全日本高校レスリング大会で優勝したヤマトタケシは、 さらにその腕を磨く為にインドのヒマラヤに住む 伝説の聖者ダイバ・ダッタに弟子入りするため旅立つ。 ダイバと出会い、ついに弟子入りを許されたタケシ。 厳しい修行の果てにダイバのもつ果てしない「人類愛」の心に触れ、 タケシの意識は変わっていく。 艱難辛苦の修行の末、ついにタケシは御仏の化身というべき 「レインボーマン」七つの化身への変身超能力を修得する。 ![]() 日本に帰ったタケシはそこで、世界征服を目論む 秘密結社・死ね死ね団の魔手が日本に伸びていることを知る。 タケシはレインボーマンの秘術を駆使して、 死ね死ね団に立ち向かう事を誓うのだった。 |
当初はレインボーマンの超能力に圧倒されていた死ね死ね団だったが、 死ね死ね団の天才科学者ドクトル・ギルマの開発した 巨大ロボット「デビルメカ」が戦線に加わると 状況は一変。レインボーマンは苦戦を強いられる。 ![]() そんな折、タケシの父・一郎の友人であった大宮博士が ダイバ・ダッタの啓示を受けて、対デビルメカ用の レインボーマン用巨神鎧・Vアーマーを開発。 レインボーマンはVアーマーと融合し、レインボーセブンとなり デビルメカを粉砕!レインボーマンの反撃が始まった。 ![]() |
広岡 瞬(オカスタジオ) |
なにせ急に決まった作品なもので、放送に間に合うかどうかギリギリの制作日数しかなく、 連日の徹夜作業。スタッフ一同、作るからにはよいものを、と 懸命にガンバってます。レインボー分身の術より、 Vアーマーと合身してレインボーセブンになるシーンは 作画に加え、撮影に秘密兵器を使ったので、一味ちがった出来だと思います。 シナリオライターの伊東さんも、レインボーダッシュ1から6まで分身したかのような勢いで、 ノリにノって執筆しているので、高校チャンピオンになって一段と たくましくなったタケシをどう人間的に成長させていくか、 シナリオの上がってくるのを楽しみにしています。 それに総監督の岡迫氏も、ドラマのタッチに加え、メカの部分も相当研究し、 原画を一時ストップさせてでも、色々な参考フィルムを見てアイディアを練っていると いった熱の入れよう。その上で納得づくめで仕事を進めています。 (月刊アニメージュ1982年11月号 テレビアニメーションワールド95頁記事より) |
アニメーター・板野一郎 サンデープレゼント枠「超時空要塞マクロス」のスタッフ |
(サンデープレゼント枠「超時空要塞マクロス」とセットの) 「虹色の人(笑)」っていうアニメーションがあったんですよ。 けど、そいつが1話コかして(間に合わずに)穴開けたんですよ。 そいつのせいで、急に(マクロスが穴埋めで)1・2話スペシャルってのが決まって。 一回の放送で二話分。ストック無いんですよ。しかも二話は海外班の制作担当回だったんで全直し。 (マクロスは)本当にスタッフが足りなくって海外グロスでお手伝いをお願いするんです。 で、下請けの海外のスタッフが来て学ぶんだけど、学んで上手くなった人は、 アニメ制作の元請けだったタツノコプロに引き抜かれて「ウラシマン」に行っちゃう(苦笑)。 ひどいモンだったんですよ。 (BS-TBS「X年後の関係者たち 超時空要塞マクロス」インタビューより抜粋) |
死ね死ね団の科学陣は徹底的にVアーマーを分析した。 その結果、レインボーセブンは大宮研究所のVアーマーを 一旦原子分解し、レインボーマンの元に光子転送移動させて、 その上でレインボーマン本体と融合しているという メカニズムだということが判明。死ね死ね団はこの転送中を狙って、 光子砲でレインボーマンを攻撃。 結果、Vアーマーは虚空に分解消滅してしまう。 完全敗北のレインボーマン。 もう敵はいない!勝ち誇った死ね死ね団は ここぞとばかりにデビルメカで蹂躙の限りを尽くす。 風前の灯の東京。 大宮研究所にも危機が迫る! |
