夏もようやく終わります。そんな時節柄とは何の関係もなく、今回の御題はこちら。

昭和オリジナルビデオアニメの世界その1

昨今はブルーレイやらDVDになるんでしょうけど、
今を去ること30年以上昔、劇場・TVに続くアニメの第三のメディアとして
颯爽と登場したのがビデオソフトでした。
TVと違って作家の主張ややりたい事が出来、なおかつ放送コードも
気にしなくていい、よりアニメーターの個性が発揮できるコアな表現の場、
として期待されたりしていたのです。
とはいえ市場のルールがある以上、少なくとも売れる売れないが問われるワケでして、
時を経るにつれて次第にその辺のラインは整理されていきました。
が、黎明期のオリジナルアニメビデオは送り手側にも読めていなかったのか、
加減が解らなかったのか、結構無軌道なものや趣味丸出しのものもありまして、
今見るとそういうとこがオトナの愉しみともうしましょうか。

ただ、悲しいかなこれら多くのOVAのうち、
今現在でも視聴できるものは意外と限られています。
制作会社や販売会社が現存し、原版を保管してくれていて、
なおかつ市場のニーズのあるものは今尚DVD化されて視聴の機会もあるのですが、
大半は発売当時観れなかったらもうそれっきり。再販の機会すらありません。
レンタルに置かれたりTV放映されたるする運のいい作品もありますが、
昨今はもうそういう機会もなく。VHSテープのレンタルなんてもう今時ありませんしね…。

今回紹介する五作品は黎明期(80年代中盤〜後半)のものを中心にしております。
五者五様といいますか、それぞれ個性的な作品ばかりではあるのですが、
いずれも現在視聴困難なものばかり。
どうしても観たいという奇特な方は中古ビデオ屋で発掘作業に勤しんで貰うしか
手が無いのが悲しい限りではありますが…。
それでは昭和のOVA特集、まずはご覧下さい。




恐怖のバイオ人間 最終教師

(1988年作品 50分 製作・ムービック 
発売・ソニービデオソフトウェアインターナショナル)

暴走・ダイアポロン芦田の隠れた最高傑作?
原作は「エルフ・17」でも知られる山本貴嗣氏。
元々は大学時代に書いた「3年B組金八先生」のパロディが元で、
その後いくつかの時節を経て、光文社の「月刊ジャストコミック」にて連載された漫画を、
アニメ界の怪人・芦田豊雄が徹底的にバカバカしくもパワフルにアニメ化。
結果としてOVA史上に名を刻むおバカ作品として知られる事になりました。

ストーリーはこんな感じ。 

関東一悪名高い不良の掃き溜め・私立帝王学園高校に突然赴任した、
自称「最終教師」こと茶羽顔八。
彼の正体はバイオ研究所にて生み出されたゴキブリと人間の遺伝子を
掛け合わせて作られたバイオ人間であり、研究所を脱走した実験体だった。


彼は人間ばなれした生命力とパワーを駆使して
帝王学園高校の非行生徒を次々屈服させていく。
そんな彼の前に総番長白鳥雛子が現れる。
顔八をして手強いと思わせるパワーを持つ彼女だったが、
その弱点は幼き頃より穿き続けていたブルマー。
これが無いと力が出せないという事を知った顔八は、
彼女のプライドと肉体を責め苛む攻撃に打って出る。


学校の不良を全て支配下に置き、
白鳥雛子を窮地に追い込んでいく顔八。
そこに、バイオ研究所の職員であり、顔八を追い続けていた男・
狩魔無礼が現れ参戦する。


計らずも狩魔無礼と共同戦線を組む雛子。
だが、そんな二人を、顔八は次第に圧倒していく。
驚異の生命力を誇るゴキブリ男・茶羽顔八に
白鳥雛子は勝つことが出来るのであろうか…?


