今回で記憶のかさブタも38回。
もうすぐ3クールです。持ちましたねぇ。丁度開設から2年。
今回は自由を求めた抜け忍のこちらがお題。

忍風カムイ外伝

(1969年4月4日〜1969年9月28日)
 全26話 フジテレビ系放映
製作 TCJ動画センター

カムイ。

サスケに続く白土アニメ第2作
原作はご存知白土三平。もっとも、題の示すとおり、これは
「カムイ伝」の外伝であり、本編の番外編とも言うべき作品。
これは、カムイ伝を執筆していた白土三平氏が、本編ではまだまだ先の話だけど、
描いてる最中に思いついてしまい、「あんまり時間が経つと先に使われるかもしれない」という
アイディアのものを、「外伝」として先に発表しちゃえ、という感じで 作られた別カテゴリの作品。

で、今回の主人公・カムイの生い立ちについて語ると−

慶安年間(1648〜1651)、東北の貧しい村、夙谷村に住む貧しい夫婦に
一人の男の子が生まれた。我が子の誕生を喜んでいると、突然、山から
巨大な片目の山丈が現れ、その子を抱きかかえると「カムイ」と呼んだ。
カムイ、とは、アイヌ語で「神」の意味。以降その子の名はカムイとなった。

貧しい村で極貧にあえいでいたカムイは、「強くなって、大きなモノに立ち向かえる
力が欲しい」と、剣の修業に励むようになる。達人・露木鉄山を師と仰いだ カムイは、
夙流・変移抜刀霞斬りの基礎を磨いた。
次第にその才能を開花させていくカムイを、伊賀忍者の小頭(アニメでは大頭)が目を付け、
カムイは伊賀の里へと誘われる。伊賀の赤目に忍びの英才教育を
仕込まれたカムイは、瞬く間に伊賀の里の有数の実力を身につけていく。

ある日、カムイは忍びの者の仕事として、ある母子を暗殺するよう命令を受ける。
が、カムイにはそれが出来なかった。
カムイの代わりに母子を殺したのは 誰あろう師の赤目だった。赤目はカムイをかばったのだ。
「命令にそむくことは死。今度は必ず命令を実行せよ。」
しかし、次の命令は、なんと師の赤目を殺すことだった。
理由は抜け忍に なったためであったが、
カムイはあまりにも非情な忍びの世界に嫌気がさし、
自らも抜け忍になって、逃亡を始める。
「抜け忍カムイを忍びの掟において抹殺せよ。」小頭の命令によって
逃げるカムイを追って無数の刺客が放たれた。
抜け忍の烙印をおされたカムイは、自由を求めて、
いつ果てるとも無い旅を続ける。

…と、これがあらすじ。もっとも、アニメは第一話ではこういうあらすじは一切語られておらず、
いきなり、追手の刺客忍者とカムイの戦い、欺き合いから入っている。
だから、アニメしか見て無い人は、なぜカムイが追われてるのか解らないかも。
説明らしい説明もしないしね。
いちいちアニメで細かい話しなくても、有名な原作なんだから、って事かも。

放送禁止の2作品・その理由
基本的に前半〜中盤は追手とカムイの死闘がメイン。
前作「サスケ」のような忍法の科学的解説は特に無く、
刺客の特性と、それに対するカムイの対処、といった展開。
原作を忠実にアニメ化したから、今じゃ放送出来ないエピソードもありまして。

第4話 むささび

カムイの飯綱落しに破れて死んだ月影(第3話・「月影」に登場)には
甥と姪の姉弟の子供忍者がいた。大頭の命をうけ、亡き月影の仇、
カムイを抹殺しようと目論む。まずは弟・四郎。幻影忍術・ムササビの術で
カムイに挑む。が、捕まり、飯綱落しの変形技で脳挫傷を負う。
命は助かったものの脳をやられ、半狂乱の廃人になる四郎。
姉の草苗は、飯綱落しを破る策を考える。
飯綱落しは、空中で相手の背中から抱きかかえ、そのまま脳天から
地面に激突させる技。カムイは殺す相手の背中に密着している構え。
ならば、と、草苗はカムイに挑戦。飯綱落しを自分にかけさせる。
カムイが背中に密着した刹那、草苗は自分の胸に白刃を突き刺し、
自分ごとカムイを貫こうとしたのだ。
「見たか!カムイ!これが飯綱がえし!」