今のままでは勝てない…。 タケシは新たな超能力を身に付けるため修行に入った。 Vアーマーの設計図の入ったマイクロチップを額に仕込み、 原子と散ってしまったVアーマーを、 マイクロチップと自らの超能力で再構成して甦らせる 「元素集合の術」をついに修得。 よみがえったレインボーセブンはデビルメカを次々粉砕。 怒り狂った死ね死ね団の帝王ドンゴロスは、 レインボーマンを第一の敵として彼の抹殺を最優先の作戦に指定した。 レインボーマンと死ね死ね団の壮絶なる戦いの決着は…? |
宇宙の彼方より飛来した異星の超能力者・ドンゴロス。 あまりの悪辣さゆえに故郷のワンダル星を追放されたいわくつきの暴君で 百数十年前地球に不時着。超能力を使って地球の人々を扇動し 地上に戦乱と紛争の嵐を巻き起こし、影で歴史を操作していたが、 まだ若かりし頃のダイバ・ダッタの超能力よって石柩に封印されてしまう。 時は過ぎ、復活を遂げたドンゴロスは先の反省から個人ではなく 組織を編成して、その軍団の力で世界征服を目論もうとするのだった。 秘密結社「死ね死ね団」を編成したドンゴロスはその力を 世界、ゆくゆくは自分の母星へと向けんと、行動を開始した。 |
アニメ版レインボーマンについて/監督・岡迫亘弘 |
実写版のキャラクターデザインも僕がやったんです。 川内先生にホテルニュージャパンに呼ばれて。 実写もののキャラクターデザインはこれが初めてでした。 川内先生の意見を取り入れながらやってて。 だからずっと二人でニュージャパンに缶詰状態でやっていたね。 番組終了後も川内先生とは関係が続いてて、 「今度レインボーマンをアニメでやるからまたキャラクター創ってくれ」って。 それから「監督も頼むよ」って云われて…。 まあ、僕もアニメで「レインボーマン」となれば自分しかいないよなって。 キャラクターデザインと作画監督と監督を兼任することになって。 僕はいつも監督やるんなら作画監督も一緒にやらせてくれって云ってたから それは有り難かったけど、やっぱり監督と作画監督をTVシリーズで平行してやるっていうのは大変で。 仕事量が膨大で(苦笑)。多分若いから出来たんだろうね。 新しい試みとしてレインボーセブン(ロボット)の登場がありますが。 あのころってロボットものが流行してたでしょう?だから流行は取り入れていこうと。 ただ、アニメ版のときは視聴率が伸びなくて、局とスポンサーの意向でロボットを もっと出してくれって言われたのが難だったね。それは川内先生も乗り気じゃなかった みたいで、僕も反論したんだけど、視聴者=子供達へのサービスだっていうことで納得することにして。 死ね死ね団のアレンジ、新しいデザインも面白かったですね。 やっぱり肌の色が普通じゃない(笑)。グレーで。 「宇宙戦艦ヤマト(1974・オフィスアカデミー)」のガミラス人というか、サイケ調というか。 これは「鼠」のイメージで、というのがあったんで、それでなんだけど。 特に気に入ってるキャラは? パステル・プチかな。あれはパスカル・プチというフランスの女優さんから 名前を頂いたキャラクターなんでね。あと、ヒロインの大宮陽子は 「アイドルが欲しいね」っていうことで、当時の松田聖子とかの アイドルっぽい髪型を意識して描いた記憶があるね。 それとミスターKかな。演じてもらった桑原たけしさんは 昔、僕が監督やってた「赤き血のイレブン(1970・東京テレビ動画)」で 山形豪十郎というキャラクターをやってて、僕の好きな声優さんなんです。 髪は短く眉毛が薄い。それでミスターKは桑原さんの特徴を意識して デザインしたんだよ。眉毛の無いキャラクターは元から好きでね。 「レインボーマン ダイヤモンドアイ コンドールマン大全 70,川内康範ヒーローの世界」 岩佐陽一・編、2002年、双葉社発行より記事一部抜粋 |
