも村の者、労働者の子供とが利権争いを
繰り広げており、野放しの状態で
手が付けられない。「まるでアパッチ部落だ!」
堂島は驚嘆して呟く。










原作漫画冒頭部

この生徒らをまとめるのは、野球によるチームワークを
教える以外に無い!堂島は決意し、彼等に野球を
教えようとする。が、
すさみきった彼等が新参者の教師に従うはずも無い。
やがて彼らは、堂島に牙をむきはじめる。

原作の網走


来る日も来る日も血なまぐさい対決の日々が。
しかし、堂島は彼等の身体能力の高さに
次第に魅了され始める。

網走と材木に襲撃される堂島コーチ。


やがて彼らは堂島を受け入れはじめ、ここに
常識や理屈を飛び越えた奇跡のチーム・
アパッチ野球軍が誕生するのだった。




エゴと金と野生渦巻く無法地帯


材木とモンキー

とまあ、なんとも凄まじい話でして、

美少女と可変メカにあふれてた
時代のアニメとはまるで
別世界のようなドロ臭い作品です。
そこに劇画タッチの作画監督・森下圭介の
胃にもたれる濃い作画がマッチして、
一度見たら忘れられない強烈な作品に
仕上がりました。東映動画が当時導入した
マシントレスの荒々しいタッチも実に合ってるし。
この後,アパッチ野球軍はグラウンドの
整備から始まり、野球用具の買出しと、
チーム作りに奔走していきます。
が、買出しを頼まれた材木とモンキーが
銭の魔力に負けて予算を使い込み、
結局グローブとバット1個づつしか
買えなくなり、皆に責められます。
(銭の魔力は怖いのォ。)
そんな困難を乗り越え、
回りからクソミソに言われつつも、
次第に実力をつけていくアパッチ。
やがて新聞社も注目しだし、そこに
四国の強豪チーム・QL学園から
練習試合の申し込みが来るのだった。






アパッチたちが名門校に勝つまで


甲子園の常連校QL学園との練習試合。
だが、高松にあるQL学園に出向く銭が無い。
(銭がホントによく絡む。)

「食費と交通費と雑費で一人2500円。
堂島コーチを含め14人で
3万5000円!そんな大金、村にはネェ!」

リアルな会話です。結局、飯場のダンプの荷台に
載せられ、現物支給の野菜を食いつつ、
高松へ向かうアパッチ野球軍。

試合の結果は…見事な逆転勝利!
(最終回9回裏のQL学園の場外センターフライは言わない約束。)
無法者たちが、遂に甲子園の常連校を破るまでに!

しかし、残酷な結果が。
甲子園出場を目指し練習する彼らに、
高野連は次の決定を下していた。

「アパッチチームは単なる私塾のチームであり、
学校教育法で認められた高校のチームではない。
よって、選手権大会への出場資格は無い。」


怒り狂ったのはアパッチチーム。
「高野連に殴り込みだぁ!」
解ります。ええ、解りますとも。
いきり立った彼らの前に立った堂島は、
「お前たちは勝ったじゃないか。
立派にチームワークで戦い、そして勝利した。
一人前のスポーツマンだ。
もうアパッチなんかじゃないんだ。」


そして、堂島は四国を離れることになります。
別れの波止場に見送りに来るアパッチと校長。
校長「その…わしゃあ君の在任中何もしてやれなんだ。
じゃからせめて土産を渡そうと思うてな。」

堂島「土産?いやそんなこと…」
校長、千恵子を堂島に突き出す。思わず抱き合う2人。
校長「これがワシの土産じゃ。どうじゃ?イヤかの?」
画面に途端に斜がかかり、恋愛モードに。
堂島「…千恵子さん、苦労が多いでしょうが、ついてきてくれますか?」
千恵子「剛さん…ハイ!」
網走、二人の乗るフェリーにQL戦の血染めのウィニングボールを投げる。
堂島、受取り船上から手を振る。