しかし、カムイは無事だった。途中の木にひっかかり、逆さ吊りの草苗に
カムイは自分の鎖カタビラを見せる。
「術者は己の技を生み出した時、それを破る方法も考えるものだ。」
「あ…たし…の…まけ…だ…」そのまま息絶える草苗。

カムイが去ったあと、四郎が宙吊りのまま死んでいる草苗を見つける。
「へ…へへ…みの虫みてえだな…おねえちゃ〜ん?」
もはや四郎にはなにも解らない。

カムイは、刺客を退けて再び逃亡を続ける。

救いがない。非情というほか無い話。いい話なんだけど、
やはり四郎が途中で発狂しちゃうのがネックになって、
再放送ではバッサリカットされちゃいます。

そんでもって、こいつも。

第七話 五つ

名張の五つ。大頭が送った最強の刺客。
有数の、腕に覚えのある抜け忍を
何度となく倒してきた不思議な技の持ち主。
ついに対峙するカムイと五つ。
カムイが仕掛ける。変移抜刀霞斬り。が、
この男には通用しなかった。
「おいらの霞斬りがかわされたのは始めてだ。」
五つは足も手と同様に刀が使えるのだ。
五つは長い戦いを通じて、カムイに共感を覚えていく。

そして、五つはカムイの追跡を放棄。自ら抜け忍になって
里を抜ける。当然五つに放たれる刺客。
両手両足を封じられ、火縄銃を向けられる五つ。
が、次の瞬間、火縄銃の打ち手が手裏剣でやられる。
五つのフトコロから三本目の手が出てきたのだ!
「名張の五つ、最後の技。」

木の上から一部始終を見ていたカムイに、五つは言う。
「見たかカムイ。これ故に俺は忍びになった。」
二人の抜け忍はそれぞれ果てない旅に散っていく。
「やつの事だ、なんとか逃げきっていくさ…。」

これもなぜ放送禁止になったかは、説明の必要もないでしょう。
序盤に奇形のカエル(足が三本)を子供が面白がって殺そうとする
シーンとかもあるから、しょうがないかな。でも、決して差別を
助長した内容ではなく、この時代、ハンディキャップのある者が
こうしなければ生きて行けなかった、という、時代を映した
寓話という風にはとられないのかなぁ?

ラスト6話は原作より先にアニメ化。
で、カムイはこういう血生臭い戦いを切り抜けつつ、ひたすら逃亡の旅を続けます。
中盤で刺客の爆弾に目をやられ、10〜13話までず〜っと盲目というすごい展開もありますが。
(子供が「や〜い、●ク●〜!●●ラ、や〜い」とか言って、石投げるシーンもありますが、
これはヒドイ。さすがにこのシーンは見事に無音になってます。)

中盤は様々な旅先での人々との出会い、抜け忍同士の出会いが中心。

が、ここで問題が。
原作「カムイ外伝」のストックが尽きてしまったのです。
原作をモトに構成したのは 第20話「憑き移し」まで。
26話放映が決まってるのに残り6話分の原作が無い。
それ故、ラスト6話は、白土三平自身が原稿用紙三枚くらいにプロップをまとめ、
「ラスト6話はこういう展開に」という指示をあたえたんだそうで。
登場するキャラも、基本的に白土三平が作ったとか。
実際、後に原作も同じ展開を踏んでますし。

ラスト6話は連続ストーリーで、抜けくの一のスガル、その夫の抜け忍半兵衛の 一家と、
カムイ、その集落に住む抜け忍たちのお話。

他人を信じず、カムイも敵と警戒するスガルだったが、
カムイの行動をみて、次第に打ち解けていく。
カムイもまた、スガル、半兵衛、その子供たちと触れ合う内に 暖かいものを思い出していく。
長く苦しいカムイの旅路にも、ようやく安息の地を見つけたのか…。

