無限に広がる大宇宙。 銀河系宇宙はエンペリアス星を中心に銀河系連盟が成立し、 銀河に住む人々は平和で豊かな暮らしを謳歌していた。 ところが、ある日突然、銀河征服を目論むマゼラン大帝率いる マゼラン軍が押し寄せてきた。冷酷な女総司令官バラクロス、そのバラクロスの下、 作戦を指揮する戦闘隊長ロボレオン、そして縦横無尽に暴れまわる 破壊兵器・獣骨メカの大軍団。エンペリアス星人はこの侵略に立ち向かわんとするが 圧倒的軍勢の前に劣勢に立たされていく。エンペル王の3人の王子も必死に戦うが 第一皇子・ザムソンはロボレオンの卑怯な罠にはまり殺され、銀河連盟は敗北。 マゼラン軍の勝利で戦争は幕を閉じる。 全てを失い、失意のどん底であえぐ銀河の民。最愛の兄を失った第二皇子・ライガーは マゼラン軍への復讐を誓う。家督継承権を弟の第三皇子・ユーガーに譲り、 マゼラン軍の追跡を決意。その時、950年周期でエンペリアス星に近づく彗星・「魔神の星」の 光を浴びて、伝説の守護神・ダイケンゴーが覚醒する。 ライガーは仲間たちを集めて、宇宙戦艦・戦闘宇宙艇にもチェンジできる 宇宙魔神ダイケンゴーを駆って、マゼラン軍に戦いを挑んでゆく。 ![]() |
原作・酒井あきよし氏のコメント |
-製作意図を。- ロボットものでもテーマを設定して、それにそって宇宙ロマンアクションというものを 製作していきたい。したがって単なる活劇をやるだけではなくて、 本来の意味での芝居をやるようにしたいと思っています。 スターウォーズのようにね(笑)。 -対象年齢はどのへんですか。- 内容がかなり高度なので、中・高校生が中心となるでしょうね。 また小学生や大学生、それに大人が見ても楽しめる部分もあります。 -その他、苦労話をひとつ。- 鳥プロが出来て、わずか半年たらずですので、 作品を原作で作ること自体が大変な苦労! |
プロデューサー・陶山 智氏のコメント |
-力点はどこに?- 他の作品との違いをどう出すかということで、 やはり、ストーリー展開の面白さ、良さを強く押し出していかないと だめだと思うんですよね。 -ご苦労などをひとつ。- 私はこれがプロデューサーとしての初仕事。 以前、タツノコプロでは企画文芸部、それ以降 フリーのライターだったんです。したがって、 企画の段階から現場と密に連絡を取りながら、 局などと営業的な仕事をするのが大変です。 ![]() |
作画監督・田辺由憲氏(グリーンボックス)のコメント |
作画上でもっとも苦労する点は、舞台が地球ではないということですね。 地球以外の感じをだして、なおかつ地球的なイメージをこわさない ようにするのに気をつかいます。 それから、主人公は日本の剣豪的なものと 西洋のスパルタカス的なもののイメージの組み合わせですから いままでのアクションものと違い、銃ではなく剣を武器とするので チャンバラの要素をどういう形で取り入れるか、 頭をなやましています。 |
鳥プロのころ/原作者・酒井あきよし |
僕は(鳥海)尽三さんが独立する1年ちょっとぐらい前にフリーになってたから。 幸運だったのは、フリーになっても暫くやっていけるようにって、尽三さんが当時やってた 「ヤッターマン」のシリーズ構成(クレジットは鳥海氏と連名で「企画」表記)を 契約でやらせてくれたんだよね。ホン(脚本)も書かせてくれたからさ。で、1年半くらいしてから、 陶山さんと尽三さんが(タツノコを)辞めて、鳥プロを一緒にやらないかって誘われたんですよ。 (ダイケンゴーについて) あれは会社を作ったからって、スポンサーに「お祝い」でもらったのよ。 尽三さんがタカトクの人と仲良かったこともあって。 それで東映に話を持っていったら、制作費が下りることになって、 製作をどこにするって言った時に、グリーンボックスの佐藤みっちゃん (佐藤光雄=グリーンボックスの代表)が聞きつけて 「ウチでやらせてくれ」って、飛んできたわけですよ。 尽三さんはみっちゃんを可愛がってたからね。 ところが、アレが大変でね。陶山さんがプロデューサーになって しょっちゅうグリーンボックスに通ってたんだけど、 やっぱりほら、グロスで出してるでしょ。だから上がりが解らないし、 遅れるし、その後、火事出したりなんかしたよね。 それに関してはそんな被害は受けなかったんだけど、 「ダイケンゴー」自体はそんなに儲からなかったんだよね。 ![]() (ダイケンゴーのあと) 「ダイケンゴー」のあとが決まらなかったから、僕は鳥プロ1年くらいで 辞めちゃったんだよね。 なぜかというと、(鳥プロには)営業がいないんだよ。 要するに、机に向かって字を書く人間ばかりじゃない?(笑) だから、誰かそういう人がいれば また違ったかもしれないけどね。 ![]() (「タツノコプロ・インサイダーズ」2002.12.20発行 講談社刊インタビューより抜粋) |
