原作の展開・アニメ版の展開
基本的に最初の展開は原作とアニメは同じです。(1〜6話くらいまで。)
ヨミの狡猾な世界征服計画(各国首脳を密かに脳改造して、意のままに操る)
なども、丁寧にアニメ化されてますし。ただ、やはり視聴率が低かったようで、
(平均9.4%)番組は骨太な展開から、派手なメカアクションものへと変化していきます。
個人的に好きな話
随分いろいろ書きましたが、個人的に好きなエピソードもたくさんあります。
第6話「危機一髪!バビルの塔」は、バビルの塔を発見しようと
ヨミが砂漠にばら撒いた、無数の探査破壊メカX-6号とバビル2世との知恵比べの話。
地味ですが展開が面白く、
手に汗握ります。(作画がちょっとチャチですが…)
第10話「必殺ロボット・バラン」これもバビルの塔を探すためヨミが放った
戦闘ロボット、バランとバビルの塔の防御システムとの知恵比べ。
ターミネーターの如くいかなる防衛システムをも跳ね除け、
ひたすら塔の心臓部に突き進んでいく描写は興奮モノ。
ポセイドンとの最終決戦でも、首をもがれ、右手も吹っ飛び、
上半身メカ剥き出しでも戦い続けるシーンは
記憶に残る名シーンです。(心臓部が鉄球とはねぇ。)
第25話「死のV号作戦」・第26話「総攻撃バビル2世」
事実上の最終回。三つのしもべをも凌ぐ超破壊メカV号
(ロプロスの機動力+ポセイドンの攻撃力を持っている。)、
さらにはテレパシー増幅装置でバビルから三つのしもべを奪いとり、
バビルの塔に総攻撃をかける、ヨミの最終決戦ともいうべきエピソード。
バビルの塔は破壊され、しもべはヨミに操られるままバビルに攻撃をくわえてきます。
さらにはV号の絨緞爆撃。どうなるバビル2世!(ここまでが25話。)
破壊されつくしたバビルの塔。しかしスクランブル装置(緊急復旧修復装置のようなもの)は生きており、
程なくして破壊されたコンピューターが復旧。V号の航路からヨミの本拠地を発見します。
ヨミの基地に急襲をかけるバビルですが、テレパシー増幅装置でまたしもべを操られ、
ズタボロにされます。が、バビルは危機を乗り越えついに基地中央部にいるヨミと一騎打ち。
が、ヨミは倒れこみ、ミイラのように干からびていきます。息絶え絶えになりつつヨミが語ります。
「…わしは恐ろしい間違いを犯した…。
テレパシー増幅装置は、わしの超能力を二倍三倍にするのではなく…
わしの力を一度に全部引き出しただけの事だった…。
バビル二世…わしの負けだ…。」
心臓が停止して死ぬヨミ。(ご丁寧に心拍計も表示されてます。)
戦い終えて、しもべたちを格納庫にしまい込み、塔に別れを告げるバビル2世。
「ぼくはもうバビル2世じゃない。浩一に戻ったんだ。」
塔はそのまま、しもべと共に地下に沈み、永遠の眠りについたのでありました。
なのになんで来週もあるの?
普通、こう来たら最終回ですよね?
ところが終わらなかった。
次回から「北海道篇」が
ババーンと始まったからさあ大変。
多分、秋の番組改変期までつないでくれという
TV側の都合もあるんでしょうが、
さすがに苦しかったなぁ。
ヨミも簡単に復活しちゃって、
三つのしもべはわざわざ北海道に
やってきて火口や湖に住み着いちゃった。
バビルカーも廃屋に干草に
紛れて隠してるし。
バビル2世も
「普段は北海道のワタリ牧場で雑用係を
しているさえない少年だが、
事件が起こればバビル2世として戦うのだ!」
といった感じになっちゃって、
もう初期のような神秘性は微塵も無い。
(ただ、この頃になると作画も
安定してて見やすいんですが。)
なぜ、このような設定改変が2クール以降行われたかについては
演出の山口康男いわく「当時はコンピューター万能主義の時代でしょ。
でもコンピューターがなんでも分析して説明するんじゃダメだ、
って言ったことは覚えてる。」とのこと。
要は、ヒーローは己の努力と根性で危機を乗り越えていくもの(70年代ですね)。
コンピューターに頼ったヒーローはヒーローらしくない、ということで、
いわばバビル2世の足枷を増やす事が目的の設定変更だったらしいのです。
まあ、結果的に三つのしもべは従来どおり一緒に戦ってるし、
参謀のロデムもついてるんで、コンピューターだけ除外された格好なんですが…。
ヨミも塔を占拠するなら、主のいないこのタイミングを活かせばよかったのになぁ。
最後の最後はどうなった?
