看板

素朴な疑問。スパロボって何時頃産まれた概念なんでしょうね。
アメリカでは「VOLTRON」とか言って複数の別作品を一つにまとめちゃうって
発想があったんですけど、その影響かしら。
この作品はワンダースワン版でのみ参加してますね。
空戦能力飛びぬけて高そう。
今回はリクエストのあったこちらが御題。

グロイザーX

1976年7月1日〜1976年3月31日 全36話
東京12チャンネル系放映・製作 ナック


グロイザーロボ(グロイザー]ではありません。)



冒険王版「マジンガー」の鬼才・桜多吾作初のテレビアニメ
1972年放送開始時より一大ムーヴメントを巻き起こした「マジンガーZ」を世に送り出した
永井 豪とダイナミックプロ。その後もダイナミックプロ製ポストマジンガーの要望は止まず、
本家マジンガー路線(グレートマジンガー・グレンダイザー)の他にも様々な斬新な企画が立てられていきます。
石川 賢共同原作による「ゲッターロボ」(合体ロボの元祖であり頂点をも極めた逸品)
安田達夫共同原作による「鋼鉄ジーグ」(パーツ換装多機能化という概念を持ち込んだ革新的作品)
ときて、第四の波として出現したのが、冒険王でハード極まるマジンガーを描いていた
桜多吾作と永井豪の共同原作(永井豪は監修、という立場)という形で世に出たこの「グロイザーX」なのです。

初期案グロイザー。

原作者・桜多吾作インタビュー
「ぼくにとってはじめてのアニメ作品だったので、
それだけ期待をかけていました。製作していく段階で
絵や設定にいろいろ注文をつけました。ぼくが短気だったせいもあって
けんか腰になったこともありましたね。」

(徳間書店「月刊アニメージュ」1979年5月号・特集・テレビアニメ16年史77頁より抜粋)

桜多吾作筆による海阪譲デザイン。

桜多吾作版「マジンガー」を読まれた方は説明不要かも知れませんが、とにかく氏の漫画は
戦いの意義に厳しく、背後設定が異様なまでに辛辣かつリアル。
テレビアニメでマジンガーの概念が出来てた人は、冒険王の桜多版マジンガーを見て
卒倒されたはず。「なんて厳しい内容なんだ」と。
「マジンガーZ」じゃ、マジンガーに乗って機械獣と戦ってた兜甲児が
戦ってたが故に高校の出席日数が足りなくなって留年しちゃう話
とか、
「グレートマジンガー」じゃ、グレートの設計図を違法に入手した兵器産業の会社が
自分たちの手でグレートを量産して、兵器としてミケーネ帝国に売り渡す
話とか、
「グレンダイザー」では、デュークが今まで敵として普通に倒してた円盤獣には、実は自分たちの同胞、
フリード星人の脳髄が組み込まれていて、知らないうちにデューク自身、
同胞を大量虐殺していた、
なんて話ばっか描いてた御仁。
とにかく生半可じゃいかないのは桜多吾作版「マジンガーシリーズ」。
そんな氏の原作クレジット作品が初アニメ化というから、どうなるんだろう?
主人公は桜多版兜甲児みたくヒロインのアソコに手を入れるのか?
それとも桜多版剣鉄也みたくショットガン乱射して強盗しまくるのか?
…まあ、放送コードがそんな暴挙許すわけありません。ヒーローは清く正しく。
案の定、男の主人公・海阪譲は裏表ない正義の熱血ヒーローでした。
でも、あにはからいや。この番組の主人公は譲にあらず。
逃亡してきた宇宙人美少女(このネーミングが何とも)、リタこそこの番組の主役なのです。


苦悩の異星人ヒロイン・リタの十字架
ストーリーはこんな感じ。

茜島の民間航空チームのパイロット、海阪譲と
チームのリーダー、飛鳥博士(宇宙航空学の世界的権威)は
チームのアクロバットショーの最中に高空より飛来する巨大な飛行物体と遭遇する。
巨大な飛行物体は茜島の崖に激突し墜落。が、飛行物体は一切の破損なし。
中から重症の少女が現れ、海阪らの見守る前で気絶。
少女は茜島の研究所で介抱され、意識を取り戻す。少女は自分の身上を告白する。