監督の芦田豊雄はこの最終教師という題に隠しメッセージを込めていた、と
当時アニメ雑誌で描かれていましたっけ。
曰く「抑圧と暴虐の限りを尽くす弾圧者として茶羽顔八を描く事で、
これをはねのけ学生たちが自立心と自我を養う、乗り越える壁・反面教師として機能する。
これこそが「最終教師」という題の真の意味なのだ。」


…なんかうまく口車に乗せられてるような気がしないでも無いですが、
まあそんなことはどうだっていいのです。
こと、このアニメに関して言うなら、ひたすら馬鹿馬鹿しいノリを理屈抜きで
楽しめればそれでいい、そう思います。
茶羽顔八の声は当時モノマネタレントとして人気を得ていた竹中直人が好演。
見事なハマリ役になっております。もっと演って欲しかったなぁ。
主題歌に至ってはなんと米米CLUB!といっても、
この頃の米米CLUB は「冗談画報(フジ)」とかで
「オンザロックをちょうだい」とかのギャグソングを歌ってた時期でもあるんで、
イロモノの印象があるんですけどね。
「浪漫飛行」でめっちゃブレイクする以前の昔、昔のお仕事です。



恐怖のバイオ人間 最終教師 スタッフ

製作/岸 栄司・高橋 豊
企画/肥田光久
原作/山本貴嗣(アニメージュコミックス刊)
プロデューサー/風間康久・沢登昌樹・加藤長輝
監督・作画監督/芦田豊雄
キャラクターデザイン/山本貴嗣&まんどりるくらぶ
脚本/伊武紋人
音楽/大谷幸

主題歌「加油 (GAYU)」/作詞・作曲・歌 米米CLUB / 編曲・Flash金子

アニメーション制作協力/スタジオ・ライブ
制作/アニメイトフィルム・J.C.STAFF

キャスト
茶羽顔八/竹中直人
白鳥雛子/笠原弘子
狩魔無礼/屋良有作
渡辺隆一/大滝進矢
御祭寛介/難波圭一
梅吉/龍田直樹
校長/永井一郎
番長/飯塚昭三
研究所職員/若本規夫・飛田展男
コンビニエンス店員/山寺宏一
ほか


カリフォルニアクライシス 追撃の銃火

(1986年作品 45分 製作・ヒロメディア スタジオ・ユニコーン
 発売・松竹CBS/FOXビデオ)

パッケージ

全編アメリカンタッチの異色の作画アニメ
OVAが松竹から発売されていた、という事にちょっと驚く人もいるかもしれませんが、
当時はいろんな会社からOVAがリリースされていたのです。
本作の特徴はなんといってもその濃くバタ臭い絵。
アメリカンコミックを意識したタッチと色使いにつきます。
まあ、簡単に言えば、影を従来の色トレスから実線トレスにしただけなのですが、
それだけでここまで印象が変わってしまうという事実に驚きます。

監督の西久保瑞穂氏はTVアニメ「みゆき」「赤い光弾ジリオン」「天空戦記シュラト」の
CDとして知られる方ですが、元はタツノコ出身。案外こういうバタ臭いのって性にあってたのかも知れません。
ストーリーの随所に「未知との遭遇」「激突!」といったキーワードが出てくるあたり、
スピルバーグ映画に相当影響を受けたようにも思えます。
ストーリーはこんな具合。

サンディエゴで暮らす青年ノエラは、仕事のためロサンゼルスに向かっていた。
その途中アメリカンドリームを夢見る謎の少女マーシャと出会う。
時同じくしてトレーラーと軍用車の銃撃戦に遭遇したノエラはマーシャと共にその場を逃げ出す。が、
マーシャはその際、トレーラーから謎のトランクを持ち出していた。トランクの中には漆黒色の謎の球体。


が、それが原因で、そのまま軍に追われることになってしまう。
実はその球体はUFOより回収された「スペース・マインド」と呼ばれる謎の物質であり、
アメリカ・ソ連の両国が狙っている重要機密だったのである。


マーシャはスペース・マインドがデスヴァレーの光景を映し出していることを知り、
秘密と夢を手に入れるためにノエラを焚き付けて一路デスヴァレーへと向かうことに。
だがそんな二人を追って、米軍、クレムリンの猛烈な追跡が始まる。
大陸を股に駆けた壮大なカーチェイス。
そしてデスヴァレーで彼らを待つ運命とは?


