原稿作業に追われてしまって、
気が付けば1ヶ月半も更新できていませんでした。
このコーナー終わったと思われた方もいたりして。
久々の更新です。まだ作業残ってるので
今回画像少ないですが。
素朴な質問。萌え、という言葉っていつ出来たのでしょう?
それより、萌えの定義って何なんでしょうか。
フェチやツボとはまた違うようで。
ただ、美少女が絡んでるのは間違い無いか。
(お姉様の場合は「美少年」ね。)
美少女アニメ…って言うとちょいしけべなのを連想しますが、
80年代にはこんな美少女アニメがお茶の間に流れてました。
ななこSOS
1983年4月2日〜1984年1月14日・フジテレビ系放映・
全39話+再放送2話
製作・国際映画社
古いコミケット世代の方や、美少女マンガマニアの方には
その名を知らぬ人はいないと謂われるロリコンキャラの教祖的存在、
吾妻ひでお先生のアニメです。
しかしよくアニメに出来たよなぁ。怖いもの知らずの80年代初頭だから
少々の無茶も許されたのか。それとも…。
関西では関西テレビで土曜の朝8時からオンエアしてました。
(ちなみに関西ではガチャガチャの老舗・コスモスの提供でした。)
当時は週休二日制じゃないから、ギリギリまで粘って見てましたね。
東京は土曜夕方6時のオンエアだったのね。なんで関西も同じ時間に…?
あ、関西ではその枠は「Oh!タカラヅカ」の時間だから無理だわ。なるほど。
ロリキャラ教祖の美少女脱力系コミック
吾妻ひでおの漫画といえば、
「不条理」「美少女」「SFナンセンス」と
いうキーワードが出てきます。
代表作とも言われる「やけくそ天使」「ふたりと5人」など、
とにかく徹底的にドタバタナンセンス。
そこにSFマインド溢れるネタや
エロ劇画のネタを擦り込んで、
美少女とモンスター絡めて一丁あがり、
的な展開が常でした。
エロ劇画雑誌での仕事も多く、
「あにまるカンパニー」という作品では
人妻から女子高生までやりまくり。
そんな漫画でも当時放送中だった
「アルプスの少女ハイジ」を
「みんな見ろ!」と掲載枠の8ページ
全部使ってハイジの告知やってたりします。
ああ、この人ほんと〜に
美少女に目が無いんだなぁと
妙に関心したりなんかしちゃったり
なんかしちゃったりして。(広川太一郎風。)
そんな吾妻ひでおの原作「ななこSOS」、
連載は1980年、光文社の青年雑誌
「ポップコーン」にて始まります。
(日本の漫画とアメコミの合体雑誌。隔月刊)
連載1回目はどんな話かというと、
冒頭から何の説明もなくななこが
超能力で空を飛んで出てきたかと思えば、
学校のみんなも当たり前のように
「空飛ぶ便利な小間使い」と言わんばかりに
ななこをコキ使ってるという不条理なストーリー。
1回目からこれである。超能力に誰も驚かない。
ななこ以上に回りの世間一般が狂ってる。
この辺が吾妻流不条理、というべきか。
原作ではななこは世界征服を企む悪の天才上級生、
四谷によって超能力を訓練されて身につけた事になっており、
以降ななこは四谷の欲望の赴くまま、
超能力を悪徳ビジネスに流用されていくのだが、
ななこと偶然知り合った漫画家志望の同級生、飯田橋に
良心と正義を(空回りだけど)説かれ、
以降奇妙な三人の関係を軸に物語は進行していきます。
原作者によると、ななこの原案は「鉄腕アトム」だそうで、
ななこはアトム、四谷が天馬博士、
飯田橋がお茶の水博士なんだそうで。言われてみればなるほどなと感心。
掲載雑誌が青年誌という事もあって、原作のななこは事ある毎に
エッチな目に会わされたりします。
下着姿にされたり服を破られるのは序の口で、