日本征服の切り札として、ミスターKは巨大ミサイルによる日本殲滅作戦を実施。 大宮博士誘拐の為日本に潜入行動していたパステル・プチはこの作戦を知り驚愕。 「あたしごとミサイルで…」プチは既に組織から切り捨てられた事を痛感。 発射された巨大ミサイルはレインボーセブンによって成層圏で撃破されるも、 間髪入れずデビルメカがレインボーセブンを急襲。危機に陥るレインボーマン。 だが、レインボーセブンの危機を救ったのは意外にもパステル・プチだった。 「この裏切り者!」とデビルメカの攻撃を受け倒れるパステル・プチ。 怒りのタケシはデビルメカを粉砕。瀕死のプチは 「おまえの父・大和一郎は生きている」とタケシに告げ、息絶えた。 父が…生きている!決意も新たに燃え上がるタケシの心。 ![]() そんな折、大宮博士の力で、ついに死ね死ね団の本拠地たる基地が 太平洋海域のとある場所である事が判明。 死ね死ね団の猛攻を掻い潜り、レインボーマンは基地潜入に成功。 ついに行方不明だった父・一郎とも再会を果たす。 一郎はダイバの啓示を受け、死ね死ね団に潜入し 洗脳された振りをして来るべき日のため備えていたのだ。 ミスターKは自ら操るデビルメカ・ギャングラスで 怨敵レインボーマンに突撃をかけるが、 レインボーセブンとの激闘の末敗北、壮絶な最後を遂げる。 残るは帝王ドンゴロスのみ! ![]() 怒り狂ったドンゴロスは巨大モンスターに変身し、その正体を現す。 レインボーセブンとドンゴロスの最終決戦は熾烈を極めたものの、 ついにレインボーセブンが勝利。ドンゴロスは断末魔とともに果て、 ここに死ね死ね団は全滅。レインボーマンの長く苦しい戦いは終わり、 世界に平和が訪れたのだった。 |
レインボーマン(アニメ版) 製作スタッフ
原作/川内康範
プロデューサー/川内彩友美・土田 治
監督・キャラクター設定/岡迫亘弘
美術設定/天水 勝
デスク/小平正夫
制作協力/土田プロダクション
音楽/北原じゅん
OP/レインボーマン
(作詞・川内康範/作曲・北原じゅん/編曲・小杉仁三/唄・水島 裕 ヤング・フレッシュ)
ED/あいつの名前はレインボーマン
(作詞・川内康範/作曲・北原じゅん/編曲・小杉仁三/唄・ロイヤルナイツ ヤング・フレッシュ)
放送No | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 視聴率 |
1 | 1982.10.10 | 運命の出会い | 伊東恒久 | 狭間 遊 | 狭間 遊 | 岡迫亘弘 | 2.8 |
2 | 1982.10.17 | ゆけ!愛の戦士 | 〃 | 小鹿英吉 | 小鹿英吉 | 福田 新 | 3.8 |
3 | 1982.10.31 | 戦え!レインボーセブン | 〃 | 小泉謙三 | 泰 義人 | 〃 | 2.4 |
4 | 1982.11.07 | 恐怖のロボット工場 | 〃 | 長谷川康雄 | 長谷川康雄 | 岡迫亘弘 | 4.7 |
5 | 1982.11.14 | レインボーセブン大爆発! | 〃 | 岡本達也 | 岡本達也 | 福田 新 | 2.4 |
6 | 1982.11.23※ | 甦れ!!レインボーセブン | 〃 | 狭間 遊 | 小華和ためお | 〃 | 1.8 |
7 | 1982.11.28 | 恐怖のダム破壊作戦!! | 〃 | 小泉謙三 | 泰 義人 | 〃 | 3.4 |
8 | 1982.12.05 | 狙われた大宮研究所 | 〃 | 小泉謙三 | 岡本達也 | 岡迫亘弘 | 4.5 |