少女の名はリタ。見た目は人間だが
染色体も細胞配列も血液も全く異なる異星人。
ガイラー星から派遣された宇宙探査団の一員で、300年前に北極に不時着し、
救援を待つために冷凍睡眠していたが、核実験によって冬眠から覚めた。
母船内では救援が来ない事に業を煮やした軍部が暴走。
「母星に帰れない以上、この星・地球を征服して第二の母星にするのだ!」
軍人ゲルドンは公言し、母船内の平和勢力・反抗勢力を次々処刑。
ゲルドンはガイラー帝国を建国、帝王を名乗り、
世界侵略の拠点として日本列島の完全支配を命令する。
(理由は地理的に有利・工業のインフラ設備が整っているから。)
このことを知った平和主義者のヤン博士は、表向きは軍部に協力する振りをしつつ、
最強の空爆ロボ・グロイザーXを完成させる。
そして娘のリタをグロイザーに乗せて日本に亡命させたのだった。
来るべきガイラー帝国の日本侵略に対抗しうる
唯一の決戦兵器・グロイザーを日本に供与し、
ゲルドンの野望をくじくために。
海阪譲は天才的なパイロット技術を駆使し、
リタとともにグロイザーに乗り込み、
送り出される帝国の空爆ロボを迎え撃つ。
だが、その戦いはリタにとって、今まで同じ船に乗っていた
同胞、友人・恋人と殺し合いをする事を意味する。
リタの重く苦しい戦いが始まった…。

敵の一族の一人が亡命し地球側に付き、人類の平和を守っていく…
このような板挟み型主人公というのは古くは「遊星仮面」(1967.TCJ)、
「デビルマン」(1972.東映動画)などがありますが、
女性というのは初めてではないでしょうか?
ガイラー帝国の描写には当時冷戦状態だったソヴィエト連邦の面影が色濃く
感じられる、と、多くの文献に描写されていますが、
それになぞらえるとリタはソ連からの亡命のウェーブ?
しかも驚くべきことはグロイザー放映開始直後の1976年9月に
例のミグ25函館空港亡命事件が発生したということ。
当時、世界最強の戦闘機と喧伝されながら性能が一切ベールに包まれていた
戦闘機ミグ25が日本に強行着陸し、アメリカへの亡命を希望したという
ニュースを見るにつけ、「おお!グロイザーが2ヶ月もはやく予言している!
さすがは桜多吾作!先見性が神がかっている!」とは、
…多分当時は誰も考えなかったんだろうなぁ。

当時の児童誌掲載のスチール。



辛辣なるエピソードてんこ盛り
さて、先のミグ25事件についての話をさせてもらうと、
亡命したビクトル・ベレンコ中尉を奪回するために
(というより国家機密のミグ25の情報をアメリカに奪われないために)
ソヴィエトは彼の妻、母をテレビに出演させて
涙ながらに中尉の帰還を訴える記者会見を全世界に配信しました。
ベレンコ中尉は会見を衛星中継で見て、
「殆ど家庭内別居だった妻がこんな事言うわけない」
と、クレムリンの仕組んだ茶番劇に失笑したと言われています。

これに先駆ける形で(放送日は1976.8.12。ミグ事件は1976年9.6!)放送されたエピソードが
グロイザーの中でも傑作と呼び名の高い第七話「リタの心を取り戻せ!」です。
まるで現実の事件を先行くリアルなエピソードに心震えます。

第7話 リタの心を取り戻せ!
ガイラー帝国の将校ケント率いる突撃隊が関東のキーテレビ局を武力占拠。
ケントは全国ネットの電波を通じて、リタに帝国への帰還、グロイザーの返還を呼びかける。
ケントはかつてのリタの恋人であり、互いに相思相愛の仲でもあった。
(回想シーンでキスまで見せる演出が凶悪。)
テレビを見たリタの心は激しく動揺。思い悩んだ末に
自分とグロイザーが帝国に帰ればこれ以上日本の人々に危害が及ばないと
考え、ついに帝国への投降を決意する。