実線トレスの濃い濃い作画で描かれる派手なチェイスが本作の見所でしょうか。
ストーリーについては正直あまり中身が無いというか、追う追われるの理由付けとしてしか機能していません。
スペース・マインドも結局意味不明のまま無に帰してしまいますし。

にしても改めてみるとヒロインのマーシャが本当に疫病神に見えて仕方がありません。
自分が気まぐれにアメリカンドリームを追うのは勝手ですが、こいつに関わったおかげで
青年ノエラは仕事クビになるわ、愛車は廃車になるわ、財産は失うわ、全米中を軍とソ連に追い回されるわ…。
あげくデスヴァレーにたどり着くも、得るものは何もなし。
少女の勝手な夢のせいで一人の青年が人生棒に振った、そんなオチのアニメ。なんかヤだな…。



カリフォルニアクライシス 追撃の銃火 スタッフ

総合プロデューサー/芝崎寛政
プロデューサー/栃平吉和
監督・脚本/西久保瑞穂
キャラクターデザイン・作画監督/奥田万つ里
色彩設定/佐藤久美子
美術監督 /新井寅雄
音楽/栗原正己

主題歌&挿入歌/「CALIFORNIA CRISIS」(ミニ・アルバム)
「NEXT MOVE」「HEARTBEAT」(作曲/Mathew Kamei)
「STREETS ARE HOT」(作曲/Jimmie L. Weaver &Michael C. Wilson)
「EYES」(作曲/Donald Griffin )
(以上、全曲日本語詞・歌/美穂)

キャスト
マーシャ/冨永みーな
ノエラ/安原義人
ジャック・ヴァロー/塩沢兼人
カイン大佐 /富田耕生
DJ/大林隆介
アナウンサー/鵜飼るみ子
兵士/小林通孝
中古車屋/藤城裕士
ダッジの男/佐藤正治
マスター/大滝進矢
ほか


デルパワーX 爆発みらくる元気!

(1986年作品 40分 製作・発売/日本コロムビア株式会社)

豪華絢爛・空前絶後のスタッフ大集結ゆるふわアニメ
原作は戸的あき&塚本裕美子が近代映画社刊の月刊アニメ情報誌「ジ・アニメ」誌上にて、
1985年12月〜1986年10月まで連載していた「絶対迫力デルパワーX」。
今で言うところのライトノベルみたいな作品で、連載当初から毎回、
当時の売れっ子有名アニメーターにイラストを寄贈してもらい、ラストに掲載するのが通例になっていました。
どうも最初からビデオアニメ化するのを前提に話が進んでいってたようで、
ゲストアニメーターのイラストも後のキャラデザイン参加のための布石だったようです。
アニメ雑誌の特権をフル活用し、かつ長いスパンで集めていた感じですね。用意周到だなぁジ・アニメ。


監督 佐藤真人インタビュー記事
この「デルパワーX」は今までにないタイプの作品ですね。
話としてはコメディタッチになると思いますが、
あとはいかに色々な人のキャラクターを活かせるかというとこでしょう。
どうしても「デルパワーX」というとタイトルだけでロボット物という感じがしやすいんですけど、
むしろそっちは抑えて別の面で面白さを出せたらと思っています。
ジャンル分けしづらいんですよね。
身内では「スーパー・ローカル・エリア・アニメーション」って言っているんですよ(笑)。
メガゾーンは吉祥寺とか、新宿とかメジャーな沿線だけを出していますが、
こちらは江古田を全面に押し出していきます。
このへんに住んでいる人たちが見てわかるような、画面の面白さを出していきたいですね。(後略)


原作 戸的あきインタビュー記事
う〜ん、本当にアニメになるとはね。一番驚いたのは僕たちじゃないのかな。(中略)
デルパワーが生まれたのは84年の11月15日。ちゃんとノートに付けてある(笑)。
これは設定優先のスタイルで、まず愛美を考え、デルパワーを考え、知吹に絵を起こしてもらい、
(僕は絵がないと話が浮かばない)それからみんなに参加してもらったのね。
もとは同人誌のネタで、「企画書風の本を作ったらウケんじゃないか?」というところから
スタートしてたんだけど、みんなも乗ってね。最終的にジ・アニメで連載という形になった。
連載のやり方としては、まず僕と知吹氏が話し合ってその回のストーリーを考える。
あまり先の事は考えないの。愛美の行動様式というのがしっかり出来ているから、
毎回テキトーに思いつくままネタを入れてしまう。
良く言えば、常に最新のネタを入れたいと言うコト。(中略)
今、ロボット物が不調でしょう。この作品はロボット物という売りではないんだけど、
なんらかの新しい切り口になればと思ってます。




キャラクターデザイナーインタビュー一覧

にしてもこの作品、目を引くのはなんと言ってもこの豪華なキャラデザイナーの布陣。
アニメ雑誌の特権をフルに活用した結果といってはそれまでですが、やはりこれは豪華絢爛。
いいですねこの「キャノンボール」ばりの豪華ラインナップは。

