看板

サイト引越しして初の更新です。
さて、今回のは本当に記憶のかさブタ。だってこのアニメ、
私の住んでる和歌山では少なくとも
再放送された記憶が殆ど無い。ソフト化もされてないし。
他の地方ではリピートが多かったのかな?
確かに日本人にあまり馴染みの無い題材ですしね。

荒野の少年イサム

1973年4月4日〜1974年3月27日 
全52話
フジテレビ系放映・製作 東京ムービー

荒野の少年イサム




日本唯一の西部劇アニメ
原作は週刊少年ジャンプに連載された山川惣司・川崎のぼるの
同名マンガ。当時はいわゆる懐漫ブームで、
月光仮面や赤胴鈴之助がリメイクされ、
好評を博していた頃です。
この「イサム」も、戦後間も無くブームになった
少年読み物の西部劇「大平原児」「荒野の少年」の
70年代リメイクと捉えることができます。
私は当時原作漫画を読んで、
子供の脳天を銃でブチ抜いて殺すシーンがショックで、
以降ジャンプ・コミックスを怖くて手にとれなかった記憶が。
こういう非情さを全面に押し出したコミックス版に対して、
アニメ版のイサムははちょいと違うようで。あらすじはこう。

明治初期、開拓時代のアメリカにおいて、西部の無法者と日本人が戦っていた。
日本人の名は渡 勝之進。その傍らには病床の妻と生まれたばかりの赤ん坊が。
やがて動乱の中で母親は死に、父親ともはぐれた赤ん坊−渡イサム。
運良く善良なロッテンキャンプの人々に拾われ、育てられることに。
時が過ぎ、ロッテンキャンプの暖かい愛に包まれて成長してきたイサムだったが、
無法者一家ウィンゲート親子にさらわれてしまい、
冷酷な殺し屋として 銃の教育を叩き込まれることになってしまう。
さらに時が過ぎ、銃の腕前は一人前に なったイサム。
が、ロッテンキャンプ時代の優しい心を捨てきれないイサムは
人はおろか獣すら殺せない。業を煮やしイサムをリンチにかけるウィンゲート親子。
そこに、ウィンゲートに母親を殺されたビッグストーンが復讐のために現れる。
が、そこにいたイサムに驚くビッグストーン。
ビッグストーンはかつてイサムが赤ん坊の時、
勝之進を無法者から助けた恩人だったのだ。
そしてその勝之進の息子がこともあろうに
怨敵ウィンゲートの手先になっていようとは。
運命の皮肉に 嘲笑する2人。
確かにウィンゲートは救いようのない悪者だが、
イサムにとっては 今日まで育ててくれた恩人でもある。
善と悪の呵責に苛まれるイサム。
そんな折、ついにビッグストーンはウィンゲートを追い詰め、
重傷をおわせるが トドメを刺す前に逃げられてしまう。
重傷のウィンゲートを看病するイサムだったが、
とどめを刺しにやってきたビッグストーンと、イサムは対決することに。
結果は相討ちになり、ビッグストーンは
ウィンゲートの息子兄弟に捕まり 半殺しのリンチにあう。
一方、医者の手術で一命を取り留めたウィンゲート。
イサムがホッとしたのも束の間、息子兄弟の銀行強盗計画を知り、
なおかつ口封じのために命の恩人の医者を殺すという話を聞き、
ついにイサムは怒り爆発。
ウィンゲート親子に銃をむけ、絶縁を宣言。
自ら保安官の元にむかい、刑に服するイサム。
出所後、イサムはこの西部の どこかにいるであろう、
記憶喪失の東洋人−父を探して旅立つ。

イサム10歳時。


成長を止められたアニメのイサム
原作とアニメは基本的に始まり方に差異はありません。
ただ、多少時間軸が前後している程度でしょうか。
原作の1話ではイサムは赤子だったのに、
アニメは既にウィンゲート一家の元で働く少年でした。
(赤子の頃のエピソードは後に語られる構成。)
ビッグストーンのウィンゲート一家襲撃をキッカケに、
自らの信じる正義に追従するようになり、
ウィンゲート一家と手を切る17話までは、
基本的に原作と同じと言えます。
もっとも、原作のような残酷描写は 見送られましたが。
撃つのも頭じゃなく肩とかになってたし。
(ウィンゲートの声は加藤治さん。ピッタシだ。
世界で一番「野郎ども!」ってセリフの似合う声優。)

ただ、この頃の東京ムービーアニメの拳銃のSE(効果音)って、
みんなルパン三世でおなじみのあの音
(デァギュンッ!ってやつね。)なんですね。
しかもビッグストーンの声は小林清志さんなんで、
モロ次元とカブっちゃいますし。