しかし、リタとグロイザーが帝国に帰れば、日本は無防備と化してしまう。
帝国の攻撃停止の約束も反故にならないとも限らない。
リタは一人、グロイザーに乗って帝国への投降を開始。
それを止めようとする譲の複葉機。
このままリタが投降すれば、日本は終わりだ…。
もう、誰もガイラー帝国の魔の手を止められない…
飛鳥博士は、ケントがテレビ局占拠の際に
局員を射殺していたという事実を突き止める。
リタの理性に賭ける…!博士はリタに局員射殺の事実を伝え、
帝国の本質がなんら変わっていない冷酷非道なものだという事を
解からせ、我にかえることを期待したのだ。

リタはその事実をしり、そのことをケントに問い詰める
が、ケントは当然の事、と、まるで虫ケラを殺して何が悪いと
悪びれる様子も無く言い放つ。帝国の非情な思想に染まった
かつての恋人の変貌ぶりを見るにつけ、リタは投降を拒否する。
逆上したケントは豹変。グロイザーと裏切り者リタを抹殺すべく攻撃をかけてくる。
激しい攻撃を受け、かつての回想渦巻く中、リタはついにフライング・トーペドーの引き金を
ケントに向け引いた。命中し墜落していくケントの空爆メカ・ハリケント。
「おれの負けだ…元気でな、リタ。さよなら…。」
大爆発するケント機を見届け、号泣するリタ。

戦いは終わった。リタとグロイザーは再び茜島に帰還する。
しかし、リタの苦しみ、悲しみは消えることは無かった。
それでも、ガイラー帝国の魔手はとめどなく襲ってくる。
譲とリタはあらためて、帝国の野望と戦うことを誓うのだった。

このような現実色濃い心理作戦など、当時としては異様で、
原作者・桜多吾作氏の意見が相当反映されていたのでは?とも推測されます。
もうひとつ、やりきれないエピソードを。

第15話 悲劇の空爆ロボ・ビッキー
ガイラー星に帰りたい…
リタの幼馴染、ビッキーはかつての故郷に帰ることを切望していた。
ビッキーの叔父であり、地球攻撃司令官でもあるドゴス元帥は
娘ビッキーに対してこう言いはなつ。
帰りたいのなら栄誉を積み重ねる事だ。
空爆ロボの隊長になり、特権者となればはお前の願いは叶えられよう。
(当然、母星帰還など出来っこないので、これは欺瞞なのだが。)
その言葉を信じたビッキーは空爆ロボ・ハイビッキーの操縦者となる。
初陣としてゲルドンから与えられた任務は東京にICBを投下すること。
見事任務を遂行し、ゲルドン、ドゴスともにビッキーを賞賛する。

だが、東京は地獄と化していた。
ICB=アイスボムが炸裂した東京は絶対零度の寒気によって
崩壊し、7000人以上の人命が瞬時に奪われていた。

リタと再会したビッキーはリタからその事実を教えられる。
ビッキーは自分の落とした物体で数千人の人命が奪われたなど、知る由もなかったのだ。
「知らなかったでは済まされないわ!」リタはビッキーを責める。
命令とはいえ、非戦闘員を何千人も殺したという事実がビッキーを苦しめる。
ビッキーは叔父ドゴスに正しい行為だったのか否かを詰問するようになった。

そして、ビッキーはドゴスの手によって消されてしまった…。

譲とリタはその結末を知り、あらためて帝国打倒を決意する。

なんでこう、胃がシクシクするエピソードばっかなんでしょうね。
このあたりにも原作者の「戦う者の心に痛い重しを乗っける」という、
桜多吾作氏のエッセンスが生きている、というべきか。

当時としてはSF性(と戦記物)を意識した造りになってる点が異色のグロイザーですが
これは企画当初からの意図でもあり、桜多吾作氏の意向が色濃く反映された結果ともいえます。
「マーチャンダイズレポート」(商品化権を売るために各企業に新番組の告知や権利窓口を紹介する業界紙)では、
作品紹介に「従来のメカオンリーのロボットものとは違い
人間ドラマにポイントがしぼられた、脱ロボットを目指す作品」
とあり、
完成作品にもそれは反映されています。
故に、グロイザーロボの出演が減った、というのも、「脱ロボット」の傾向故?

