(2008.4現在)タツノコギャグヒーローの最高峰とも呼ばれる
ヤッターマンですが、そのスタイルが出来るまでには
様々な紆余曲折がございまして。今回紹介する作品は
ハードなタツノコヒーローとギャグタツノコヒーローの
合いの子、といった感じの作品でして。故に評価も微妙なんですが。
ゴワッパー5ゴーダム
1976年4月4日〜1976年12月29日 全36話
朝日放送(24話よりNET)系放映・製作 タツノコプロ
ガッチャマン+タイムボカン÷2+α
あらすじはこんな感じ。
海岸の団地に住むわんぱく5人組、
岬洋子(中学3年生)
津波豪(小学6年生)
亀山大吉(小学4年生)
小石川五ェ門(小学2年生)
河口のり助 (6歳)は
ゴワッパー5を名乗る冒険軍団。
ある日、団地の向かいに見える不気味な島・奇顔島への冒険をしようと、
漁船をかっぱらって島に上陸を試みる。しかし漁船は謎の海流によって大破座礁。
奇顔島に投げ出されたゴワッパー5は島の洞窟に入ると、
そこは人工的な研究施設とコンピューターで固められた超近代研究所だった。
ゴワッパーの到着と共に突如動き出すコンピューター。それは30年前に地球空洞説を唱え、
行方不明になったとされる大洗博士の声だった。
博士は死後、自分の記憶&人格をコンピューターに移植し、
地底魔人と戦うことの出来る勇気ある少年達をずっと待っていたのだという。
少年達に与えられた巨大ロボット・ゴーダムと5つのゴワッパーマシン。
洋子たちは「新しい冒険の始まりだよ!」と、さっそくメカの操縦訓練に入る。
が、時を同じくして、地底魔人の地上侵略がついに始まろうとしていた。
ここに、大洗博士の意思を継いだゴワッパー5とゴーダムの、
地底魔人の野望をくじく戦いの火蓋が切っておとされた。
真実のゴーダム像
路線変更と時代の要求
物語は基本一話完結。基本は毎回出現する地底魔人の繰り出す破壊メカが地上を攻撃、
そこにゴワッパー5+ゴーダムが出撃。毎回毎回特殊な攻撃を繰り出す敵に苦闘しつつ
最後には撃退する、という、いわばガッチャマン対鉄獣メカの路線を引き継いだ内容になってはいますが、
タツノコらしいハードさにあふれているなぁと思えるのは、都市が破壊された後の避難民の救護活動や、
避難民キャンプに敵の部隊が急襲をかけてくるという、当時、同時期のロボット物では描かれなかった
「ロボットバトルの足元の悲劇」までしっかり描写されているという点。
特に強烈だったのが、第8話「強敵!モスンダー」。
ゴワッパーのメンバー、豪のケンカ友達でもあった戸川一郎は、
地球地質学の権威である戸川博士を父に持つ少年。
地底魔人は戸川博士がゴワッパーチームの指揮官ではないかと勝手に勘違いし、
ゴワッパーとゴーダムの居場所をさぐるために戸川博士を誘拐し、拷問にかける。
一郎は「父さんが誘拐されたのはゴワッパー5のせいだ!」と豪たちに詰め寄るが、
豪も洋子も何も言い返せない。そんな折、傷だらけになった戸川博士が解放されて帰ってくる。
地底魔人が何故博士を生かして返したのか…?