集落には同じ抜け忍の仲間が頭領の不動のもと、
漁業の邪魔になる鮫を殺す「鮫殺し」の仕事をしている。
が、カムイはただの鮫殺しにしては拭いきれないものを 不動に感じていた。

時は流れ、 カムイも鮫殺しの手伝いをするようになっていた。
そんな折、スガルの長女サヤカから、カムイは愛の告白を受ける。
「カムイ…その貝、大事に持っていてね。
それは月日貝っていってね、 この貝をべつべつに持っていると、きっと一つになろうとするんだよ。」

「なんで、こんな貝を俺に?」

「だって、あたいはカムイのお嫁さんになるんだろ?」


しかし、事態は急転した。
いつものように鮫殺しの作業についていたカムイ。
が、突然、何者かに鮫のいる海に突き落とされた!
何とか鮫の群れから逃げきったカムイだったが、
スガルの家に帰ってきてカムイが見たモノは
惨殺された一家の姿だった。
半兵衛も、サヤカも、 赤ん坊まで惨殺されて骸と化している。
息の残っていたのはスガルだけ。
カムイ「スガル!何が!何があったああっ!」
スガル「忍びは…誰も信じちゃ…いけなかった…だれも…!」
カムイ「誰が…誰がやったんだ!」
スガル「目を…追手の目をえぐってやった…!」
息絶えるスガル、驚愕するカムイ。 怒りに身を振るわせるカムイは復讐を誓った。


最終回・十文字霞くづし

カムイは犯人を考える。スガルも半兵衛も腕は立つ。
その2人を仕留める腕の持ち主といえば…
頭領の不動しか考えられない。しかしそうとすれば
カムイに勝ち目はない。不動には飯綱落しも霞斬りも 通用しないことは解っているからだ。
と、すれば、 以前から考えていた技を完成させるしか…ない!

不動は大頭の命を受けて、抜け忍の集まる集落に忍び込まされた 刺客だった。
長い年月をおいて集落に留まり、相手の信用を 勝ち得た上で、
一気に処理する密命を受けていたのだ。
カムイとスガル一家を始末した不動は、集落の抜け忍全員を 鮫に食わせて殺す。
これが不動の本来の目的だったのだ。

密者に命令の遂行を報告する不動。
不動の左目は義眼になっていた。
「貴様だったのか!」密者は死体。後ろに隠れていたカムイ!驚愕する不動。
「おれは人を殺したくない、今日までは極力避けてきたつもりだ、
しかし、貴様だけは…貴様だけは絶対に許さん!」


ついに不動との一騎討ち。が、実力の点では不動が上。
不動「貴様の霞斬りは俺にはきかん。この平地では飯綱落しも使えまい。
他に技があるのか?カムイ。」
不動の皮鞭攻撃の前に 次第に追い詰められるカムイ、
一瞬の隙をついて技を仕掛ける。
不動「貴様が死ぬか俺が倒れるか、勝負だ!カムイ!」
が、カムイは両手に二本の刀を持っていた。霞斬りとは全く異なる動き。

「十文字霞くづし!」
不動の両手がひじから斬り落される。
不動「ぎゃあああ〜!ええぃ!殺せ!殺せ殺せえええっ!」
カムイ「殺す訳にはいかん!いや、そう簡単に死んでもらっては困るのだ!」
不動「頼む〜カムイ!殺してくれ〜!頼む〜!ころしてくれ〜!」
海。カムイが船を漕いでいる。後ろにくくりつけられた不動。
腕の切り口からは出血が続いている。
カムイ「苦しむがいい!スガル、半兵衛、サヤカの分まで!」
不動「殺してくれ〜殺してくれ〜!」
カムイ「貴様に裏切られた者達の分まで充分に苦しみぬいて死ぬんだな!」
血の匂いを嗅ぎつけた鮫が押し寄せる。
不動「貴様!鮫に食わせる気か〜!」
不動に飛びつく鮫、少しづつ、食いちぎられていく不動の体。
カムイ「苦しめ!もっと苦しめ!」
不動、悲鳴も弱々しくなっていく。
カムイ「すまん、スガル、半兵衛、聴くがいい、やつの悲鳴を!」
不動が食い尽くされるまで、カムイは静観しつづけた。