最終回をすでに25.26話でやっちゃった後だから、一体どうするのか?
と思ってたら、こんな最終回を用意してました。が…これが…。
第38話「東京地下占領作戦」
東京に観光にきたワタリ牧場の面々。初めて乗る地下鉄に意気揚揚。
そこにマシンガンを持ったヨミ軍団がやってきてトレインジャック。
あれよあれよと東京の地下鉄全部がヨミの制圧下に入ってしまう。(脆いなぁ。)
地下鉄乗客乗員20万人を人質にとった
ヨミは「世界各国の首脳を呼んで来い」と脅迫。
弱った国家保安局長はバビル2世に救援を頼む。バビルは難なくヨミ軍団を
やっつけ、地下鉄に閉じ込められた人質を解放する。
第39話(最終回)「必殺!バビル2世対ヨミ」
相変わらず東京の地下はヨミに占領されたまま。
どうしたものかと会議中の国家保安委員会。そこに飛び込む局員。
「保安局長!ヨミから電話ですぅ!」
(なぜかイントネーションが関西弁。番頭と丁稚の会話のように聞こえて笑える)
恐る恐る受話器を取り、恐々話す保安局長。
ヨミは「世界各国の要人をただちに呼び寄せて
地下鉄に乗せて南銀座駅に連れて来い(どこだそこ?)。
改造人間にして私の手下にする!」
と、無茶な、かつ解り易い
要求をする。「出来ない」と突っぱねると、
ヨミは「よろしい。」と言った後、
地下鉄北神田駅を爆破。(どこだそこ?)
駅の周辺が壊滅状態と聞いて、
あわわ状態になる保安局長。
「どうだね局長さん、
あたしの命令を聞く気になったかね?」
オネェ言葉で脅すヨミに屈して、
各国要人が呼ばれます。(おいおい。)
けど、要人の乗った列車の車輪に
ロデムが巻き付いてブレーキになり、
要人達はバビル2世と共に脱出。
(あ…あっけないなぁ…。)
ロデムは基地の心臓部を探して
地下道を探索中。
部下「怪物体発見!攻撃準備完了しました!」
ヨミ「まて、確実に倒すには
基地内に誘い込むことだ。フフフ…。」
…普通、コレだけ余裕かましてりゃなんか
策あると思いますよね。ところが…。
ヨミは岩盤に仕込んであったレーザー砲を
発射。簡単に避けられた上、
ロデムにレーザー砲を暴発させられてしまいます。
地上に上がる爆煙。
ヨミ「ぬうううっ!基地のありかを
知られてしまったああああっ!」
(マヌケだ…。あまりにもマヌケな展開だ…。)
ヤケクソになったヨミは最後の
ビッグ1作戦を始動させます。…ビッグ1作戦?
なにかな?と思ってみてたら、
千代田区一帯が持ちあがり、
でかいロボットの頭が!
立ちあがったロボットの回りを、
蚊トンボのようにロプロスが飛んでるところから、
全長10kmは確実にありそう。
(ヤマトの超巨大戦艦以上だ。)
バビル2世 製作スタッフ
原作/横山光輝
企画/斎藤 侑・宮崎慎一
脚本/雪室俊一・辻 真先・安藤豊弘
演出/田宮 武・明比正行・宮崎一哉・岡崎 稔・勝間田具治・佐々木勝利 他
作画監督/荒木伸吾・江藤文男・木暮輝夫・我妻 宏 他
音楽/菊地俊輔
OP/バビル2世(作詞・東 映一/作曲・菊地俊輔/唄・水木一郎・コロムビアゆりかご会)
ED/正義の超能力少年(作詞・東 映一/作曲・菊地俊輔/唄・水木一郎)
放送No | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 |
1 | 1973.1.1 | 5千年前からの使者 | 雪室俊一 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
2 | 1973.1.8 | 恐怖の岩石巨人ゴーリキ※1 | 安藤豊弘 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
3 | 1973.1.15 | 暗黒の帝王ヨミ | 雪室俊一 | 明比正行 | 木暮輝夫 |
4 | 1973.1.22 | 三つのしもべたち | 安藤豊弘 | 宮崎一哉 | 木暮輝夫 |
5 | 1973.1.29 | これがテレキネシスだ! | 雪室俊一 | 岡崎 稔 | 我妻 宏 |
6 | 1973.2.5 | 危機一髪!バビルの塔 | 安藤豊弘 | 田宮 武 | 江藤文男 |
7 | 1973.2.12 | もうひとりの司令官 | 雪室俊一 | 明比正行 | 江藤文男 |
8 | 1973.2.19 | 悪魔の秘密基地 | 安藤豊弘 | 古沢日出夫 | 石黒 育 |
9 | 1973.2.26 | 恐怖のロッキー山脈 | 辻 真先 | 岡崎 稔 | 我妻 宏 |