原作はストーリーが進むにつれてイサムは成長し、
荒野の少年から荒野の青年に変わっていきますが、
アニメは視聴者の子供と乖離しないようにという配慮からか、
イサムの年齢は10歳前後で固定されます。
青年になったイサムだと、番組が殺伐とする、という
配慮もあったのでしょうが。
(子供のままで銃を撃ちまくるほうが殺伐としてないか?)
ストーリーはその後、 父を探して荒野を巡り、
ある時はイヤガラセを受けてる牧場の用心棒になったり、
ある時は無法者にさらわれた牧場主の息子を助けたり、
ある時は賞金稼ぎとの決闘、
ある時は保安官の手伝いをしたり
という善行を繰り広げつつ、
父の手がかりを探して放浪する、というのが
ストーリーの基盤になっていきます。
そこでもイサムは自分から先に手はださず、
無法者の卑怯な責めに耐えて、耐えて、
耐え抜いて〜、最後の最後で早業の銃がうなる、という、
まるで昭和残侠伝の高倉健さんのような展開
こうしないと、殺伐とした設定の世界だから
茶の間でやるには問題があるのかも知れませんね。
日本人は辛抱強い、という一種のアピールも込みなのかも?

いまいちメジャーになれない作品 ビッグストーン
この作品、同時期のムービー作品
「ど根性ガエル」「空手バカ一代」
「侍ジャイアンツ」「エースをねらえ!」と比較しても、
明らかに知名度や露出度が極端に低いです。
再放送も私の知る限り、放送終了直後以降は
まったく見たこともありませんし、
ビデオ、LD、DVDなどのソフトに一切なっていないのも
「イサム」だけです。
(2017年現在はソフトが発売されています)
世代人には知名度のある作品なんですが、
一定の世代以下になると、原作はともかく、
アニメの知名度はほぼ皆無でした。
確かに、アニメ版は原作に比べると、
途中からオリジナルになっちゃった分、
低年齢向けになったし、父探しのパターンも
途中たるかった記憶もあるので、
人気はイマイチだったのかも知れません。
それに、番組の顔でもある主題歌。
渡辺岳夫先生のウェスタン調がバッチリ決まった名曲
(OPのアニメは、イサムが名馬サンダーボルトに乗って
ロデオをするシーンが印象的。そういえば
第10話「名馬サンダーボルト」の原画って
宮崎駿さんの担当だったんですね。)

なのですが、これがなかなか聴けない曲になっちゃってまして。
理由は簡単。放送当時に出してたレコード会社が
マイナーレーベルだったからです。
これがコロムビアや東芝なら混載盤に収録されたりして、
聴ける機会も多かったかも知れません。が、
イサムは「タイガーレコード」という
聞いたこともない会社からリリースされており、
アニメはこの「イサム」しか手掛けておらず、
当然ながら今はもう存在しないレコード会社です。
故にレコード音源も行方不明になっており、
現在各社からCD化されている「イサム」の曲は、
全て東京ムービーの音源テープから起したモノラル音源でしかありません。
ステレオのイサムを聞くには中古ショップで
イサムのレコードを買うしかないという現実でして。
(私が確認した時の価格は確か9800円だったかな?)
実際、イサムに関してはそんな環境なのでこちらも記憶がおぼろ。
故にCSやDVDで再見出来る機会を待ってはいるのですが。
あ、そうそう、アニメの最終回。
イサムはお父さんとレッドリバーで再会したそうですよ。

荒野の少年イサム スタッフ
原作/山川惣司・川崎のぼる(週刊少年ジャンプ掲載)
チーフディレクター/吉田茂承
ディレクター/御厨恭輔・新田義方・小泉謙三
絵コンテ/波田正美・岡部英二・黒田昌郎・吉川惣司・今沢哲夫 他
作画監修/楠部大吉郎
作画監督/香西隆男・村田耕一・河内日出夫・荒木伸吾・木村圭市郎 他
美術/伊藤雅人・現代製作集団  他
製作協力/Aプロダクション・映音・東京現像所

音楽/渡辺岳夫
OP/荒野の少年イサム(作詞・東京ムービー企画部 作曲・渡辺岳夫 /唄・ボーカル・ショップ)
ED/オー・サンボーイ(作詞・東京ムービー企画部 作曲・北原じゅん/唄・チャーリー・チェイ)