キャラ原案・羽根木愛美デザイン・作画監督 知吹愛弓
まあ、ビデオ化をとか映像化とかを前提に
進めていた企画ですからね。
(中略)愛美というキャラクターには、
四苦八苦してひねりだしたキャラで、愛着があります。
連載を続けていくうちに、だんだんと好みのキャラクターへ
育てていくという形でした。(中略)
「デルパワー」は、ポリシーがどうの、
主題がどうのといった以前に、楽しくて、おもしろくって、
最後に観てよかったなと思っていただける作品に
したいと思います。

矢波辰ヱ門 ゲッツェルデザイン 芦田豊雄
「デルパワー」はもともとビデオ向きの作品だと思いますよ。
要するに好きなことを、おふざけでやってしまうと
いうところがね。徹底的にナンセンスで
意味のないものになれば成功だと思います。
退屈させたらおしまいですね。この作品の狙いは
「プロジェクトA子」に近いんじゃないですか。(中略)
一応、知吹氏のキャラがあるので
あまりはずせないだろうと思いますが、
まあ要するに(矢波辰ヱ門&ゲッツェルは)究極のキャラ
なんじゃないですか。「ガラット」のキウイ博士と
そのライバルみたいな、
よくあるパターンといった感じです。(後略)

宮本陽輔デザイン しげの秀一
「デルパワー」は親しい友人がやっていますからね。
毎回面白く読ませていただいてますよ。(中略)
僕がやることになっている陽輔は、今ひとつつかみどころがない、
印象が弱いキャラですね。主人公の愛美を立てていくキャラで、
今の世の中の男の子の卑屈さを見るみたいで、ここはひとつ、
女の子を引き立てるだけの男の子を、悲哀を込めて
キャラ作りをしていきたいと思っています。(後略)

茶理世句人デザイン 永野譲
「デルパワー」に関しては、私ゃもう何だっていいと思います。
キッカケとしては原作の戸的あきとかあの辺に
誘われたってことなんですけど、こりゃ腐れ縁ってとこですね。
たまにはね、みんなでよってたかって
オールスター・キャストでやってみるのもおもしろいかなって思ってたんだけど、
まさか自分が参加することになるとはね(笑)(中略)
これをきっかけにもっとやればいいんですよ。結構おもしろい企画なのにね。
アニメ界、今、どっちを向いても暗いですからね。
こういう明るい話題があってもいいんじゃないかな。(後略)

スージー・ウィリアスデザイン 出渕 裕
「デルパワー」については、シャレで参加したというレベルで、
作品的に関わってるわけじゃないのね。まあ、頼んだほうからすれば
ハクをつけたかったんだと思いますよ(笑)。(中略)
ただ、これだけのキャラが登場するわけで、三十分の中で頭数だけ突出していて、
いったいどう料理していくのかな、という興味はあります。
「出来やせんぞ〜」と言いたいが(笑)。
僕だったらもっと絞り込んでいきますよ。タメが出ないし、
単なるストーリー紹介で終わってしまうかも知れませんしね。(後略)

秋瀬弘子デザイン 美樹本晴彦
知吹さんとは昔、アートランドでいっしょに仕事をしていました。(中略)
「デルパ」のキャラも以前から見ていましたが、
アニメとして動かしやすく、動いた時魅力が出るキャラだと思いますよ。
この作品はビデオというより、いろんな人間が集まる
お祭りみたいなものと受け取っています。イベントみたいな
ものですね。観た側が楽しんでもらえれば、
それでいいんじゃないですか。(後略)

ニック・ジャガー ローラ・マクラーレンデザイン いのまたむつみ
この作品は、普通のビデオとはちょっと違った、
それでいていろいろ楽しさが詰まったものに
なるんじゃないでしょうか。こういったデザイン・システムも
それぞれの個性が出れば面白いものに
なると思いますよ。(中略)最近はシリアス物が主流で、
こういったコメディ物、お笑い路線というのは
すごく貴重じゃないかしら。
どちらもそれぞれ違う面白さがあるんでしょうけど、
この「デルパワーX」みたいな、肩のこらない楽しい作品も
必要だと思いますね。