9 | 1982.12.12 | 恐怖!死ね死ね少年団 | 〃 | 嵐虹太郎 | 嵐虹太郎 | 福田 新 | 5.8 |
10 | 1982.12.19 | 魔の鬼ヶ崎海岸 | 〃 | 泰 義人 | 泰 義人 | 山下征二 | 5.7 |
11 | 1982.12.26 | ロゼが正体を見せた! | 〃 | 吉田 浩 | 岡本達也 | 福田 新 | 5.4 |
12 | 1983.01.09 | タンカー破壊作戦! | 〃 | 小泉謙三 | 泰 義人 | 阿部 司 | 4.0 |
13 | 1983.01.16 | 地底大洞窟の秘密 | 〃 | 泰 義人 | 嵐虹太郎 | 福田 新 | 2.7 |
14 | 1983.01.23 | 盗まれた町 | 〃 | 吉田 浩 | 岡本達也 | 山下征二 | 2.2 |
15 | 1983.01.30 | デスノイド改造マシン | 〃 | 小鹿英吉 | 泰 義人 | 福田 新 | 3.0 |
16 | 1983.02.13 | 炎の中に消えたタケシ | 〃 | 小泉謙三 | 岡本達也 | 山下征二 | 2.5 |
17 | 1983.02.20 | 富士山を爆破せよ! | 〃 | 吉田 浩 | 泰 義人 | 福田 新 | 4.0 |
18 | 1983.02.27 | 分解消滅?レインボーセブン | 〃 | 吉田 浩 | 角谷哲生 | 山下征二 | 3.3 |
19 | 1983.03.06 | V・アーマーのスーパーメカニズム | 〃 | 吉田 浩 | 岡本達也 | 福田 新 | 3.0 |
20 | 1983.03.13 | 帝王ドンゴロスの秘密 | 〃 | 小泉謙三 | 泰 義人 | 山下征二 | 5.3 |
21 | 1983.03.20 | 父・一郎は生きていた! | 〃 | 越智一裕 | 越智一裕 | 越智一裕 | 4.0 |
22 | 1983.03.27※ | ドンゴロスの最後 | 〃 | 小泉謙三 | 岡本達也 | 福田 新 | 5.6 |
キャスト
ヤマトタケシ(水島 裕)
大宮陽子(鶴ひろみ)
大宮博士(岸野一彦)
大和秋子(武藤礼子)
大和ジュン(能村礼子)
大和一郎(寺田 誠)
ダイバ・ダッタ(千葉耕一)
帝王ドンゴロス(飯塚昭三)
ミスターK(桑原たけし)
フェアリ・ロゼ(小宮和枝)
ハインツ少佐(銀河万丈)
パステル・プチ(土井美加)
ドクトル・ギルマ(稲葉 実)
山田豪太(山口 健)
山田庄介(向殿あさみ)
ナレーター/(若本紀昭)
というかんじでお届けしました記憶83回目。
これ、一切ソフト化されていないんですね。調べて改めて知りました。
実写版は幾度と無くソフト化されて
今尚新たなファンを生み出す
魅力的なコンテンツとして知られているのに、
アニメ版はVアーマーのごとく雲散霧消したかのような扱いで。
往年の特撮人気作品がアニメリメイクされる例は
いくつもありますが、何れも評価は手厳しく、顧みられる事が少ないですね。
「仮面の忍者赤影(1987)」や「レッドバロン(1994)」などなど。
アレンジの仕方や時代に添ったリニューアルも大事ですが
どうしても「原典」という絶対不可侵なものに遠慮し
思い切った事がしにくい構造になりがちで。
リメイクものの宿命と言いましょうか。
人気アニメーター越智一裕が作画監督・コンテ・演出と全部担当した
21話のみが一人歩きして評価されてる感がありますが、
ソフト化あるいは再放送の機会があれば
あらたな再評価が生まれるかも?
今回は雑誌などによるスタッフインタビュー記事があまり記載されていません。
新型コロナの影響で図書館で資料検索が出来なかった為ですが、
いつか終息した際に追加記載したいと考えておりますので。
次回の予定は決定しだいお知らせします。