往来でパンツを脱がされたり、ストリップをしたり、
果ては変質者に誘拐されたあげく全裸にされて、
体のありとあらゆる個所を写真に撮られちゃったりします。
作者もこの辺は嬉々として描いてるのがよく解ります。
ポップコーンは6号で休刊になり、
ななこの連載は新雑誌「ジャストコミック」にて再開されます。
こちらでは裸の描写は少なくなり、むしろマニアネタが多くなります。
四谷がギャバンのコスプレしたり、蒸着したり
(丁度リアルタイムだったのね。)、レギュラーの悪役キャラ、
Dr・石川、Dr大トモなど、身内ネタ続出。
(漫画家仲間のいしかわじゅん氏、大友克洋氏がモデル)
原作漫画はひたすら
肩の力抜きまくりの
やりたい放題のキャラ漫画に徹していました。

アニメはというと…
アニメーションではそんな不条理一辺倒にするわけにもいかないので、
一応理屈はつけていました。第1話は記憶を失ったななこが
飯田橋、四谷の前に現れるところから始まります。
記憶を失った代わりにななこには超能力が身についた、
という訳です。
家も両親も思い出せないななこを飯田橋と四谷が
面倒をみることになりますが、そこで四谷は
超能力をビジネスにしようと目論む、
という風になっています。
原作では全く無視された整合性を、一応アニメでは形にした、
といった所でしょうか。
原作の絵を作画監督の二宮常雄が
アニメ用にリファインしていますが、
良くも悪くも80年代だなあと思ってしまいます。
原作のななこのほうが可愛いよなぁ。
動画にはしにくいタッチとは思うけど。にしても、
どうしてアニメのななこは緑の髪なんだろう?
(グリーン・レクイエムの影響?穿ちすぎかな?)
四谷、飯田橋は変わり無いのですが、
凄まじいのがDr・石川。
アニメは殆どフランケンシュタイン。
いしかわじゅん先生怒って下さい。
アニメではななこが超能力を発揮する際に変身する、という
オリジナルの設定が加わっております。
超能力で悪と戦う時は、それまでのセーラー服から
ピンクのレオタードのすーぱーがーるに変身!
…セーラー服のままで良いのに。
あとはオリジナルキャラとして幼児型のサポートマスコットロボット、
コンビニエイジ・セブン&イレブンが登場します。
名前のとおり便利なアイテムとか出してくれるし。
にしてもなぜ幼児型なのか…?
物語の進行と最終回
物語は基本的によろずかんぱにー(四谷たちの有限会社)に
仕事を依頼にくる依頼者の願いを聞き入れ、ななこたちが出動し、
バトルあり、宝捜しあり、いろいろあった末事件を解決し、
報酬もらおうとするも最後でドンデンあってトホホ、ってなのが定石でした。
ななこ自身を欲しがる(いろんな意味で)Dr・石川もレギュラーで登場。
いろんな新兵器を繰り出してきますが、どれもおマヌケなシロモノばかりで返り討ち。
例えばななこの超能力を消滅させるヘルメットをななこに被せ、
超能力の消滅したななこを誘拐しようとするのですが…
ななこ「四谷さん!超能力が使えません!」
四谷「う〜ん、どうしたものか…そうだ!ななこ!そのヘルメットを取るんだ!」
ななこ「あ、取れました!」
Dr・石川「し、しまった!まさかヘルメットを取るとは!盲点だった!」
…全編こんなノリなんで、アホらしすぎて…。
胃にもたれなくて良いですけどね。
そんな最終回はななこが記憶を取り戻して、
みんなの前から去って行く話。
実はななこは両親との旅行の最中に事故で記憶をなくしていたのです。
両親が迎えに来て、飛行機で去って行くななこを飯田橋は涙で送ります。
四谷は「儲け損なったか。」と悪態をつきますが、