空爆ロボ形態(こっちがメインです。)


そも、空爆ロボ・グロイザーXとは?
ストーリー紹介を一旦小休止。ここでは空爆ロボについての考察。
ガイラー帝国、というと聞こえはいいですが、別にガイラー星からわざわざ
地球侵略にきた正規軍ではありません。先に述べたとおり、
辺境の星を調査していたガイラー星の大型調査隊が地球に不時着し、
帰れなくなったために同乗してた軍がやけのやんぱちになって
「侵略したるわい!今日から我々は帝国や!」と、まあ、
こんな勢いで産まれた独立愚連隊がガイラー帝国でありまして。
空爆ロボの技術はガイラー星の軍事兵器技術の応用で、地球環境に最も適した兵器として
考えられたものでしょう。日本を狙う理由も「先の大戦を見る限り、日本は空爆に弱い」という
戦略性もあるようで。(ゲルドン、顔の割りになかなかの策略家。)

空爆ロボは皆、ミラクルシリコンニウムという特殊合金で作られています。
どういう金属か具体的な言及はありませんが、名前から察するに
伸縮・変形が自由自在の軽金属だと思われます。この金属なればこそ
粘土のように伸びたり縮んだりする変形が可能な訳ですね。
(故に自己修復機能、なんて粘土みたく破損箇所が修復できるのも
この金属ゆえの特性でもあるのですね。∀ガンダムのナノスキンみたい。)


そんな空爆ロボの中でも群を抜いた能力を誇る超空爆ロボがグロイザーXです。
素材は他の空爆ロボ同様、ミラクルシリコンニウムですが、グロイザーはエンジンが違うのです。
グロイザーに使用されてるのは無限のパワーを秘めると言われるタキオンエンジン
宇宙戦艦ヤマトの波動エンジンにも使われているタキオンです。
このエンジンはヤン博士しか作れない超技術の産物です。
結局ガイラー帝国の空爆ロボは最後までグロイザーに敵いませんでしたが、それもこれも
このタキオンエンジンの超パワーのおかげといえましょう。

グロイザーの武器は結構多岐に渡りますが、殆どが空爆形態・グロイザーXの時の武器です。
タキオン光弾・(アンテナ部の中央でスパークし、連射される赤い光弾)
タキオンソニック・(顔部中央の3連ランプ部から発射される光線)
タキオンレインボー・(顔部口から放射される七色の光線)
フライングトーペドー・(胴体腹部から発射される巨大ホーミングミサイル)と、
印象的な武器が目白押し。一方の格闘戦形態のグロイザーロボは
グロイザーキック、ハンマーパンチといった具合。
というのも、空爆ロボはあくまでも空中戦のための兵器であり、
格闘戦形態というのは、翼が折れたり撃墜されて空を飛べなくなった非常事態時に、
止むを得ずチェンジする予備戦闘体型に過ぎない訳です。
とりあえず動いて抵抗できる体型、というべきでしょうか。
それは1話・2話の戦いを見てれば明白ですし。
ですから、空爆ロボである以上、グロイザーはグロイザーXの状態が最強なわけで、
グロイザーロボは、ちょこまかと地上を逃げ回る空爆ロボのとどめを刺す
引導形態、とでも言うべきものなのでしょう。

グロイザーロボ内部図解(作・スタジオぬえ)


最終回・そして別れ
さて、このグロイザーX、中盤から終盤にかけて連続劇の要素が強くなり、
一気にたたみ掛ける展開になっていきます。
まず序盤で殺されたと思っていたヤン博士が生きてることが29話で発覚。
これが縦糸になって、物語が最終回に向かって動き出します。
33話でついにグロイザーの秘密基地が茜島であることがガイラー帝国にばれ、
茜島での総力決戦に発展。
レギュラーキャラの壮絶な特攻死(バク老人)、グロイザーの争奪戦を経て、
35話ではガイラー帝国内で反体制の平和勢力がゲルドンに反旗。
グロイザーとドゴス元帥(いわゆる中ボス)の死闘、ドゴスの戦死を経て、
最終回36話「大空に平和の鐘が鳴る」へと進みます。

