はい、真夏も真っ盛り、皆様いかがお過ごしでしょうか?
記憶のかさブタも7回目。パソコンなんとか復旧したんで
三週間何も出来なかった分を取り戻そうっと。
もうすぐ夏コミだからねぇ。東京までひとっとび…って
ことに引っ掛けた訳じゃないけどコチラがお題。

さるとびエッちゃん
(1971年10月4日〜1972年3月27日・NET系放映・全26(29話)回/製作・東映動画)

よみうりテレビではしょっちゅう再放送してましたねぇ。一応女のコ向けアニメなんですが、
内容がギャグ強かったんで、男でも見てる子多かったです。好きだったなぁ。




石ノ森先生の異色少女漫画
エッちゃん画像@ あらすじをかんたんに説明すると…
広岡三枝子(愛称ミコ)はごく普通の小学四年生。
通学途中、ガキ大将の大山に犬をけしかけられて困ってるところを
通りすがりの少女・猿飛エツ子に助けられます。
人里離れた山奥からやってきたという謎の少女は、
ミコのいる三つ葉小学校に転校生としてやってきます。
いじめっ子たちを不思議な忍術(超能力?)でやっつけ、やがて
その強さのうわさを聞きつけた学園中の猛者たちがエッちゃんに
勝負を挑んできます。決闘の結果はエッちゃんの圧勝。
不思議な子だと関心するミコ。家に帰ると、
なんとエッちゃんがついてきてしまった。
居候させて欲しいというのです。
ミコの両親は非常識だとエッちゃんを追い出してしまいます。
が、たまたまミコの家がボヤ騒ぎをおこし、エッちゃんの機転で
延焼は免れ、御礼としてエッちゃんの
居候は許可される事となります。
(ミコの父曰く、「家一軒焼けたと思えば、
子供の一人くらい養っていけるさ。」
…太っ腹!)
エッちゃんを追ってきた人語を話す犬、ブクも
加わり、ここにエッちゃんの東京での
新生活が始まったのです。

と、出だしはこんな感じ。エッちゃんに関しては詳しい背景や
いきさつは一切語られていない。
「さるとび〜」と言っても、別に忍者の子孫とも言ってないし、
(勝負を挑んできた剣道部の主将が勝手に「猿飛佐助の
子孫」扱いをしてたけど。)忍術も使わない。
登場編で描かれているのは{とにかく不思議な力をもったおかしな子}
という事だけ。そう、このさるとびエッちゃんは、
とにかく多くを語らない。エッちゃんのディティールは
とにかくあやふやなものに終始しているのです。
東映魔女っ子路線第四作として作られた作品だから、
魔法…という風にも見えるのですが。



ギャグ半分・啓発ドラマ半分
大阪よみうりテレビでは二年に一回の割合で
再放送してくれてたおかげで、結構見てたし、
細かいことも覚えてます。好きでしょっちゅう見てましたから。
ギャグも少女アニメっぽくなくて、結構笑えましたし。
(第一話はエッちゃんに勝負を挑んでくる野球部や
バレー部の描写が「巨人の星」や「アタックNo・1」のパロディで、

ブクスタッフの悪ノリ加減が素晴らしい。)また、
石ノ森章太郎先生のキャラクターを丁寧に再現した
作画もあいまって、少年マンガっぽい画面に
なってたのも事実。
じゃあ、ギャグだけのドタバタアニメだったかというと、さにあらず。
当時の東映魔女っ子路線の作風
(というより、1970年代の作風?)ともいうべき、
社会風刺、問題告発のストーリーが
ギャグストーリーの合間に巧みに組み込まれていまして。
とはいっても、前作「魔法のマコちゃん」のように、
汚職、公害問題、戦争といった、ちとへビィに過ぎる内容ではなく、
もっとピンポイントをついたテーマを
深く掘ったものが多かったのです。
そのテーマとは「子供の受難」
エッちゃんのエピソードでは、親(大人)の勝手な論理や
身勝手な理由で束縛されたり放任されたりして、
悩み苦しむ子供たちが実に多く描かれて
ました。みなしごだったが継母に引き取られ、
継母が少年を不憫に思うあまり、
叱らずに育てた結果、粗暴でわがままな
性格に育ってしまった少年の話(10話・お母さんの手)
仕事が多忙な両親に放任され、おばあちゃんに
育てられた少女が、おばあちゃんの死後、幻覚をみるようになって
さ迷う話(23話・夢見る少女)など、先の
公害やらのテーマに比べるといささかスケールが小さいかも
しれないが、こういう問題って今の方がキャッチーじゃない?
無論、こんな重い話は二、三回に一回くらい。
他にも担任の白雪先生の田舎、ミクラ島にいくために、
エッちゃんが嵐の海を魚の協力を取り付けて船を出す話
(8話・近くて遠いふるさと)や、勉強漬けにされた
ガリ勉少年を家庭教師から救い出すため、
念力や催眠術を駆使して、家庭教師を発狂(!)
させて子供を解放する話とか、
(21話・おかしなおかしなお手伝いさん)
実にバラエティに富んでます。
ちなみに第6話Bパート「二人はしあわせ」は
東映動画時代の宮崎駿氏の作画作品。
(これが宮崎氏の東映動画最後の作品。)



最終回・原作の比較
エッちゃん画像Aあまりにもそれまでの魔女っ子ものとかけ離れた作風故か、
東映魔女っ子路線としては最短命記録(26話)を
更新してしまった「エッちゃん」。
(その後、リミットちゃんに短命記録
更新されるけど。)その最終回はこんな話。