メカニックデザイン 岡本英郎
「デルパワーX」はGREAT・GAIJIN氏、たびいるか氏、
ゆうきまさみ氏などが作ったメカ世界が出来上がって
いるから、アニメ用といってもそう変える必要はないんじゃないかな。
割と俺自身、デルパワーの顔は好きだしね。
俺はプロレス好きなので、そのあたりの部分を組み入れていきたい。
状況が許せば、オリジナル・ホールドとかも考えたいしね。(中略)
プロレスファンの心をくすぐるようなデザインにしたいってとこかな。(後略)


とにもかくにも当時の人気アニメーターが一同に会してドンチャン騒ぎしてる。そんな感じですね。
加えて音楽の豪華なこと。歌だけで9曲!一本のOVAとしてはありえない数。
しかも水木一郎、こおろぎ'73、大杉久美子、堀江美都子、かおりくみこ、山野さと子と
日本コロムビアのアニソン歌手総出状態。そこに新人の橋本潮さんの清々しい声が響きます
(「きみはライムグリーン」は名曲でした)


で、ストーリーはこんな感じ。

私立大泉学園に通う少女・羽根木愛美はごく普通の中学二年生。
ある日、彼女の家に謎のロボットが届けられる。


それはロボット工学の権威の祖父、矢波辰ェ門が設計制作したデルパワーXだった。


愛美はなんだか解らないままに搭乗させられ、
祖父を狙う、かつての弟子のフォン・ゲッツェルの作ったパワードスーツと戦う羽目に。
果たしてその決着の行方は?


まあ、何といいますか、メカと美少女が跳梁跋扈していた1980年代のアニメらしい王道のネタです。
アニメで描かれているのは主に原作の第1〜3回あたり。
そこに以降の話のエッセンスやキャラも無理矢理登場させている感じ。
40分という時間でとにかくキャラをみんな出さなきゃ、という必死感も出てまして、
本来出じろの無いローラやスージーに至っては、
プロレスよろしく途中乱入で無理に割り込む形に。
(挙句自分自身で「あたしたち出番少ないんだもん」と愚痴ってますし。)
全体的な流れとしては学園ほんわかラブコメにロボットバトルが食い込むような感じです。
ロボットバトルといっても基本プロレス。飛び道具は一切ありませんし。

最後は覚醒しムキムキになったデルパワーがニック・ジャガーのパワードスーツを倒して大団円。
「愛の力は何よりも強い…か」と、解った様な解らないようなオチがついて終わります。
ラストはジャッキー・チェンの映画みたくメイキング場面風演出が出てオシマイ。
これはみんなで遊んだお祭りなんだよ、というスタッフのメッセージとも受け取れるシーンです。

終盤で「パート2では覚えてろよ〜!」というセリフがありますが、ひょっとしたら続編を予定していた?
けど、結局この一本のみ。セールスが良い悪いとかではなく、
この「デルパワー」が発売されたと同時に、原作の載ってた「ジ・アニメ」自体が事実上休刊しちゃったのです。
(季刊誌として再出発します、という告知が載っていたものの、結局それっきり…)

この時期は先のスタッフインタビューにもあるように、アニメ業界自体が冬の時代を迎えていました。
一時期のリアルロボットフィーバーが過ぎた直後、粗製乱造がたたってか、
多くのアニメ会社やスポンサーが倒産。
加えてブームを牽引してきた「うる星やつら」「Dr・スランプ」などが次々終了。
雑誌も「マイアニメ」「アニメック」そしてこの「ジ・アニメ」が休刊という状況に。
この時期は目立ったブーム牽引作品が無かった事もあって、
アニメ業界は苦境に立つことになります。
(「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」「タッチ」などの次世代の萌芽は始まっていましたが)
ジ・アニメは最後に「デルパワー」という作品を産み落として力尽きた、という事でしょうか。




デルパワーX 爆発みらくる元気! スタッフ

企画/野崎欣宏(伸童舎)
プロデューサー/原屋楯男(ビッグ・バン) 高野光生(近代映画社)
原作/ぷろじぇくとX
原作プロデュース/山本乙彦
原案・構成/戸的あき・塚本裕美子
監督・絵コンテ・作画監督補佐/佐藤真人
キャラクター原案&作画監督/知吹愛弓
キャラクターデザイン/知吹愛弓・しげの秀一・芦田豊雄・いのまたむつみ・出渕裕・美樹本晴彦・永野護
メカニック原案/GREAT GAIJIN・ゆうきまさみ・たびいるか
メカニック・デザイン/岡本英郎
脚本/塚本裕美子
シナリオアレンジ/すがわらけいた
音楽/根岸孝旨