荒野の少年イサム 放映リスト

放送No放送日サブタイトル脚本 コンテ ディレ
クター
作画監督
1973.4.4燃えろ!サンボーイ鈴木よしたけ 波多正美 御厨恭輔 香西隆男
村田耕一
1973.4.11仕組まれた決闘 山崎晴哉 - 御厨恭輔 河内日出夫
荒木伸吾
1973.4.18殺人鬼!パブロ一家 伊東恒久 岡部英二 - 小泉謙三
木村圭市郎
1973.4.25イサムよ銃をとれ!井上知士 黒田昌郎 - 村田耕一
香西隆男
1973.5.2火を吹け!正義!金子 裕 吉川惣司 - 小泉謙三
河内日出夫
1973.5.9ビッグストーン登場山崎晴哉 波多正美 - 木村圭市郎
河内日出夫
荒木伸吾
1973.5.16日本の武士・勝之進伊東恒久 - みくり
や恭輔
村田耕一
1973.5.23オー!サンボーイ井上知士 今沢哲男 - 香西隆男
1973.5.30恐怖の誕生日 金子 裕 黒田昌郎 - 小泉謙三
101973.6.6名馬サンダー・ボルト山崎晴哉 吉川惣司 - 河内日出夫
111973.6.13父と子の一本背負い!伊東恒久 - みくり
や恭輔
木村圭市郎
121973.6.20無法者への第一歩鈴木よしたけ - 新田義方 村田耕一
131973.6.27脅威!ビッグ・ストーンの告白井上知士 今沢哲男 - 香西隆男
141973.7.4善の道・悪の道金子 裕 - みくり
や恭輔
小泉謙三
151973.7.11死闘!ゴーストタウン 山崎晴哉 高畑勲 - 河内日出夫
161973.7.18生か死か?弾丸は一発!伊東恒久 - 新田義方 村田耕一
171973.7.25輝け!正義のイサム井上知士 吉川惣司 - 木村圭市郎
181973.8.1死神を倒せ!山崎晴哉 高畑勲 - 荒木伸吾
191973.8.8試練!カウボーイ修業 伊東恒久 今沢哲男 - 香西隆男
201973.8.15黒いハリケーン一味 井上知士 吉川惣司 - 小泉謙三
211973.8.22敵か?謎のインディアン
山崎晴哉 - 新田義方 小泉謙三
荒木伸吾
221973.8.29凶悪!サソリ兄弟 鈴木よしたけ - みくり
や恭輔
村田耕一
231973.9.5グリーン・シティの大決闘山崎晴哉 吉川惣司 - 木村圭市郎
241973.9.12ふたつの顔の悪魔を倒せ伊東恒久 今沢哲男 - 香西隆男
251973.9.19ドクロのペンダント井上知士 - 新田義方 小泉謙三
荒木伸吾
261973.9.26さらばモリソン牧場山崎晴哉 吉川惣司 - 村田耕一
271973.10.3対決!イサム対ビリィ・ザ・キッド 山崎晴哉 - みくり
や恭輔
村田耕一
荒木伸吾
281973.10.10無法のゴールドキャニオン井上知士 小泉謙三 - 小泉謙三
291973.10.17火を噴け!ゴールドキャニオン山崎晴哉 今沢哲男 - 香西隆男
301973.10.24悪鬼ドーソン一家を撃て!松崎行雄 - みくり
や恭輔
村田耕一
311973.10.31総攻撃!黒い天使団山崎晴哉 - 新田義方 荒木伸吾
321973.11.7壮烈!グリーン砦の攻防伊東恒久 吉川惣司 - 小泉謙三
331973.11.14風狂!的はずれの拳銃井上知士 今沢哲男 - 香西隆男
341973.11.21美少女!死の追跡山崎晴哉 - 新田義方 村田耕一
351973.11.28七年目の復讐鈴木よしたけ - みくり
や恭輔
荒木伸吾
361973.12.5怒れ!インディアン山崎晴哉 小泉謙三 - 小泉謙三
371973.12.12荒野にひびけ!愛の鐘井上知士 今沢哲男 - 香西隆男
381973.12.19 よみがえれ!汚れなき瞳伊東恒久 吉川惣司 - 村田耕一
391973.12.26はばたけ翼!西部の空を伊東恒久 中村真 - 荒木伸吾
401974.1.2追撃!真犯人は誰だ徳丸正夫 - みくり
や恭輔
小泉謙三
411974.1.9謎のゴーストタウン井上知士 今沢哲男 - 香西隆男
421974.1.16輝け!保安官バッジ井上知士 吉川惣司 - 村田耕一
431974.1.23決断!正義の反逆児山崎晴哉 - みくり
や恭輔
荒木伸吾
441974.1.30負けるな!ちびっこガンマン山崎晴哉 - - 小泉謙三
451974.2.6誕生!西部一の女保安官伊東恒久 今沢哲男 - 香西隆男
461974.2.13のっとられた蒸気船
徳丸正夫 上窪健之 - 村田耕一
471974.2.20熱砂!幌馬車はゆく井上知士 石黒昇 - 山口泰弘
481974.2.27無法!国境の町徳丸正夫 中村真 - 荒木伸吾
491974.3.6父か?謎の東洋人山崎晴哉 - みくり
や恭輔
小泉謙三
501974.3.13勝之進!正義の木刀
伊東恒久 今沢哲男 - 香西隆男
511974.3.20急げ!父はレッドリバー松崎行雄 石黒昇 - 村田耕一
521974.3.27再会!父よ!わが子よ!!山崎晴哉 小泉謙三
御厨恭輔
- 荒木伸吾
山口泰弘

キャスト
渡イサム(神谷 明)
渡 勝之進(小林 修)
ビッグストーン(小林清志)
ウィンゲート(加藤 修)
レットー(家弓家正)
ナレーター(桑原 穀)ほか

移転後初の更新です。
メジャーなんだかマイナーなんだかよく解らない
今回のお題。前半2クール分はまだ記憶にあったけど
後半の話がごっそり抜け落ちてる。
多分途中で見るの止めたか、記憶に残って無いかのどっちか。
イサムは日水がスポンサーだったから、イサムというと
魚肉ソーセージやハムを思い出しますね。
次回でとうとう40回。次回はなにしよう。

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