これこそ地底魔人の罠だった。
博士を解放すればゴワッパーの基地に直行するだろうと地底魔人は考え、博士を解放したのだった。
重傷の博士は病院に入院。地底魔人は病院がゴーダムの秘密基地と思い込み、襲撃を開始してきた。
立ち塞がったゴワッパー5とゴーダムによって地底魔人軍団は撃退された。
その後、今回の事件によって地底魔人の存在を知った戸川博士は、
近く開催される地球物理会議において地底魔人の存在と危機を世界中に訴えるべく、
息子と共に航空機で旅立つ。が、
その直後、その航空機が消息を絶ったというニュースが流れる。驚愕の豪。
「やりやがったな!ち…地底魔人め!おれの…おれの友達を返せ〜っ!」
その後、海上にてバラバラに四散した航空機の残骸が発見された。
乗客乗員ともにほぼ絶望。
世界は未だに、地底魔人の恐怖の真実を知らぬまま、今に至っている…
死闘、そして最終回
最終回を前に、地底魔人の秘密がようやく国際機甲師団の科学班によって暴かれます。
地底魔人は粘土の体に巣食う高知能バクテリア生命体が核をなしており、
このバクテリアを破壊すれば地底魔人はただの土くれに還ってしまうのです。
早速このバクテリアを破壊する特殊薬品を弾頭に積んだ地底魚雷で地底に攻め込む人類側。
一方の地底魔人側もそれを阻止せんと地上攻撃を激化。
ラストにいたって地底側と人類側の総力戦の様相を呈してきます。この人類側の新兵器によって
33話で無限に生み出されてきたネンドロイド工場が壊滅。地底魔人は兵士を補充することが
不可能になってしまいます。(ここから地底魔人側の崩壊のカウントダウンの描写が
連続で描写されていきます。このへんの連続性はさすがタツノコ。)
35話において、底を付いた兵士に代わって大将軍ドッグガーンが自ら出撃!
あらゆる光線兵器を跳ね返す反射ミラーを武器にゴーダムを追い込んでいきますが、
ミラーの中心に命中させれば反射はおこらないという弱点を洋子に突かれて(どういう理屈かわからないが)、
ドッグガーンは顔面吹き飛ばされて戦死。(残酷だなぁ。)ついに地底魔人国は皇帝ジゴクダーを残すのみ。
ゴワッパー5ゴーダム スタッフ
製作/吉田竜夫
原作/タツノコプロ企画室
企画/鳥海尽三・酒井あきよし
プロデューサー/後藤武彦(NET)・永井昌嗣(竜の子プロ)
総監督/鳥海永行
制作デスク/栃平吉和(竜の子プロ)
キャラクターデザイン/天野嘉孝
メカニックデザイン/大河原邦男
作画監督/須田正己・二宮常雄・奥野芳久・井口忠一 他
製作協力/サンライズ
音楽/ボブ佐久間
OP/行くぞ! ゴーダム(作詞・若林一郎/作曲・小林亜星/編曲・青木望/唄・水木一郎、ヤング・フレッシュ)
ED/ゴワッパー5の歌(作詞・若林一郎/作曲・小林亜星/編曲・青木望/唄・水木一郎、ヤング・フレッシュ)
ゴワッパー5ゴーダム 放映リスト
放送No | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画 |
1 | 1976.4.4 | ゴワッパー5出動せよ! | 鳥海尽三 | 鳥海永行 | 須田正巳 二宮常雄 |
2 | 1976.4.11 | 出たか! ネンドロイド | 久保田圭司 | 鳥海永行 | 湖川 滋 木下ゆうき |
3 | 1976.4.18 | さがせ! 地底魔人 | 久保田圭司 | 九里一平 | 二宮常雄 平山則雄 |
4 | 1976.4.25 | たたけ! ドカンパー | 永田俊夫 | 原征太郎 | 須田正巳 江村豊秋 |
5 | 1976.5.2 | くだけ! ユサブランカー | 永田俊夫 | 西牧秀雄 | 湖川 滋 木下ゆうき |
6 | 1976.5.16 | ぶっつぶせ! アリジャンボ | 永田俊夫 | 大貫信夫 | 上村栄司 牧 由美 |
7 | 1976.5.23 | 海の悪魔ハイザブン | 山本 優 | 野村和史 | 福田 皖 清山滋祟 |
8 | 1976.5.30 | 強敵! モスンダー | 田口章一 中原 朗 | 鳥海永行 | 二宮常雄 江村豊秋 |
9 | 1976.6.6 | 挑戦! オトガート | 永田俊夫 | 富野喜幸 | 須田正巳 江村豊秋 |