オープニング「Breakin' Me」/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・堀江美都子&こおろぎ73
主題歌「爆発!みらくる元気」/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌:水木一郎&こおろぎ'73
エンディング「きみはライムグリーン」/作詞・矢的あき 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・橋本潮&こおろぎ73
挿入歌「走れ!究極マシンデルパワー」/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・水木一郎&こおろぎ73
挿入歌「微熱すくらんぶる」 /作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・山野さと子&こおろぎ73
挿入歌「ジャーマン・グレイ〜ゲッツェルのテーマ〜/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・こおろぎ73
挿入歌「アイアン アニマルニック・ジャガー」 /作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 歌・こおろぎ73
挿入歌「パンツァー・メッフェン〜ローラとスージー〜」/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 
 歌・大杉久美子&かおりくみこ
挿入歌「がんばれ!まーなーみー!」/作詞・冬村加奈子 作曲・根岸孝旨 編曲・高田弘 
 歌・大杉久美子 堀江美都子 かおりくみこ 山野さと子 橋本潮 水木一郎 こおろぎ73

製作協力/ビッグ・バン

キャスト
羽根木愛美/鶴ひろみ
宮本陽輔/堀川亮
矢波辰ェ門/八奈見乗児
フォン・ゲッツェル/青野武
茶理世句人/塩沢兼人
ニック・ジャガー/銀河万丈
秋瀬弘子/荘真由美
ローラ・マクラーレン/村田博美
スーシー・ウィリアス/江森浩子
羽根木弓恵/中野聖子
ほか
※参考資料・近代映画社刊「月刊ジ・アニメ」1985年12月号〜1986年12月号


活劇少女探偵団

(1986年作品 30分 製作・東京ムービー新社 発売・JHV)

良くも悪くも80年代キャピキャピルンルンアニメ
今回紹介するOVAの中で、ある意味、最もイッちゃってるのがこの作品。
なんというか、ホント同人誌のノリというか、いきあたりばったりで
なーんも考えていないノリというか…。


オープニング「天使のモンタージュ」のガーリーな音楽と
愛らしいカットを見て「ああ、これは恋するお年頃の少女のラブコメアニメだな」
と思い込む人も多いでしょうね。事実初見時私もそうでした。
が、そんな錯覚は10分後、木端微塵に粉砕されます。
恋だのラブコメだのなんてモン、このアニメにゃ毛の頭ほどもありません。

1986年当時の売れ線でもあった
「美少女」+「メカバトル」「ドタバタナンセンス」
全部ぶち込んだらこんな焼き上がりになりました、とでも
言うべきでしょうか。ストーリー(なんてあるの?)は
一応こんな感じ。

名門・聖ゴータマ女学院に通う友里子・碧・静の3人組は自称少女探偵団。
ある日、碧が学校へ来なくなり、寮を引き払ってしまった。


不審に思った友里子と静香は彼女の自宅へ向かうが、
そこで実相寺ら生徒会に襲われ命を狙われてしまう。
実は、事件の背後には女学院の理事長が暗躍していた。
理事長は碧の父・一の谷博士が防衛軍の依頼で
究極の戦闘マシーンを開発していることを知り、
それを自分の私設軍隊に取り込もうとして、
碧を監禁・脅迫していたのだった。


生徒会の追跡から逃げる二人はその途中で
偶然開発中の戦闘マシーンを発見、
なし崩しに搭乗してしまった。
二人は、碧を助けるためマシーンで理事長のもとに向かうが、
操作ミスでマシーンが暴走を始め、
街を巻き込む大戦争になってしまった!
さあ一大事!



そも、ここはどこの国?というくらいに戦車やミサイル、マシンガンが暴れまくります。
加えて私設軍隊をもつ女学校(なんじゃそら)
邪魔者は容赦なく殺す美少女生徒会(なんじゃそれ)
民間人だけど父が兵器開発者で、部屋にマシンガンを
ぬいぐるみと共に並べてる碧(…。)学園運営の傍らで武力による
世界征服を夢に抱く兵器オタクの学園理事長(もうどーでもいいわ)…。

「うる星」以降、こういう近代兵器をオモチャの如く使う美少女アニメが雨後の筍の如く乱立しましたが、
本作もその例に漏れず。ギャグアニメなんだから何したっていいじゃないの、と言われれば
それまでですが、にしても度を超えちゃいませんか?と言いたくなります。
そも、「少女探偵団」という題のわりに全然探偵しとらんし。


