前回やった短命アニメ特集、今回は第二弾です。
結構知ってる人と知らない人の差が激しくって。
知ってる人は懐かしんで、知らない人は
過去の文明の遺跡を発掘する感じで見てください。

短命アニメ特集2

大体現在は2クール26本というのが普通で、
1クール13本というのも珍しくありません。
今はソフト化するのを前提に製作放映されている状況ですし。
でも、その昔、アニメは2クールが最低条件でした。
大体1年(4クール)をメドに放送計画が立てられてましたから。
ところが、低視聴率、スポンサーの意向、局の編成云々を理由に
2クール持たずに終了するアニメが多々ございまして。
本項ではそんな短命作品を今回も四本、検証していきましょう。



原始少年リュウ
(1971年10月30日〜1972年3月25日・TBS系放映・全22話)
/製作・東映動画
元は大河SFロマン

原作は石森章太郎が
大河SF漫画として描いた
原始少年リュウ リュウ3部作(未来編・原始編・現代編」)
のうち、原始編を独立させて
製作したアニメ。
あらすじはこんな話。

時は原始時代。人がまだ
太古の地球に生きていた頃。
一人の女が白い肌の赤ん坊を
産んだ事から事件が始まった。
集落の者は「悪魔の子だ」と、
白い肌を忌み嫌い、
赤子は捨てられ、恐竜の生贄に
なる事に。そこに自分の子を亡くした
類人猿のキティが現れ、
赤ん坊を拾い上げ、育てる事に。

時が流れ、赤ん坊は立派な
少年に成長した。が、ある日
片目の恐竜チラノに襲われて
絶体絶命のところをキティが身代わりになり、
キティは命を落としてしまう。
そして、リュウは旅に出る決意をする。
キティの仇を討つため、そして
本当の母親を探す為。途中出会った
少女ランとその弟ドンと共に、
苦難溢れる旅を続けるのだった。


原作は未来編「リュウの道」から
続き物になっていて、
実はリュウの母は
未来の超文明世界の
宿敵チラノ監察官という壮大なカラクリが
仕掛けられていたのだが、
アニメのほうは純粋な原始物として
作られている。
白い肌の持ち主のリュウは
行く先々で気味悪がられ、
差別に会い、非難を浴びるのだが、
原作ではこの白い肌の理由が
明確だったのに、アニメでは
この辺が不鮮明。無理矢理
原始物に終始しようとした弊害
なんでしょうが。
原始物、というジャンルは、
あらゆる物が新鮮に描ける対象物である為、
一見ネタの宝庫のように見えるものの、
反面、文明や社会が確立されておらず、
哲学的なものも存在しない為、
深い人間ドラマを作りにくい、という
のがあって、
リュウもストーリーの製作に
相当苦労したらしい。
(背景も岩場や密林ばかりだし。)
結果として、「仇討ち」「母恋し」という
原始時代でも現代でも共通の
テーマが縦軸に選ばれたのだけど、
もしこれが原作どおりのストーリーで
製作されていたら、壮大なアニメとして
歴史に残っていたろうに。
そう思うとちょっと残念。


原始少年リュウ 製作スタッフ

原作/石森章太郎(週刊少年チャンピオン連載)
企画/横山賢二
脚本/近藤 正・布勢博一・押川国秋・安藤豊弘・真弓興正
演出/田宮 武・明比正之・高見義雄・新田義方 他
作画監督/小松原一男・熊尾義文・葛西 治・森 利夫・吾妻 宏 他
音楽/大塩 潤(渡辺岳夫)
OP/原始少年リュウが行く
(作詞・石森章太郎/作曲・大塩 潤/編曲・高原 哲/唄・水木一郎)
ED/ランのうた
(作詞・石森章太郎/作曲・大塩 潤/編曲・高原 哲/唄・堀江美都子)

キャスト


リュウ(井上真樹夫)
ラン(平井道子)
ドン(大田淑子・丸山裕子)
タカ(村越伊知郎)
キバ(納屋悟朗)
リュウの母(瀬能礼子)
カリム(峰 恵研)
ほか




氷河戦士ガイスラッガー
(1977年4月12日〜8月30日・テレビ朝日系放映・全20話)
/製作・東映
世界の七不思議&壮絶なサイボーグバトル


ガイスラッガー氷河の戦士

さしずめこれを例えるなら、「70年版サイボーグ009」とでも言えばいいか。
原作はなく、TV用のオリジナル企画として石森章太郎が
プレゼンした物で、あらすじはこんな感じ。

3万年もの間、南極の氷の下で眠り続けていた5人の強化人間、
シキ・ケン、ミト・カヤ、タニ・マリ、オノ・リキ、イイ・タロが
現代に甦った。実は彼らは太古の地球において
高度の文明を栄えさせたソロン人が、
宇宙の侵略者インベムに対抗するために作った決戦兵器・サイバノイドだった。
志岐博士一家の協力を得た彼らは、特殊戦闘船ソロン号に乗り、
再び地球に侵攻してきたインベム軍団と戦うのだった。


