半年振りの更新です。随分間が空きました。
ノートパソコン買えば自宅以外でも作業できるんで
更新進むんですけど。
記憶のかさブタも始めて三年、今のサイトに移って1年ですか。
今回は永らくお目にかかれなかったものの、
ようやくDVD化されたこちらをソフト発売に先駆けて。

昆虫物語 新みなし子ハッチ

(1974年4月5日〜1974年9月27日)
 全26話 毎日放送・NET(テレビ朝日)系放映
製作 タツノコプロ

新みなし子ハッチ。

ハッピーエンドをぶち壊す残酷シリーズの幕開け
この作品は言わずと知れたメルヘンアニメの傑作
「昆虫物語 みなし子ハッチ」(1970年4月7日〜1971年12月28日・全91話)
の続編。でも、前作でママに会えて大団円を迎えた作品に
続編?このあたりはヒット作を放っておかない
「オトナの事情」がありまして、視聴者の好むと好まざるとに係わらず、
ハッチの続編は製作されることになりました。
放送局は以前のフジテレビから毎日放送へと移行。
ハッチとアーヤ本来ハッチの名前の由来はフジテレビの「8」から来たのは
有名な話ですが、局が変ってもそこはキャラの固有名詞が
メジャーになっちゃった事もあってそのまま大阪4チャンネルのハッチに
なっちゃいました。(裏では相当モメたろうなぁ。)
で、この新シリーズ、どういう始まり方をしたかというと、
いきなりスズメバチの猛襲+大量虐殺+王国の崩壊から
スタートする、という残酷極まりないものでした。
その予兆は暴風雨と落雷から始まる
オープニングに既に現れてましたけどね。
あの前作の感動に満ちたハッピーエンドを、さしずめ「知るかボケ!」と
言わんばかりにメチャクチャにぶっ壊したこの第1話。
当時見てた私の姉は見ながら「やめて〜!」と叫んでた記憶が。
…解ります姉さん。ハッチも善戦しますが、王国の崩壊は止められず。
スズメバチ軍団にさらわれた
ママを救おうと追いかけます。
「あ、今度はさらわれたママを訪ね歩くのか?」と
思ったのも束の間、ママは墜落。
瀕死の重傷で文字通り虫の息になったママ、
おもむろに背中の羽根をベリッとむしり、
ハッチに差し出しつつ息絶え絶えに語ります。
「これを…持って…アーヤを連れて美しの丘に行きなさい…
そしてお父様に会うのです…!」

つまりミツバチの国再建の為にアーヤを女王にしなければならない。その為に
父のいる美しの丘にいってアーヤを女王に育てる必要がある、
という事です。そう語って母は事切れます。
こうして、亡国の王子と王女がどこにあるのかすら解らない
幻の国「美しの丘」に向かって旅立つことになったのです。