オチはいかにも「うる星インスパイヤ系」らしく、戦闘マッスィーンが理事長と共に大爆発。
街自体が巨大なクレータと化してしまいます。
朝日が昇る中、廃墟の中から立ち上がる
少女探偵団の3人(美少女は絶対死なないのです!)
「いっけなーい。早く帰らないと寮長にお尻百叩きされちゃう〜!」
街自体吹っ飛んでるのに寮もへったくれも無いのですが、
こんなゆるふわナンセンスギャグでエンドロール。
ここまでいくといっそ清々しい。まともに筋を追ったらモルヒネ必至の頭痛ものです。
一の谷・江戸川・実相寺といった円谷インスパイヤ系ネーミングセンスもいかにも80年代らしい。


監督の奥脇雅晴氏は東京ムービー新社の実力派アニメーターで、
「スペースコブラ」「キャッツアイ」「ルパン三世燃えよ斬鉄剣」などを手がけていて、
今も「それいけ!アンパンマン」などを演出しています(現在は大宙征基名義)。
そんな実力派アニメーターの若き日の暴走記録が本作。
ちなみにこの作品、月刊OUT主催の「燃えるアウシタンの集い」で完成披露上映されたそうですが、
観覧した人は見てどう思ったんでしょうか。馬鹿馬鹿しさに理屈抜きで笑ったのかな?
ちなみに作画監督の後藤真砂子氏はアニメ「タッチ」の作画監督もしていた方。
なるほど、キャラにどこかあだち充風味が垣間見えるのは至極当然か。
個人的に本作の見所としてひとつ上げるなら、碧役のTARAKO氏の演技。
まるちゃんでもはや御馴染みの方ですが、こういうお姉さま役をやるとまた違った魅力が垣間見えますね。



活劇少女探偵団 スタッフ

企画/東京ムービー新社企画部
プロデューサー/瀬谷 愼・池田陽一
原作/江口 勇・家入多佳文(月刊OUT)
監督・絵コンテ/奥脇雅晴
キャラクターデザイン/江口 勇・後藤真砂子
作画監督/後藤真砂子
脚本/花園由宇保
協力/月刊OUT・キングレコード
音楽/瀬井広明

オープニングテーマ「天使のモンタージュ」/歌・少女探偵団(山本百合子・TARAKO・三浦雅子)
作詞・森由里子 作曲・瀬井広明 編曲・林有三
エンディングテーマ「見守りたいの」/歌・森口博子
作詞・森由里子 作曲・瀬井広明 編曲・林有三

企画・アニメーション制作/東京ムービー新社

キャスト
江戸川友里子/山本百合子
一の谷碧/TARAKO
イングリット・静・グルーベル/三浦雅子
実相寺昭子/鶴ひろみ
理事長/大竹宏
その他/柴田由美子・青羽美代子・朝井良江・塩沢兼人・田中和実


トゥインクルハート 銀河系までとどかない

(1986年作品 45分 製作・サイ・エンタープライズ 発売・クラウンレコード)

神様の使者はハンバーガーショップのギャル?
本作は「ドリームハンター麗夢」で知られるサイ・エンタープライズが
新たなアニメシリーズ化を念頭において企画した作品。
結果としてこの一本で終わってしまったものの(理由は後述)、
麗夢とはまた違った美少女スペース冒険ファンタジーアニメとして仕上がっています。


ストーリーはこんな感じ。

ここは天界。そこを統べる神様オー!ゴッドの持つ宝物「LOVE」が無くなってはや数ヶ月。
ゴッドは巫女のチェリーとレモン、そして養女のベリーの三人に
失われた「LOVE」を探してくるように命じた。
しかしゴッドの想いとは裏腹に、三人は偶然立ち寄った地球にそのまま住み着いてしまい、
ハンバーガーショップ「ウィンキー」を営みながら女子高生として暮らし始めてしまう。


そんなある日、トレジャーチェッカーのメカ・ボウイが
「LOVE」の反応をキャッチ。三人は宇宙船に乗り込み、
とある惑星に向かった。その惑星で三人は
シャイミィとシュークリームバットという生きたぬいぐるみと出会う。