第36話 大空に平和の鐘が鳴る
ガイラー帝国は最後の超兵器・超巨大空爆ロボ ガイラーVを出動させた。
「このわし自ら出撃する以上、かならずグロイザーXを倒す!」
グロイザーの5倍の巨体・ガイラーVの攻撃は強烈で
さしものグロイザーも圧され気味。一切の武器が通用しない!
「ぐわっはっはっ!いよいよ貴様の最後が来たようだな!」
冷凍光線で凍らされ、海中に没するグロイザーX。

時を同じくして、ついに平和勢力がヤン博士を救出し、北極の帝国基地を占拠する。
帰るべき基地が反抗勢力に乗っ取られた事をしり激怒するゲルドン。
「おのれ〜っ!ガイラーVで皆殺しにしてくれる!
基地に引き上げろ!グロイザーの破壊は後回しだ!(ああ、後にこれが…)


引き上げてきたガイラーVの攻撃力の前に
反抗勢力は壊滅寸前に追い詰められた。ヤン博士の命も風前の灯。
海中より脱出したグロイザーにヤン博士からの通信が入る。「基地の入り口を教える!」
北極の氷山の一つが基地の入り口だ。
ファイトアップ(ロボに変形)し、ヤン博士らに加勢するグロイザー。
帝国基地は完全に制圧したが、脱出するゲルドンとガイラーV。
「くそぅ!ガイラーVロボ作戦、開始ィィィィィッッ!」
格闘戦形態になり、グロイザーロボと対峙するガイラーVロボ。
激しい戦いの末、グロイザーはガイラーVロボのどてっ腹を蹴りでブチ抜き勝利。
ゲルドンら帝国一味は爆発の炎の中に焼かれて消えた。

戦いは終わった。ヤン博士とリタはついに再会する。
リタ「おとうさま、(今まで一緒に戦ってくれた)海阪譲さんよ。」
ヤン「よくやってくれた…」
譲「いえ、博士が作ったグロイザーXのおかげです。」
ヤン「いや、君の勇気と平和を愛する心が、ゲルドンの野望を打ち砕いたのです!」

その後、平和勢力、ならびに今まで労働捕虜として拉致されていた地球人(この辺がリアル)
救出。残された帝国基地は北極の開発センターとして再利用されることになる。
(敵の基地の再利用まで描くのは前代未聞。ここまで細かい描写は他にない。)
博士達は地球上の宇宙観測所やレーダー基地を通じて母星ガイラー星へのコンタクトを試みる。
そして、幾日かの後、偶然近くを航行していたガイラー星の宇宙船とコンタクトが取れ、
博士達はついに母星に帰還することに。

お別れパーティの後、リタと譲は仲間の墓前に報告する。その帰路…
譲「いよいよ、お別れだな。」
リタ「お話したいことがいっぱいあるのに、どう話したらいいか…解からないの…」
譲「…俺もだ…」
リタ「うっ…ううっ…」

夜の浜辺で抱き合うリタと譲。

そして、ついに別れの日。皆に別れを告げ、宇宙船に乗り込むリタとヤン博士。
上昇していく宇宙船を、譲の乗るグロイザーXが追走する。
(グロイザーXはガイラー星と地球の友好の記念として、茜島に寄贈されたのです。)
リタ「譲!譲!」
譲「さよならリタ!さようなら!」
リタ「さ…さよならぁ…」
空路から外れ、旋回するグロイザーX。上昇を続けていく宇宙船。
大粒の涙を流すリタ、そしてコクピットで涙する譲。

ナレーター「長い戦いは終わった。そして、大空を一人飛ぶ譲は…
大空に響く平和の鐘の音を聞くのであった…。」


戦いには勝った…。しかし、その勝利のときは最愛の相手との永遠の別れを意味するという残酷なラスト。
(おそらく一度ガイラー星に帰れば、次地球に来たときには譲は寿命で生きていない。)
余りにも切ない、切ない幕切れです。

マンガ単行本表紙


桜多吾作による原作漫画はなく、
放送後に朝日ソノラマから単行本書きおろしとして
全2巻のコミックスが発売されました。
(コンバトラー・コンドールマンも同様の形で単行本が発売。)
作者はダイナミックプロのパンチョス・石綿氏。
古書価格の価値は現在全2巻セットで4万円(!)


