看板

記憶のコーナーも回を重ねる事23回。
ここのコンテンツだけ他とカラー違うよね。
まあ、最初からそれが目的なんですが。
今回はマスコットキャラ出身のこちらがお題。

ドン・チャック物語

(1975年4月6日〜1975年9月27日 全26回{第1期})
(1976年4月7日〜1978年3月25日 全73回{第2期})
東京12チャンネル系放映・制作 ナック・後楽園ゆうえんち

さて、結構知名度のある作品と思うのですが、
主題歌はどれを思い浮かべますか?
チャッチャッチャッチャッドンチャック!♪か、青空色のクレヨンで〜♪なのか。
先に述べたのは旧シリーズ、後のは新シリーズの主題歌です。

ドンチャック


後楽園ゆうえんちのマスコット

もう20年くらい昔になりますが、小学生の頃
東京の後楽園ゆうえんちに行った時、どでかいドン・チャックの
書き割り看板が出迎えてくれてビックリした記憶があります。
そう、このドン・チャック、元は後楽園ゆうえんちのイメージキャラクター
として作られたものでして、言わば日本版ミッ○ーマウス
とでもいうべきキャラクターだった訳です。
それをメディア展開の一環でアニメ化したのが本作品。
ですから、OPでドンチャックが野球したりスケートすべったり
ジェットコースターに乗ってたりしてるのは、あれが全部
後楽園球場周辺の施設だからでして、ようするに
後楽園ゆうえんちの宣伝も兼ねたOPだった訳です。
しっかりしてるなぁ。


動物マンガとナックのアクの強さの混合


あらすじはこう。

ララとダイゴ ザワザワ森のジャブジャブ川のほとりに済むビーバーの一家。
父のアリストテレスと息子のドン・チャック。
母と幼い頃に別れたチャックは、
そんなことにくよくよしたりはしない元気な子。
今日も森の仲間であるガールフレンドのララ、
ヒグマのダイゴ、ウサギのミミと一緒に
森の様々な事件に遭遇していくのです。

基本は一話完結。この他のレギュラーとして
相談役で医者のメェ先生、
トラブルメーカーのラッパ狼、
タヌキのカチンコ、キツネのコン太がいます。
モデルとしては「ムーミン」的な感じでしょうか。
ただ、演出や作画が独特のアクがあるせいもあって、
結構内容はとんこつ風味。
覚えてる話をひとつ。

事故で子供を無くした老ビーバーがザワザワ森にやってきます。
ところがこの老ビーバー、ララちゃんが死んだ娘にそっくりなので、
次第にララに付きまとい始め、遂にはララを誘拐してしまいます。
当初は娘を失った老ビーバーに同情的だった村の面々も、
ララの誘拐にまで発展した事で状況は一変。
村外れの山小屋に立てこもった老ビーバーとの説得が始まります。
すると出てきたのは、ララのノドにナイフをかざした老ビーバー。
「来るな!近づくとこの子の命は無いぞ!」
アリストテレスは老ビーバーに近づいて、こう言います。
「あなたは…自分の子供を殺せますかな?」
ハッと我に返る老ビーバー、そのままうなだれて連行されて行きます。
チャック「あのおじさん、決して悪い人じゃないんだよね。パパ。」
アリストテレス「ああ、そうだとも。」

子供アニメというより、「特捜最前線」ですなこれは。
悪役3人組・ラッパ狼、カチンコ、コン太
ナックという会社は、今でこそVシネマで「ヤーサンが
チャカでパンパン!白い粉ぶわっさ〜っ!」
なものばっか作ってますが、
昔は児童向けアニメを中心に製作活動していた
純然たるアニメスタジオだったんです。
ただ、当時から「なんかセンス違うなぁ。」と思える会社でして、
例えるのむずかしいんですが、

★可愛い絵なのにストーリーは苦味ばしった大人風味。
★怨恨や因果応報という「業」系の展開がやたら多い。
★洗練されていない分、独特のアクのある演出。



私のナック製作アニメの感想といったらこんな感じですか。
動物アニメでは同じナック製作の「スーキャット」
ってのがあったんですが、だれか覚えてます?
キャンディーズのラン・スー・ミキに引っ掛けて、
三つ子の女のコ(猫だけど)のうちのスーが
家族とはぐれて、再会するために芸能界に入って
苦労するって話なんですが。
これも動物キャラだからかわいいんですが、
中身と来たら「芸能界残酷物語」
スーがギャラを持ち逃げされたり、キャバレーでセクハラ衣装
着せられてドサ回りさせられたり、ヤクザの追い込みが来たり…

こんなもん子供に見せるなー!
といってしっかり見てた私、なんなんでしょう?
(読売テレビで土曜の朝7時半からやってたっけ。)
そう考えると、いまナックがヤクザ系Vシネマに移行したのは、
作風の相性から言って正解だったのかも。