町に突然エッちゃんが二人現れた。混乱するミコやガキグループ。
実は彼女はエイコという混血児で、富士山を見るために
日本にやってきたのだ。
しかし東京はスモッグで富士山など見れはしない。
思い立ったエッちゃんはエイコを負ぶって
東京タワーの頂点に上った。
夕日に映える富士山をみて、
エイコは感動するのだった。


…って、普通の話じゃない。最終回というには…って感じなんだけど。
ちなみに、原作マンガはどうだったかというと、
基本的にミコとエッちゃんはそれほど変化はありません。
(初期のエッちゃんは足長いんで妙だけど。)
掲載雑誌が途中何度も変わってるんで、
設定や脇キャラが微妙に変わってますが。
(エッちゃんが高校生になってる設定もあるし。)
原作ではエッちゃんの設定はアニメ同様あまり明らかに
されてませんが、番外編でミュータントサブと競演した際、
エッちゃんもエスパー(ミュータント)ではないかという
指摘があります。けど結局それも明確にされぬまま。
サブはエッちゃんの元から消えてしまいます。
(どうもエッちゃんはサブに惚れた様子。
サブと別れた後、エッちゃん泣いてますし。)

原作マンガは文庫にもなってますから、
今でも簡単に読むことが出来るのですが、
アニメのほうは御目にかかれなくなって久しいなぁ。

さるとびエッちゃん 製作スタッフ

原作/石ノ森章太郎(少女フレンド・なかよし連載)
企画/宮崎慎一・原 徹(前期のみ)・旗野義文
美術/土田勇・内川文広・伊藤攻洋・横井三郎・辻忠直・山崎誠・伊藤英治
作画/上村栄治・今沢恵子・桑山邦雄・金田伊功・小田部羊一・宮崎駿・永樹たつひろ他

音楽/宇野誠一郎
OP/エッちゃん(作詞・山元護久/作曲・宇野誠一郎/唄・増山江威子)
ED/エッちゃんが好きや(作詞・山元護久/作曲・宇野誠一郎/唄・熊倉一雄)

放送日サブタイトル脚本演出作画監督
1971.10.4おかしな転校生山崎忠昭芹川有吾高橋信也
1971.10.11わたスのおうち 辻 真先
山崎忠昭
勝田稔男木暮輝夫
1971.10.18ママのさんかん日 雪室俊一岡崎 稔永樹凡人
1971.10.25運動会がはじまるよー
ああ友情
山崎忠昭高見義雄永樹凡人
1971.11.1ヨチヨチあばば 辻 真先明比正行古沢日出夫
1971.11.8ブクよいずこ
二人はしあわせ
辻 真先池田 宏小田克也
1971.11.15星から来た少年 雪室俊一金子允洋細田暉雄
1971.11.22近くて遠いふるさと 雪室俊一岡崎 稔香西隆男
1971.11.29さよならとサヨナラ辻 真先久岡敬史木暮輝夫
1971.12.6お母さんの手 辻 真先大谷恒清木暮輝夫
1971.12.13チビはチビでも 雪室俊一岡崎 稔香西隆男
1971.12.20クリスマスだいすき 山崎忠昭池田 宏永樹凡人
1971.12.27雪山賛歌 辻 真先山本寛巳細田暉雄
1972.1.3ここほれワンワン
たのしくやろうエッちゃんかるた
山崎忠昭勝田稔男高橋信也
1972.1.10わが愛しのメリィ 辻 真先芹川有吾落合正宗
1972.1.17わたスの動物語教室雪室俊一佐々木勝利永樹凡人
1972.1.24七色の夢 映画の夢 雪室俊一金子允洋細田暉雄
1972.1.31オニはそと!ブクはうち!辻 真先岡崎 稔香西隆男
1972.2.7ブクとチビマル山崎忠昭佐々木勝利永樹凡人
1972.2.14父ちゃんの家庭科辻 真先芹川有吾落合正宗
1972.2.21おかしなおかしなお手伝いさん
押川国秋池田 宏永樹凡人
1972.2.28ああ、神様…!城山 昇勝田稔男高橋信也
1972.3.6夢見る少女 城山 昇岡崎 稔香西隆男
1972.3.13小さなお庭城山 昇大谷恒清細田暉雄
1972.3.20狼少女エツ子辻 真先
山崎忠昭
佐々木勝利永樹凡人
1972.3.27二人のエツコ辻 真先芹川有吾木暮輝夫
※上記26回(29話)の他に「ピノキオ物語」「天神様の踏切」「エッちゃん空を飛ぶ」の3エピソードがあったという。
レンタル用資料として東映動画のフィルムリストに記載があり、フィルム請求番号まで割り振られていた。
が、現時点ではそれらのフィルムの実在を確認できず。

キャスト


猿飛エツ子(野村道子)
広岡三枝子(千々松幸子)
広岡貫一(北川国彦)
広岡みや(麻生みつ子)
ブク(永井一郎)
天下太平(野島昭生)
天下くり平(麻生みつ子)
天下茂平(加藤修)
天下三子(津田延代)
モコ(沢田和子)
大河原神童(山田俊司)
林五右衛門校長(はせさん治・島田彰)
白雪先生(中村恵子)
熊崎虎五郎先生(兼本新吾)
大山タケシ(田中亮一)
ほか


というかんじでお届けしました記憶7回目。
パソコントラブルがあったから更新どうなるか
肝冷やしてたけどなんとか投了。
次回の予定は決定しだいお知らせします。




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