実際の作品内容は石森ヒーローの烙印、とも言うべき
「人間であって人間で無い苦悩・哀しみ」がかなり強調されていて、
この辺りからも「009」を強く意識したことがよく解る。
また、太古の地球に超文明を築いたソロン人の謎を、
世界各地の遺跡(ナスカの地上絵・モアイ像・ストーンヘンジ等)に絡めるなど、
石森漫画のエッセンスも満載。石森ファンには堪らない作品になっている。
また、戦闘も過酷さが強調され、人間爆弾(ザンボット3よりこっちが先。)作戦等、
後味の悪い敵の戦略が続出。
最終回は敵本星に向かって全員特攻をかけて
相手の星ごと道ずれにして終わるという話だったそうで。
いや、凄い展開ですわ。
(私は見た事が無いので、友人の方の記憶をお借りしました。)


氷河戦士ガイスラッガー 製作スタッフ

原作/石森章太郎
製作デスク/小野 忠
チーフディレクター/石黒 昇
脚本/辻 真先・藤川桂介・雪室俊一・安藤豊弘
演出/石黒 昇・泰 広志・泰泉寺 博・吉田健次郎・磯浜太郎
作画監督/富永貞義・山下征二
製作協力/東京ムービー・東映エージェンシー
音楽/菊地俊輔
OP/氷河戦士ガイスラッガー
(作詞・石森章太郎/作曲・菊地俊輔/唄・水木一郎)
ED/われらの命ソロン号
(作詞・八手三郎/作曲・菊地俊輔/唄・堀江美都子)

キャスト


ケン(古谷 徹)
カヤ(神谷 明)
タロ(山本圭子)
リキ(若本紀明)
マリ(小宮和枝)
玲子(吉田理保子)
浩(田上和枝)
デガス(緒方賢一)
志岐博士(飯塚昭三)
ほか




昭和アホ草子・あかぬけ一番!
(1985年10月7日〜1986年3月24日・テレビ朝日系放映・全22話)
/製作・タツノコプロ
ニューウェーブのギャグアニメの傑作

ミラクルヒーロー決めポーズ

これ、大好きだったんですよ。当時見てたなぁ。
原作は「伊賀野カバ丸」の亜月裕が週刊マーガレットに連載していたパラレルギャグコミック。
元々、少女漫画から大きく逸脱した破壊的なギャグ漫画だったのですが。
あらすじはこう。

北海道の田舎から東京の曙学園に単身転校してきた世紀のアホタリ・
丹嶺幸次郎。愛馬のヒカリキンと共に学園に乗り込むが、
そこでクラスメートの一ノ瀬雪華に一目ボレ。
しかしやる事なす事アホタリの彼に雪華は呆れて相手にしない。
学校から帰り、東京の叔父の家(海外出張で誰も居ない)に
帰った幸次郎の前に、突然円盤が落ちてきた。中から出てきたのは
何故か名古屋弁を喋るウェーデルン星の王子、レル。
彼は卒業試験の為、地球の調査と研究にやってきたのだった。
彼は幸次郎の家に居候させてもらう代わりに、
10分間無敵のミラクルヒーローになれるミラクルベルトを幸次郎に貸す。
さあ、ヒーローになった幸次郎。これを機に雪華に猛烈アタックを開始するが、
結局やる事なす事アホタリの連続なのだった。


ヒーローもののパロディーに亜月裕独特のエゲツナイギャグも混じって、
「これホンマに少女漫画か?」と思いましたよ本当。特に印象深いのが
馬のヒカリキン。2本足で歩き、人語を話し、しかも幸次郎と結婚したがってるオカマ馬。
アニメでは玄田哲章(ドカベンの岩鬼ね。)がオカマ声でアテた事もあって、
キャラ立ちまくり。主役の幸次郎を完全に食っちゃった。
アニメではタツノコのタイムボカン出身の演出家たちが原作をさらに
エスカレート。「ガッチャマン」「北斗の拳」のパロディーは出るわ、
バラエティーや報道番組、果てはAVのパロディーまで出るなど
悪ノリ加減が最高。
こういうギャグやらせたら小山高男さんやうえだひでひとさんは上手いわ。
原作のストックが無くなって、後半は殆どアニメオリジナルだったけど、
全然気にならなかったし。