この惑星では「命のエキス」によって生命を与えられたぬいぐるみが暮らしているのだが、
その「命のエキス」を狙う組織、トレジャーコンツェルンによって
ぬいぐるみ職人のツェペット老人が誘拐されてしまっていた。
三人は「命のエキス」が「LOVE」に関係するものだと判断し、
途中偶然出会ったトレジャーハンターのJ.Jと共に、
ツェペット老人を助けるためトレジャーコンツェルンのアジトに乗り込んだが…。


スペオペファンタジーを軸にしながらも、陰惨さや深刻さは一切出さず、
ゆるふわでまとめ上げた独特の世界観は本作の特徴でもありました。
敵の怪物もブタのぬいぐるみだったり、とかね。


レモンが窮地に追い詰められて神の力を発揮するシーンなんかも、
御都合主義と言うなかれ。この世界観ならこういうのは不自然に感じません。
死んだと思ってたシャイミィとシュークリームバットも普通に生き返るし、
トレジャーハンターのJ.Jもラストにハンバーガーショップの客として来店するし、
みんなまあるく収まってよかったね、なふわっとしたオチはこのアニメにピッタリだったように思います。
まあ、「命のエキス」については結局何がなにやら最後までよく解らないまんまでしたが。


本作品は当時アニメ雑誌においても結構大々的に広告戦略がなされていて、
製作サイドがいかに力を入れていたかが伺えます。
麗夢とチェリー・レモン・ベリーの競演描きおろしセルも製作され、ファンも大いに期待を膨らませていたものです。


おそらく、シリーズ化になっていれば、失われた「LOVE」の探索を軸に
いろんなストーリーが作られていた事でしょう。
「LOVE」の正体は何なのか?という縦糸も含んで。
が、シリーズ化を予定していた本作品は思わぬ形で終焉を迎えます。
このソフトが発売されたのが1986年12月5日。
その僅か一ヵ月後の1987年1月に製作元のサイ・エンタープライズが倒産します。
親会社に巻き込まれての連鎖倒産だったそうです。
思わぬ形で突然幕を閉じてしまった悲運のアニメ、と言うべきでしょうか。
続いていれば独自の路線を築けていたかも知れないと思うと残念です。




トゥインクルハート 銀河系までとどかない スタッフ

企画・製作/黒田誠吾
プロデューサー/外崎清
原作/奥田誠治 寺田憲史
総監督/奥田誠治
監督・絵コンテ/遠藤克己
キャラクター・メカデザイン・作画監督/山本佐和子
メカニカル作画監督/黄瀬和哉 糸島雅彦
作画監修/谷口守泰 村中博美
脚本/寺田憲史
制作協力/スタジオ・ムー・ポラリス・スタンダップ
デザインオフィスメカマン・スタジオウッド
ドルビー研究所・極東コンチネンタル・クラウンレコード

主題歌/「We're changin'-ティア、振り向かないで」作詞・麻生圭子 作曲/大内義昭 編曲/渡辺博也 歌/尾高千恵
「yes,we are open!」/作詞・寺田憲史 作曲/いけたけし 編曲/いけたけし・戸塚修
 歌/ウィンキーズ(山本百合子・岡本麻弥・柴田由美子)

アニメーション制作/プロジェクトチーム永久機関・アニメアール

キャスト
チェリー/柴田由美子
レモン/岡本麻弥
ベリー/山本百合子
J.J/矢尾一樹
ボウイ/長畑由美
シャイミィ/高田由美
シュークリームバット/伊藤美紀
セシリアン/榊原良子
ツェペット老人/松岡文雄
オー!ゴッド/柴田秀勝
ほか


というかんじでお届けしました記憶69回目。
今回は昭和オリジナルビデオというくくりでやってみました。
今となってはこれらの作品、再見の機会がほぼ無く、DVDとかになる機会も薄そう…。
このまま歴史に埋もれていくのも何か寂しいのでこういう形で紹介してみましたが。

私は当時、よみうりテレビが「アニメだいすき!」というOVAを地上波でオンエアしてくれる番組を
観る事が出来たので、結構OVAについては有名無名を問わず視聴する機会に恵まれていました。
あと地元のレンタルビデオ店なんかには古いOVAとか結構長い間置いてあったりもしましたしね。

けど、時代は21世紀。振り返ると見事にビデオ自体が消滅。
いつでも気軽に見れるハズだったこれら昭和のOVAは一転して、
滅多に見れない幻の作品に転じてしまいました。悲しい限りです。
次回はどうしましょうか。
昭和OVAはまだまだ沢山あるので、折をみて第二弾とかやってみたいのですが…ね。




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