グラサンの奥では涙うるうるでこう呟きます。
「ななこ…帰ってきてくれ…!」
ななこの置手紙のモノローグがラストシーンにかぶります。
「四谷サン、飯田橋さん、ごめんなさい。
記憶が戻った代わりに私の超能力も消えちゃったみたいです。
本当に今までありがとう。みんな、みんな大好き!」
ななこSOS 製作スタッフ
原作/吾妻ひでお(光文社ジャストコミック連載)
製作/壷田重三
シリーズ構成/山本 優
チーフディレクター/鴨野 彰
脚本/山本 優・大橋志吉・堀切京子・石塚智子・鈴木裕美子・渋谷厚美・渡辺麻美・他
演出/しぎのあきら・網野哲郎・秦泉寺博・山谷善彦・篠 幸裕・須永 司・他
絵コンテ/しぎのあきら・しぎの義信・網野哲郎・永樹凡人・永木龍博・鳥南 乃・泰泉寺 博・他
キャラクターデザイン/二宮常雄
作画監督/高橋春男・村田四郎・永木龍博・土器手司・二宮常雄・木下ゆうき・アベ正己・他
音楽/新田一郎
OP/オレンジのダンシング(作詞・伊藤アキラ/作曲・新田一郎・/唄・高橋みゆき)
ED/星空のノクターン(作詞・伊藤アキラ/作曲・新田一郎・/唄・高橋みゆき)
放送No | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 絵コンテ | 作画監督 | 視聴率 |
1 | 1983.4.2 | 超能力の美少女 | 山本優 | しぎのあきら | しぎのあきら | 高橋春男 | 8.2 |
2 | 1983.4.9 | 宇宙豆(そらまめ)の唄が聞こえる
| 山本優 | しぎの義信 | しぎのあきら | 村田四郎 | 9.2 |
3 | 1983.4.16 | 悩める吸血少年!? | 大橋志吉 | 鳥南乃 | しぎのあきら | 永木龍博 | 9.1 |
4 | 1983.4.23 | ボスとななこと機関銃 | 大橋志吉 | しぎの義信 | 秦泉寺博 | 木下敏治 | 6.2 |
5 | 1983.4.30 | オリーブは悪魔の匂い | 大橋志吉 | 網野哲郎 | 網野哲郎 | 木下ゆうき | 6.4 |
6 | 1983.5.7 | 美しき氷の女王
| 堀切京子 | 田代文夫 | 山谷善彦 | 飯野皓 | 6.0 |
7 | 1983.5.14 | 不思議の国のななこ | 大橋志吉 | しぎの義信 | 篠幸裕 | 永木龍博 | 4.8 |
8 | 1983.5.21 | 暴れていいとも!筋肉娘
| 石塚智子 | 永樹凡人 | 山谷善彦 | 村田四郎 | 5.9 |
9 | 1983.5.28 | 燃えろショジョ寺拳法
| 大橋志吉 | しぎの義信 | 網野哲郎 | 木下ゆうき | 6.4 |
10 | 1983.6.4 | アラブより愛をこめて | 鈴木裕美子 | 石田晋一 | 石田晋一 | 飯野皓 | 4.2 |
11 | 1983.6.11 | のんびりブッシュマン
| 堀切京子 | 永樹凡人 | 篠幸裕 | 永木龍博 | 6.7 |
12 | 1983.6.18 | ダイエット急行殺人事件 | 大橋志吉 | しぎの義信 | 山谷善彦 | 村田四郎 | 6.3 |
13 | 1983.6.25 | セーラー服のサウスポー | <鈴木裕美子 | 網野哲郎 | 網野哲郎 | 木下ゆうき | 6.6 |
14 | 1983.7.2 | 八ツ仮面村の怪!? | 石塚智子 | 鳥南乃 | 山谷善彦 | 飯野皓 | 5.3 |
15 | 1983.7.9 | ななこの決死圏
| 堀切京子 | 佐々木正光 | 篠幸裕 | 永木龍博 | 7.6 |
16 | 1983.7.16 | オオカミ男だぜい!