光化学スモッグで目をやられたハッチ。



被害者・加害者の側面を背負わされるハッチ
アパッチの子分にさらわれるアーヤスタートからしてこんな展開です。
しかも今回はハッチに前作以上の手枷・足枷が付けられました。
一つ目はアーヤ。ハッチの妹で次期女王なのですが、
この子、王室育ちの世間知らずのわがままでぐずり屋。
ハッチのように泥水すすってきた叩き上げとは違って
もう何かにつけてへこたれる。
ハッチが前作で泣きに泣いて成長したから
続編でハッチにへこたれさせる訳に
いかない、という判断からでしょうか?
アーヤは何かにつけてだまされたりさらわれたりして、
ハッチの手を焼かせます。
二つ目めはテンテン。このシリーズからの新レギュラーです。テンテンに助けられるアーヤ
テンテンも父を探して度をしている途中にハッチ一行に出会い、
ハッチの男気に惚れて(ハッチそんなキャラか?)舎弟を名乗り、
「ハッチ兄ぃ!おいら力になりやすぜ!」と、旅に同行することに。
こいつも向こうっ気が強いので、
いらぬトラブルをあれこれと呼び込んできます。
しかもすぐ腹がへる。食うや食わずの旅をしてるハッチたちにとって
こんな大メシ食らい、あんましメリットないよなぁ。
そして、一番タチ悪いと思うのが三つ目のアパッチ
実はハッチ、スズメバチの猛襲の際に果敢に戦った際、
図らずもスズメバチを殺しています。アパッチとハッチの決闘
その死んだスズメバチに息子がいました。
そいつがアパッチです。以降アパッチは
ハッチを「父の仇」として付け狙い、
子分をけしかけたり罠をはったりして
ハッチの暗殺を図ります。
被害者の側面に飽き足らず、
加害者としての罪を
今回のハッチは背負わされたわけで、
よくもここまでキャラクターをいじめぬく
設定が作れたもんだと思ってしまいます。
さすがは「宇宙の騎士テッカマン」で主人公にアパッチに一服盛られたハッチ
無実の善良な市民(宇宙人ね。)を大量虐殺させ、
主人公に自殺を決意させるなんて
描写をやってのけたタツノコだけのことはあります。
このアパッチとの確執は
番組が長期化してれば
また違ったアプローチがあったかも知れませんが、
半年で終了してしまった為、
最終回の前に互いに和解が成立してしまい、
ちょっと腰砕け。

ハッチとアーヤ

新みなしごハッチの頃/酒井あきよし
最初のハッチがフジテレビでやったでしょ。
これも最初はフジテレビでやるつもりで進んでたんじゃなかったかな?
ところがフジテレビが乗らなかったんだよね。
それで困っちゃって毎日放送に持っていったと思うんだけど、
そしたら毎日放送が飛びついたんだよ。
それでホン読みってのは普通テレビ局に行ってやるんだけど、
毎日放送の本社は大阪だから、東京の支社で大阪と打ち合わせするんだよね。
毎日新聞社の上の階に打ち合わせ室があるんだけど、
打ち合わせする人は居なくてマイクが置いてあるだけ。
そのマイクで大阪の引野部長って人と打ち合わせするんだけど、
どんな人かわかんない。声だけ。東京支社に来られた時にようやく会ったんだけど、
僕は当時若かったから、最初ちょっと馬鹿にされてた感じで、
「ほんとに貴方が書いたの?」って言われたからね。
ただ、帰りの新幹線で僕の書いた3話の脚本を読んで、じ〜んときた、とかで、
後で誉めてもらったんだけど(笑)。

でも、蓋を開けてみたら、視聴率伸びなくってさ。
大阪毎日放送本社に僕と鳥海尽三さん、九里一平さんもいたかな?
呼ばれて行くんだよね。怒られに(笑)。
でも「新みなしごハッチ」ってのは、僕がタツノコに入って初期の仕事だから、
なんか思い入れはあるんだよね。視聴率はとれなかったけど(笑)。
(「タツノコプロ・インサイダーズ」2002.12.20発行 講談社刊・P51〜52文章より引用。文面を一部再構成しました。)




実はあんまり記憶にない最終回。
テンテンの親父と一緒に捕まったフンコロガシ。結局、評判は良くなかったようで放送期間半年で終了。
前作が日本のTVアニメに残る傑作だったのに対し、
こちらは存在すら知らない人も多く、ちょっとしたトリビアアニメに
されておりますね。まあ、あの一話見せられたら
こんなの認めない!と激怒する人が殆どでしょうから、
仕方ないといえばそうですが。
文献によってはタツノコアニメの歴史から削除されてるものもあり、
タツノコのTVオープニング集のビデオにも新ハッチは収録されてません。
Web上の情報も皆無に等しいし。
ただこの新ハッチ、キー局が毎日放送ということもあって、
関西では再放送が多く、
私など元祖ハッチよりこっちの新ハッチでハッチの印象が強いです。最終回。食料を食い尽くしたバッタの頭領にそそのかされて…?
それが良い事か悲しい事かはさておいて。

あ、最終回は見て無いのか、あんまし記憶にないです。
聞いた話によると、いちおう美しの丘には辿りつき、
アーヤを送り届けて終わったようです。
テンテンの親父はなんか処刑されてた記憶がありますが…
何しでかしたんでしょうね?