10 | 1973.3.5 | 必殺ロボット・バラン | 雪室俊一 | 宮崎一哉 | 木暮輝夫 |
11 | 1973.3.12 | アンドロイド2段攻撃 | 安藤豊弘 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
12 | 1973.3.19 | ロボット電送マシンX1 | 辻 真先 | 明比正行 | 江藤文男 |
13 | 1973.3.26 | 人工衛星をとり戻せ | 雪室俊一 | 岡崎 稔 | 我妻 宏 |
14 | 1973.4.2 | 危うし!怪鳥ロプロス | 安藤豊弘 | 宮崎一哉 | 木暮輝夫 |
15 | 1973.4.9 | ノートルダム発狂事件※2 | 辻 真先 | 古沢日出夫 | 石黒 育 |
16 | 1973.4.16 | 幻の100兆円 | 雪室俊一 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
17 | 1973.4.23 | まっくらやみの挑戦 | 雪室俊一 | 佐々木勝利 | 江藤文男 |
18 | 1973.4.30 | 口笛を吹く悪魔たち※2 | 辻 真先 | 山口康男 | 岡田敏晴 |
19 | 1973.5.7 | マンモスゴリラの襲撃 | 安藤豊弘 | 茂野一清 | 白川忠志 |
20 | 1973.5.14 | 戦慄の宇宙大作戦 | 安藤豊弘 | 宮崎一哉 | 木暮輝夫 |
21 | 1973.5.21 | 赤ちゃんは超能力者※3 | 雪室俊一 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
22 | 1973.5.28 | 深海のカニロボット | 安藤豊弘 | 佐々木勝利 | 江藤文男 |
23 | 1973.6.4 | 死霊からの招待 | 辻 真先 | 茂野一清 | 江藤文男 |
24 | 1973.6.11 | 永遠の都凍れるゾロウ | 辻 真先 | 山口康男 | 岡田敏晴 |
25 | 1973.6.18 | 死のV号作戦 | 雪室俊一 | 古沢日出夫 | 石黒 育 |
26 | 1973.6.25 | 総攻撃バビル2世 | 安藤豊弘 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
27 | 1973.7.2 | 新たなる戦い | 雪室俊一 | 山口康男 | 岡田敏晴 |
28 | 1973.7.9 | 黄金のアメーバ | 辻 真先 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
29 | 1973.7.16 | 死を呼ぶギター | 安藤豊弘 | 宮崎一哉 | 石黒 育 |
30 | 1973.7.23 | ロボット使いの暗殺怪人 | 安藤豊弘 | 茂野一清 | 木暮輝夫 |
31 | 1973.7.30 | 死霊の馬ブルーペガサス | 雪室俊一 | 田宮 武 | 江藤文男 |
32 | 1973.8.6 | ダスト・デビル死の灰作戦 | 辻 真先 | 佐々木勝利 | 江藤文男 |
33 | 1973.8.13 | どくろ魔女の恐怖 | 安藤豊弘 | 宮崎一哉 | 菊池城二 |
34 | 1973.8.20 | 夏に降る雪の狩人 | 辻 真先 | 山口康男 | 岡田敏晴 |
35 | 1973.8.27 | 狂った女王蜂 | 雪室俊一 | 宮崎一哉 | 石黒 育 |
36 | 1973.9.3 | ヨミの秘密兵器ゴーリキ2号 | 安藤豊弘 | 茂野一清 | 木暮輝夫 |
37 | 1973.9.10 | 謎のイプシロン星人 | 辻 真先 | 田宮 武 | 荒木伸吾 |
38 | 1973.9.17 | 東京地下占領作戦 | 雪室俊一 | 勝間田具治 | 江藤文男 |
39 | 1973.9.24 | 必殺!バビル2世対ヨミ | 安藤豊弘 | 山口康男 | 岡田敏晴 |
キャスト
バビル2世(神谷 明)
ヨミ(大塚周夫)
ロデム(野田圭一)
コンピューター(寺島幹夫)
古見由美子(野村道子)
ワタリ恒太郎(兼本新吾)
ワタリユキ(田浦 環)
チー坊(山本圭子)
国家保安局長(永井一郎)
(はせさん治)(坪井章子)(北川国彦)(矢田耕司)
(八奈見乗児)(富田耕生)(岡本敏明)(田中亮一)ほか
というかんじでお届けしました記憶11回目。
今回のは記憶が結構鮮明だったから
かなり文章多め。画像も多いし。
多すぎてチト食傷ぎみかな?
次回の予定は決定しだいお知らせします。