| 渋谷厚美 | しぎのあきら | しぎのあきら | 二宮常雄 | 5.5 |
17 | 1983.7.23 | 怪人、百面相の涙
| 大橋志吉 | しぎの義信 | 篠幸裕 | 村田四郎 | 7.9 |
18 | 1983.7.30 | 北の果て物語
| 大橋志吉 | 永木龍博 | 網野哲郎 | 木下ゆうき | 3.5 |
19 | 1983.8.6 | 漂流・100万年 | 鈴木裕美子 | 秦泉寺博 | 須永司 | 菊地由行 | 4.9 |
20 | 1983.8.13 | ななこプロレスの味方です
| 物部次郎 | しぎの義信 | 山谷善彦 | 高橋春男 | 6.8 |
21 | 1983.8.20 | ひと夏の思い出
| 鈴木裕美子 | しぎのあきら | 篠幸裕 | 二宮常雄 | 6.9 |
22 | 1983.8.27 | ななこハリウッドする | 堀切京子 | 鳥南乃 | 須永司 | 菊地由行 | 7.9 |
23 | 1983.9.3 | 南の島の秘宝
| 物部次郎 | 網野哲郎 | 長尾粛 | 佐藤厚志 | 5.8 |
24 | 1983.9.10 | 異次元の冒険
| しぎの義信 | 鳥南乃 | しぎのあきら | 村田四郎 | 5.0 |
25 | 1983.9.17 | ななこの料理パラダイス
| 鈴木裕美子 | 永樹凡人 | 篠幸裕 | 高橋春男 | 7.1 |
26 | 1983.9.24 | ななこ売ります
| 物部次郎 | しぎの義信 | 須永司 | 菊地由行 | 9.0 |
27 | 1983.10.1 | ななこを愛したスパイ | 物部次郎 | しぎのあきら | 山谷善彦 | 二宮常雄 | 7.5 |
28 | 1983.10.8 | わが心のバイオリン
| 阿部和彦 | 八尋旭 | 宮下恵子 | アベ正己 | 5.0 |
29 | 1983.10.15 | 大混戦!? 王女とななこ | 物部次郎 | 鳥南乃 | 篠幸裕 | 村田四郎 | 7.8 |
30 | 1983.10.22 | スーパーボーイななお
| 大橋志吉 | しぎの義信 | 長尾粛 | 二宮常雄 | 9.7 |
31 | 1983.10.29 | 危うし!よろずカンパニー | 鈴木裕美子 | 網野哲郎 | 山谷善彦 | 菊地由行 | 8.9 |
32 | 1983.11.5 | いけいけマリンウォーズ | 阿部和彦 | しぎのあきら | 宮下恵子 | 二宮常雄 | 8.7 |
33 | 1983.11.12 | 小倉のプロポーズ大作戦 | 物部次郎 | しぎの義信 | 篠幸裕 | アベ正己 | 6.7 |
34 | 1983.11.19 | 消えた超能力!? | 物部次郎 | しぎの義信 | 山谷善彦 | 村田四郎 | 7.6 |
35 | 1983.11.26 | 四谷にホレた天才少女!? | 渡辺麻実 | 長尾粛 | 長尾粛 | 下田正美 | 7.2 |
36 | 1983.12.3 | ななこのお見舞い日記
| 阿部和彦 | 香川豊 | 香川豊 | 二宮常雄 | 10.1 |
37 | 1983.12.10 | 星に願いを
| 鈴木裕美子 | しぎの義信 | 長尾粛 | 下田正美 | 8.2 |
38 | 1983.12.17 | トキと駆ける少女
| 山本優 | 網野哲郎 | 網野哲郎 | アベ正己 | 9.6 |
39 | 1983.12.24 | また会う日まで | 山本優 | しぎの義信 | しぎの義信 | 村田四郎 | 7.8 |
※1 | 1984.1.7 | オオカミ男だぜい!
(傑作選・再放送) | - | - | - | - | 7.5 |
※2 | 1984.1.14 | ひと夏の思い出
(傑作選・再放送) | - | - | - | - | 5.9 |
キャスト
ななこ(木藤礼子)
四谷(三ツ矢雄二)
飯田橋(古谷 徹)
Dr・石川(銀河万丈)
コンビニエイジ・セブン(龍田直樹)
コンビニエイジ・イレブン(頓宮恭子)
スノウ(塩谷浩三)
長万部(滝口順平)
(青二プロ)ほか
と、今回も無事終了。
これから夏の原稿にスパートかけますんで、
それ済んだらまた更新します。
次回なにしようかな。考え中。