10 | 1976.6.13 | どこだ! 地底秘密基地 | 久保田圭司 | 西牧秀雄 | 湖川 滋 木下ゆうき |
11 | 1976.6.27 | 炎の決闘! ジムグリラ | 陶山 智 | 富野喜幸 | 湖川 滋 沼尻 東 |
12 | 1976.7.4 | 突撃! モグラック | 田口章一 中原 朗 | 上原一夫 | 山田政紀 富沢雄三 |
13 | 1976.7.11 | 炎の悪魔! オオリューダー | 久保田圭司 | 富野喜幸 | 二宮常雄 平山則雄 |
14 | 1976.7.18 | 大攻撃! サンドフーン | 山本 優 | 大貫信夫 | 坂口 尚 北条昌子 |
15 | 1976.7.25 | 大追跡! パトンボー | 久保田圭司 | 鳥海永行 | 須田正巳 木下ゆうき |
16 | 1976.8.8 | 襲撃! 謎の巨大魚 | 久保田圭司 | 上原一夫 | 山崎和男 山田政紀 |
17 | 1976.8.15 | 怒れ! タートルタンク | 小出良一 | 西牧秀雄 | 湖川 滋 沼尻 東 |
18 | 1976.8.22 | 逆襲! ゴーダムレーザー | 滝 三朗 | 鳥海永行 | 二宮常雄 江村豊秋 |
19 | 1976.8.29 | 超兵器!ハネポンダー | 永田俊夫 | 大貫信夫 | 坂口 尚 中島京子 |
20 | 1976.9.5 | 合体獣! シャチホコラー | 陶山 智 | 上原一夫 | 山崎和男 山田政紀 |
21 | 1976.9.12 | 疾風! チテイライダー | 陶山 智 | 西牧秀雄 | 湖川 滋 木下ゆうき |
22 | 1976.9.19 | 三段変身! ドクンガー | 山本 優 | 西牧秀雄 | 昆進之介 江村豊秋 |
23 | 1976.9.26 | マグダーの最期 | 久保田圭司 | 鳥海永行 | 二宮常雄 平山則雄 |
24 | 1976.10.6 | 砂魔人! スフィンガー | 滝 三朗 | 富野喜幸 | 昆進之介 木下ゆうき |
25 | 1976.10.13 | 地獄花! キューコンガー | 堀田史門 | 西牧秀雄 | 坂口 尚 中島京子 |
26 | 1976.10.20 | 大出現! ジャンボ・キノッコー | 毛利 元 | 富野喜幸 | 湖川 滋 江村豊秋 |
27 | 1976.10.27 | 巨大ロボット! ベアズリー | 久保田圭司 | 西牧秀雄 | 野崎恒仲 長谷川憲生 |
28 | 1976.11.3 | 幻怪獣! ミエンガー | 山本 優 | 富野喜幸 | 二宮常雄 平山則雄 |
29 | 1976.11.10 | 大暴れ! コンガーキング | 毛利 元 | 鳥海永行 | 昆進之介 江村豊秋 |
30 | 1976.11.17 | 岩石巨人! ジャリアント | 堀田史門 | 西牧秀雄 | 木下ゆうき 長谷川憲生 |
31 | 1976.11.24 | 大攻撃! マブッダー | 山本 優 | 富野喜幸 | 湖川 滋 平山則雄 |
32 | 1976.12.1 | 吠えろ! ゴーダムタイガー | 堀田史門 | 西牧秀雄 | 鎌田百合子 小国千代子 |
33 | 1976.12.8 | はじけ! パチンガーX | 陶山 智 | 鳥海永行 | 二宮常雄 平山則雄 |
34 | 1976.12.15 | 大作戦! ゴーダム・ジャック | 堀田史門 | 富野喜幸 | 長谷川憲生 昆進之介 |
35 | 1976.12.22 | モーレツ! 巨大カブトーザー | 永田俊夫 | 西牧秀雄 | 湖川 滋 平山則雄 |
36 | 1976.12.29 | 決戦! ジゴクダー | 滝 三朗 | 鳥海永行 | 二宮常雄 奥野芳久 |
と、なんとか終了。
どうもタツノコ系のスパロボって、マイナーなのが多いですね。
ゴーディアンやゴールドライタンも玩具ばかり有名で
作品内容について余り語られないと言うか。
ゴーダムも今まで余り作品内容について語られたものを
見たことがなかったんですが、やはりあの
異様な外見がメチャメチャインパクトありますよね。
ああいうヒーローメカって、ロボットアニメ黎明期だったから許されたのかなぁ。
あのくらいの冒険心が今あってもいいんですけどね。では次回。