新ドン・チャック物語と新キャラクター


で、このドン・チャックですが、半年間・26話で放送終了。
その後新シリーズが始まります。
新シリーズといっても、リメイクとかの類じゃなく、
内容,キャスト、スタッフ殆ど全く一緒。
しかも旧作と新作の間に再放送を巧みにまぜこぜして
やってたから、私も資料に目を通すまでドンチャックに
新旧シリーズあるなんて想像だにしませんでした。
後半は新たにコアラのキャラクターがレギュラー入り。
クマのダイゴとカブってないか?
最終回は実はよく知らないのです。というのも
関西での最終放映話、というのが途中で
終わっちゃいましてね。
関西テレビでの再放送(月〜金の朝7:30〜8:00)の
最終放映はこんな話。

「コン太よ、偉大なキツネになれ」
ザワザワ森にコン太の祖母がやってきました。
祖母はキツネ一族のプライドを重んじる
昔気質の気の強いおばあさん。
事もあろうにビーバーのドンチャックと仲良く遊んでる
孫のコン太に驚き、怒り狂います。
「キツネは気位の高い、誇りある獣なんだよ!
それがおまえはなんだい!ビーバーごときが友達だと!
おまえが誇りあるキツネなら、あのビーバーを殺しな!
それでこそ、我が誇りあるキツネ一族に相応しい!」
弱肉強食の論理からいって、ビーバーとキツネが仲良くなるなんて
おかしい!というのが祖母の考えでした。(それを今更言うかね。)
コン太は嫌がりましたが、婆さんの異様な迫力に負けて
チャックを川べりにおびき出し、川に突き落として殺します。
木陰から実際に殺せるかどうか監視していた婆さんは
一部始終を見届けて、「よくやったよくやった、これでおまえも
ようやく誇りあるキツネ一族の一員になれたんだ。」と
コン太を褒め称えます。
ところがチャックは死んではいませんでした。理由は簡単。
川に落ちたところで、ビーバーが川で死ぬわきゃありません。
コン太はチャックに詫びをいれ、友情復活。
それをみたコン太の婆さん、吐き捨てるように
「やれやれ、こんな連中に付き合っちゃいらんないよ。」
と、言い残し、一人村を後にどこかへ行ってしまいます。
今日もザワザワ森は子ども達の明るい声でいっぱいです。

この放送を最後に再放送は終了しちゃいました。
これが最終話だったのかなぁ?と思ったら
実は第1シリーズ第12話という事が判明。
結構初期の話だったのね。
ドン・チャックは放送が新作、再放送がごちゃ混ぜになってたんで、
明確な最終回がよくわかりません。


ドン・チャック物語 スタッフ
企画/こころのある後楽園ゆうえんち
原作/小泉志津夫・成田マキホ(講談社たのしい幼稚園掲載)
演出/関田 修・高垣幸蔵・山本 功 ほか
脚本/吉田喜昭・筒井ともみ・安藤豊弘・吉田 進ほか
作画監督/田中英二・池ノ谷安夫


音楽/エム・エーシー(第1期)・角田圭伊吾(第2期)
OP/ドン・チャックといっしょに(作詞・水垣洋子 作曲・森田公一/唄・大杉久美子)
OP2/空いっぱいの夢(作詞・さいとう大三 作曲・森田公一/編曲・丸山雅仁/唄・大杉久美子)
ED/夢みるドン・チャック(作詞・水垣洋子/作曲・森田公一/唄・大杉久美子)
ED2/星の川(作詞・さいとう大三/作曲・森田公一/編曲・丸山雅仁/唄・大杉久美子)

ドン・チャック物語(第1期)放映リスト

放送日サブタイトル
1975.4.6ママを探して大冒険
1975.4.13ドラキュラ狼が王様になった
1975.4.19心と心が呼んでいる
1975.4.26ザワザワ森の仲間達
1975.5.3ドロドロ沼の人魚姫
1975.5.10まいごになった卵
1975.5.17ザワザワ森の一大事
1975.5.24嵐の中を突っ走れ
1975.5.31愛呼ぶ竹笛
1975.6.7困ったガンテツ爺さん
1975.6.14すてきなバースデープレゼント
1975.6.21コン太よ偉大な狐になれ
1975.6.28 大人のけんかはむずかしい!!
1975.7.5ザワザワ森のカミナリさま
1975.7.12オイラは森の英雄だい!
1975.7.19いたずらっ子
1975.7.26ザワザワ森の怪事件
1975.8.2子どもの家をつくろう
1975.8.9わるいわるい大ダヌキ
1975.8.16ぼくとパパの歌
1975.8.23チャックに勝ちたい!
1975.8.30不思議なおとしもの
1975.9.6山賊ゲバがやってきた
1975.9.13パパの趣味はひとさわがせ
1975.9.20夢の中の大冒険
1975.9.27ザワザワ森の日食

キャスト
ドン・チャック(沢田和子)
ララ(野崎貴美子・のち横沢啓子)
コン太(雷門ケン坊)
ラッパ狼(薮内英喜)
カチン太(池田 勝)
ダイゴ(黒須 薫)
メェ先生(勝田久・のち円山英二)
ミミ(吉岡昌美)
(山下 望)(坂本由美)(今村 洋)(大 慶太)(落合美穂)他

※正確な資料が無いので、脇役の声優に関しては誤りもあろうかと思います。

と、いうわけで今回の記憶のかさブタ、いかがでしたか?
次回なにしよう。
開始当初はすぐ終わると思ってたこのコーナー、
結構しぶといです。
次回は決まり次第お知らせします。

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