夜明け、スガル、サヤカの墓を前に、サヤカから貰った月日貝を供えるカムイ。
かつてのサヤカの告白が脳裏をよぎる。 「なんで、こんな貝を俺に?」
「だって、あたいはカムイのお嫁さんになるんだろ?。」

カムイ「夜明けが来ると、夜は泣きながら去って行く…
俺も去っていこう…  どこか、遠くへ…」


再びカムイははてない旅へと向かっていった。



やるせない最終回です。
ただ、これはもう子供に見せるラストじゃないなぁ。
怨念爆発のラストです。
以前NHK衛星でカムイ外伝の再放送あったときに、
最終回のあと、いつもコメント言うお姉さんが
これみて絶句してましたし。無理もないです。

劇場公開ポスター
この21〜26話は再編集されて、
放映終了後の1971年12月に東宝系で
劇場公開されました。


忍風カムイ外伝 スタッフ
原作/白土三平・赤目プロ
製作代表/村田英憲
監修/小林利雄
プロデューサー/松本美樹・高橋茂人
演出/渡辺米彦・山本功・村山修・村山徹
作画チーフ/前田 忠・山内善英・角田利隆・毛内節夫
脚本/田代淳二
アートディレクター/小野辰雄
美術/小野辰雄・関 修一

音楽/水谷良一
OP/(しのびのテーマのインストゥルメンタル&ナレーション)
ED/しのびのテーマ(作詞・李 春子/作曲・大本恭敬/編曲・川口 真/唄・水原 弘)


キャスト
カムイ(中田浩二)
スガル(二階堂有希子)
サヤカ(栗 葉子)
半兵衛(木村 幌)
不動(家弓家正)
大頭(小林清志)
ナレーター(城 達也)
(小宮山 清)(立壁和也)(山田康雄)(肝付兼太)(加藤精三)
(寺島幹夫)(池田昌子)(三輪勝江)ほか





忍風カムイ外伝 放送リスト

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放送No放送日サブタイトル演出動画チーフ
11969.4.6雀落し渡辺米彦毛内節夫
21969.4.13飯綱落し山本 功山内善英
31969.4.20月影村山 修角田利隆
41969.4.27むささび鳥居宥之毛内節夫
51969.5.4常風山本 功山内善英
61969.5.11木耳村山 修山内善英
71969.5.18五ツ高垣幸蔵毛内節夫
81969.5.25九ノ一大西 清角田利隆
91969.6.1暗鬼村山 修角田利隆
101969.6.8空蝉 岡田宇啓角田利隆
111969.6.15下人山本 功毛内節夫
121969.6.22狂馬高垣幸蔵山内善英
131969.6.29天人村山 修毛内節夫
141969.7.6移し身 大西 清山内善英
151969.7.13老忍高垣幸蔵角田利隆
161969.7.20抜忍岡田宇啓毛内節夫
171969.7.27黒鍬山本 功山内善英
181969.8.3追跡 村山 修角田利隆
191969.8.10りんどう渡辺米彦前田 忠
201969.8.17憑き移し村山 修毛内節夫
211969.8.24女左衛門 高垣幸蔵毛内節夫
221969.8.31一白岡田宇啓角田利隆
231969.9.7双忍 鳥居宥之前田 忠
241969.9.14鮫殺し村山 修前田 忠
251969.9.21月日貝山本 功山内善英
261969.9.28十文字霞くづし村山 修角田利隆


と、今回も無事終了。
いよいよHP開設2周年。
結構いろんな方に支えられて続けてこれましたこのコーナー。
それではまた次回お会いしましょう。

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