グロイザーX スタッフ
監修/永井 豪
原作/桜多吾作・ダイナミックプロ
企画/ダイナミック企画・永井 隆 菊池忠昭
プロデューサー/西野清一・中野庄司・近藤伯雄
シリーズ構成/安藤豊弘
キャラクターデザイン/鈴木孝夫
作画監督/長谷川憲生・田中英二 他

製作協力/大広
音楽/(クレジットなし。クニ河内?)
OP/飛べ!グロイザーX(作詞・永井豪/作曲・クニ河内/唄・池田 鴻)
ED/ゴーゴー・グロイザーX(作詞・高円寺博/作曲・クニ河内/唄・池田 鴻)


グロイザーX 放映リスト

放送No放送日サブタイトル脚本演出
1976.7.1大空の勇者グロイザーX安藤豊弘秦泉寺 博
1976.7.8宇宙人美少女の秘密安藤豊弘秦泉寺 博
1976.7.15恐怖の気象兵器安藤豊弘神田 隆
1976.7.22熱血!ヒコーキ野郎の涙が燃える!-秦泉寺 博
1976.7.29悲しみは大空の彼方に安藤豊弘秦泉寺 博
1976.8.5悲劇のマッハ3.5大作戦吉田 進新田健二
1976.8.12リタの心を取り戻せ!吉田 進秦泉寺 博
1976.8.19消えた空爆ロボ 伊東恒久秦泉寺 博
1976.8.26傷だらけの友情吉田 進秦泉寺 博
101976.9.2この命果てるとも安藤豊弘秦泉寺 博
111976.9.9人間ロボット大作戦吉田 進秦泉寺 博
121976.9.16女神像を破壊せよ!吉田 進-
131976.9.23恐怖の大飛行船吉田 進秦泉寺 博
141976.9.30皆殺しの巡視船吉田 進秦泉寺 博
151976.10.7悲劇の空爆ロボ・ビッキー--
161976.10.14日本全土を攻撃せよ吉田 進高垣幸蔵
171976.10.21謎の飛行物体吉田 進新田健二
181976.10.28果てしなき大空の戦い--
191976.11.4ゲンの命を救え吉田 進高垣幸蔵
201976.11.11さらば 宇宙の友よ安藤豊弘秦泉寺 博
211976.11.18秘密基地大爆破吉田 進佐山一志
221976.11.25奪われたグロイザーX安藤豊弘高垣幸蔵
231976.12.2ジョーとリタの命をねらえ!吉田 進磯 良一
241976.12.9マシンWA銃を防げ!吉田 進磯 良一
251976.12.16恐怖の巨大戦車吉田 進-
261976.12.23嵐を呼ぶ大空中戦安藤豊弘佐山一志
271977.1.6大空に怒りをぶつけた涙の一撃--
281977.1.13恐怖!空飛ぶ鯨吉田 進高垣幸蔵
291977.2.3生きていたヤン博士吉田 進佐山一志
301977.2.10死を呼ぶ電撃作戦安藤豊弘秦泉寺 博
311977.2.24冷たく白い東京桜井正明秦泉寺 博
321977.3.3秘密前進基地をさぐれ!吉田 進高垣幸蔵
331977.3.10茜基地に突入せよ!吉田 進磯 良一
341977.3.17リタよ!ジョーを撃て!桜井正明佐山一志
351977.3.24総攻撃 ガイラー帝国 安藤豊弘高垣幸蔵
361977.3.31大空に平和の鐘が鳴る安藤豊弘磯 良一

放送ネット・KTV THK STV FBSなど
提供/中島製作所ほか
平均視聴率 5.65%

キャスト
海阪 譲(古谷 徹)
リタ(野崎貴美子)
飛鳥秀樹(勝田 久)
サブ(沢田和子)
ヤン博士(岡田道郎)
ゲルドン(薮内英樹)
(河西 清)(山下 望)(沢木郁也)(高見裕子)他

と、なんとか終了。
冬の締め切りがそろそろ来そうなので
早めに更新してみました。
年内にあと何回更新出来るかな。
次回もスパロボ路線。問題作でおなじみの
「宇宙大帝ゴッドシグマ」を予定。では次回。

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