材木「ええ先公じゃったのぉ。」
モンキー「あんなええ男二度と見れんぞ…」
網走「くそぉ。泣かせやがって。」

こうしてアパッチ野球軍全26話は堂島の船出で幕を閉じます。
(原作はまだ連載中だったので中途で強引に締めくくった格好ですが)
その後の彼らがどうなったのかは、
アニメが終了しちゃったので解りませんが、
何人かはプロに行ったのかな?
…ますます銭の魔力に悩殺されそう。












アパッチ野球軍 スタッフ
原作/花登 筐 梅本さちお(週刊少年キング掲載)
企画/飯島 敬
演出/宮崎一哉・高畑 勲・茂野一清・佐々木勝利・葛西 治ほか
美術/山崎誠・伊藤英治
キャラクターデザイン/森下圭介
作画/品川丈夫・小童寺渚・新井豊・中村実・菊池城二ほか

音楽/はっとりこういち
OP/アパッチ野球軍(作詞・花登 筐 作曲・はっとりこういち/唄・林 恵々子)
ED/みんな みんな(作詞・花登 筐 作曲・はっとりこういち/唄・坂本新兵)


放送No放送日サブタイトル脚本演出作画監督
11971.10.6傷だらけのエース花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉森下圭介
21971.10.13他国者は刺せ 花登筺
梅谷卓司
高畑勲生瀬昭憲
31971.10.20犯人を探せ 花登筺
梅谷卓司
茂野一清菊池城二
41971.10.27白昼のダイナマイト花登筺
梅谷卓司
葛西治高倉健夫
51971.11.3天狗岩の死闘 花登筺
梅谷卓司
佐々木勝利福田新
61971.11.10走れ!ボロ馬車花登筺
梅谷卓司
岡崎稔永樹凡人
71971.11.17誘惑の町 花登筺
梅谷卓司
葛西治富永良
81971.11.24黒い霧と白い球 花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉森下圭介
91971.12.1死んでも離すな!花登筺
梅谷卓司
茂野一清菊池城二
101971.12.8初陣ショック 花登筺
梅谷卓司
岡崎稔高倉健夫
111971.12.15絶対ピンチ 花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉森下圭介
121971.12.22全員逆転せよ 花登筺
梅谷卓司
高畑勲石黒育
131971.12.29太陽に向って打て 花登筺
梅谷卓司
明比正行森下圭介
141972.1.5新チーム誕生 花登筺
梅谷卓司
茂野一清菊池城二
151972.1.12この旗の下に 花登筺
梅谷卓司
葛西治品川丈夫
161972.1.19秘められた熱球花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉菊池城二
171972.1.26ピッチャー網走 花登筺
梅谷卓司
高畑勲石黒育
181972.2.2意地と根性花登筺
梅谷卓司
明比正行荒木伸吾
191972.2.9スイッチピッチャー花登筺
梅谷卓司
茂野一清菊池城二
201972.2.16負けてたまるか花登筺
梅谷卓司
葛西治荒木伸吾
211972.2.23アパッチ大遠征
花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉菊池城二
221972.3.1ならぬ堪忍花登筺
梅谷卓司
葛西治菊池城二
231972.3.8するが堪忍 花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉荒木伸吾
241972.3.15はだしの英雄たち花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉荒木伸吾
251972.3.22目指せ!甲子園花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉荒木伸吾
261972.3.29胴上げの詩花登筺
梅谷卓司
宮崎一哉荒木伸吾


キャスト
堂島 剛(野田圭一)
千恵子(坪井章子)
岩城校長(富田耕生)
ネギ監督(緑川 稔)
網走(柴田秀勝)
材木(北川国彦)
モンキー(大竹 宏→田の中勇)
ハッパ(田中亮一)
オケラ(山田俊二)
モグラ(山本相時)
ダニ(野島昭生)
コウモリ(はせさん治)
大学(森 功至)
花子(桜井妙子)
ダイコン(山本圭子)
マリ(山口奈々)
堂島の父(永井一郎)ほか

と、今回も無事終了。
次回で20回。よく続いたモンです。
次はなにしようかな。
次回は決定しだいお知らせします。

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