宇宙魔神ダイケンゴー 製作スタッフ
原作/酒井あきよし
プロデューサー/陶山 智・佐藤元雄
企画/鳥海尽三(鳥プロ)
総監督/八尋 旭
作画監督/田辺由憲
美術/中村光毅
キャラクターデザイン/高橋資祐・井口忠一・岳本周明
メカニックデザイン/大河原邦夫
製作協力/グリーンボックス
音楽/筒井広志
OP/宇宙魔神ダイケンゴー(作詞/鳥海尽三・作曲/小林亜星・編曲/高田弘 ・唄・堀江美都子・ザ・チャープス)
ED/宇宙の男ライガー(作詞/酒井あきよし・作曲・小林亜星・編曲/高田弘 ・唄・MOJO・ザ・チャープス)
放送No 放送日 サブタイトル 脚本 演出 視聴率 1 1978.7.27 あらくれ星雲児 鳥海尽三 八尋 旭 2.8 2 1978.8.3 孤独の星武者 陶山 智
山村一朗古川順康 2.4 3 1978.8.24 さすらい星ブライマン 酒井あきよし
福島みちお山内重保 1.6 4 1978.8.31 二つのはぐれ星 鳥海尽三
毛利 元古川順康 1.5 5 1978.9.7 友情の小惑星 陶山 智
山村一朗古川順康 3.3 6 1978.9.14 さらばゲリラ星 酒井あきよし
福島みちお八尋 旭 2.7 7 1978.9.21 第3惑星異常なし 鳥海尽三
毛利 元山内重保 3.5 8 1978.9.28 愛の裏切り星 酒井あきよし
福島みちお八尋 旭 2.9 9 1978.10.5 二連星の誓い 鳥海尽三
毛利 元古川順康 8.2 10 1978.10.12 泣くな母恋星 酒井あきよし
福島みちお山内重保 7.0 11 1978.10.19 地獄星雲の対決 鳥海尽三
毛利 元八尋 旭 7.4 12 1978.10.26 嵐を呼ぶ王星 酒井あきよし
福島みちお古川順康 6.2 13 1978.11.2 ブライ星の秘密 酒井あきよし
福島みちお古川順康 5.4 14 1978.11.9 移動星の設計図 海老沼三郎
酒井あきよし八尋 旭 7.0 15 1978.11.16 魔の怪物星 酒井あきよし
福島みちお山内重保 6.0 16 1978.11.23 星の渡り鳥 酒井あきよし
福島みちお古川順康 4.0 17 1978.11.30 第3惑星の友情 鳥海尽三
毛利 元八尋 旭 5.6 18 1978.12.7 謎のゆうれい星 酒井あきよし
福島みちお古川順康 6.0 19 1978.12.14 銀河のはぐれ星 鳥海尽三
毛利 元古川順康 6.6 20 1978.12.21 母なる星の危機 福島みちお 八尋 旭 5.8 ※1 1978.12.28 さらばゲリラ星(再) - - 5.9 21 1979.1.4 星の十字架
福島みちお 古川順康 5.4 22 1979.1.11 危うし第3惑星 福島みちお 八尋 旭 5.7 23 1979.1.18 マゼラン星の陰謀 酒井あきよし
福島みちお八尋 旭 3.6 ※2 1979.1.25 愛の裏切り星(再) - - 4.2 24 1979.2.1 星魔王の挑戦 福島みちお 古川順康 6.1 25 1979.2.8 星雲灯台]−01
福島みちお 古川順康 4.3 26 1979.2.15 戦え!王星三剣士
陶山 智 八尋 旭 5.0
キャスト
というかんじでお届けしました記憶52回目。
まあ、今回の御題は大変でした。なにせ資料がほとんどない。
独立プロの唯一の作品、放送後即解散、当時的な人気もイマイチで
現在も特に再評価の声が聞こえてこないということもあって
完全に埋もれた作品になっちゃってます。
一応版権は東映エージェンシー預かりになってるんで
東映さんがその気になればソフト化あり、かな?
一応短期集中的に続いたスパロボ特集も今回で一段落。
次回はまた違ったの取り上げます。それでは。