昆虫物語 新みなし子ハッチ スタッフ
原作/吉田竜夫・竜の子プロ企画室(小学館学習雑誌掲載)
企画/鳥海尽三・酒井あきよし
プロデューサー/九里一平・柴田 勝・永井昌嗣
チーフディレクター(後期は「総監督」表記)/原 征太郎
キャラクターデザイン/天野嘉孝
作画監督/岡田敏晴・川端 宏・大鹿日出明ほか
美術/中村光毅
製作協力/和光プロダクション

音楽/横山青児
OP/新みなし子ハッチ(作詞・若林一郎 作曲・渡辺宙明/唄・島崎由理)
ED/美しの丘(作詞・やなせたかし 作曲・横山青児/唄・島崎由理)


昆虫物語 新みなし子ハッチ 放映リスト

放送No放送日サブタイトル脚本演出
11974.4.5あらしのみつばち城鳥海尽三原征太郎
21974.4.12ママ、死なないで!鳥海尽三高橋資祐
原征太郎
31974.4.19幻のママが呼んでいる 酒井あきよし富野喜幸
41974.4.26飛びたて!美しの丘へ陶山智高橋資祐
原征太郎
51974.5.3カマキリ一座の踊り子のアーヤ 三宅直子樋口雅一
61974.5.10泣くなテンテン坊主鳥海尽三光延博愛
71974.5.17ハッチ大都会をいく 鳥海尽三高橋資祐
新田義方
81974.5.24きもっ玉シデムシおばさん酒井あきよし富野喜幸
91974.5.31飛べ!みなし子三びき鳥海尽三樋口雅一
101974.6.7ホタルまつりの夜陶山智高橋資祐
原征太郎
111974.6.14もーれつ!しごき魔三宅直子樋口雅一
121974.6.21ああ!セミ吉くんの168時間鳥海尽三J・沢田
安彦良和
131974.6.28アバッチ番長をぶっとばせ! 酒井あきよし樋口雅一
141974.7.5毒ぐものわな 寺島アキ子高橋資祐
原征太郎
151974.7.12みの虫の消える悪魔の森 柏戸比呂子富野喜幸
J・沢田
161974.7.19がんばれ!ブーブー大将 鳥海尽三高橋資祐
安彦良和
171974.7.26ラブラブ・テンテン・港町 鳥海尽三樋口雅一
181974.8.2アリの巣城のチョウチョ小林義昭富野喜幸
191974.8.9タガメ海賊のしゅうげき三宅直子高橋資祐
布川郁司
201974.8.16燃えろ!砂漠の決闘 永田俊夫樋口雅一
211974.8.23飛べ!飛べ!虫の運動会
田井洋子林政行
221974.8.30コロコロ・リンリン・のどじまん永田俊夫富野喜幸
231974.9.6せまる!コウモリ軍団 伊東恒久樋口雅一
241974.9.13決闘!ジガバチ砦鳥海尽三林政行
原征太郎
251974.9.20火の山!最後の死闘陶山智富野喜幸
261974.9.27ああ!ハッチ最後の日福井忠高橋資祐
原征太郎


キャスト
ハッチ(栗 葉子)
アーヤ(野村道子)
テンテン(堀 絢子)
ママ(北浜晴子)
アパッチ(丸山裕子)
ナレーター(前田敏子)ほか

と、半年振りの更新終了。
永年封印されていた感のある新ハッチですが、
なんとこの度DVDBOX化されたそうで。
今回の記事は当時の視聴記憶のみに頼ったので
ひょっとしたら細部違うかも?
DVD買われた方は検証するのも一興かと。
次回はも少し早く更新します。
次はなにしようかな。見てくださってる方は
私と同世代かその上っぽい人が多い様で。
なんか緊張しますね。
次回は決定しだいお知らせします。

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