タツノコ冬の時代とその最終回

でも、残念ながら半年持たなかった。
面白かったんだけどねぇ。
この頃のタツノコプロって本当不運で、
幸次郎の愛馬・天才ヒカリキン タイムボカンシリーズ終了前後に際して、
それまで支えていた中心スタッフが抜けちゃったり、
ヒット番組に暫く恵まれなかったこともあって、
製作体制が縮小され、しかも
2クール(26話)に満たない短命番組が4つも続く事になる。
その第1弾「炎のアルペンローゼ」は大河ドラマとして
作られる予定が打ち切りになっちゃって、
多分1年・52話で構成していたものを
全部御破算にして、20話のラスト2分で全部
済ましちゃうという(しかも止め絵で)凄まじさ。
第3弾「光の伝説」は(あかぬけ〜は第2弾)
新体操のアニメという、
動画枚数の制約のキツイ日本のアニメでは
画期的な作品だったが、
低視聴率ゆえ19話で打ちきり。
第4弾「ドテラマン」はタイムボカン路線復活をかけて
作られた作品。副音声を使って
「ひみつトーク」を放送するなど、
新しい試みが使われた作品だった。
また、後藤隆幸の美少女キャラ(サイコーユ鬼)も
ファンに支持を得たものの、結果20話で終了。
結局以降のタツノコは、
リメイク路線に走っていってしまうのだが…。

「あかぬけ〜」の最終回はアニメオリジナル。
(だって、原作は連載開始してまだ一年くらいだもん。)

レルと同じウェーデルン星の子供たちが大挙地球にやってきて、
レポートを書くため地球人にミラクルベルトを配りまくります。
さあ、町はミラクルヒーローで溢れかえり、大騒ぎ。
事態を収拾する為、レルは兄のパラの協力を得て、
時間操作マシンで1週間時間を戻すことに。が、
マシンが故障。1年前に戻ってしまいます。
全ては第1話の状態にまで戻る事に。レルはまた1から
アホタリ最低男と家事手伝い陰険馬とやり直すことになりました。


もう少しみたかったよなぁ。
タツノコギャグの新たな可能性が感じられたのになぁ。

昭和アホ草子・あかぬけ一番! 製作スタッフ

原作/亜月 裕(週刊マーガレット連載)
製作/吉田健二
チーフディレクター/うえだひでひと
シリーズ構成/小山高男
脚本/小山高男・菅 良幸・照井啓司・中 弘子・山田隆司
演出/うえだひでひと・貞光紳也・小林哲也・義野利幸 他
キャラクターデザイン/浜崎博嗣
メカニックデザイン/アンモナイト
原画作監/浜崎博嗣・井口忠一 他
製作協力/アニメフレンド
音楽/渡辺俊幸
OP/いきなりWANT,YOU
(作詞・エビ/作曲・ジージョ/編曲・唄・ピンク・クロウズ)
ED/ちょっと告白
(作詞・冬杜花代子/作曲・渡辺ヒロ/編曲・渡辺俊幸/唄・橋本美加子)

キャスト


丹嶺幸次郎(井上和彦)
一の瀬雪華(本多千恵子)
ヒカリキン(玄田哲章)
レル(三浦雅子)
奥志賀道成(小杉十郎太)
斑尾先生(村上 明)
ルリ(冨沢美智江)
リカ(鳳 芳野)ほか



新プロゴルファー猿
(1988年4月11日〜6月13日・テレビ朝日系放映・全10話)
/製作・シンエイ動画
猿がみんなと楽しくゴルフ?

ワイは猿や!

女のコはちょっと好きだよ、だけどマイウェイ♪
これが新プロゴルファー猿の主題歌。
あの男の血の滾る「プロゴルファー猿」の主題歌とは大違い。
この「マイウェイ猿丸」はもともと挿入歌として作られたものが、
シリーズの路線変更とともに主題歌に格上げされたもの。
そう、この「新プロゴルファー猿」は前作「プロゴルファー猿」
(1985年4月2日〜1988年3月28日・全147話)の
後を受けた第2シリーズ。前作が闇の影ゴルファーの支配者
ミスターXの送り出す刺客と死闘を繰り広げるストーリーだったのに対し、
こちらの新シリーズはいっさいそんなキナ臭い話無し。全く無し。
単純にあらすじを説明。

豊かな自然に囲まれた猿谷。
そこに住む猿谷一家。長男の猿丸は今日もゴルフの練習に余念が無い。
毎回ゴルフに関したトラブルが発生するが、猿丸のゴルフセンスが
窮地を救う。今日も猿谷に事件が起きる?


なんじゃこりゃ。どこがプロゴルファー猿だ。
話の内容も単純明快のホームドラマにシフト。
近くのカントリークラブでカラスのカンクローがプレイの妨害をするので何とかしろ
という話や、
旅行先で一緒にゴルフしたおじさんが実は幽霊でした。チャンチャン。
という話の連続。あの緊張感は何処へ行った〜!
そんなもんで、あっという間に終了。藤子不二雄ワイドで
放送する為、前作が対象年齢高めの内容だったから、
今回は本来の低年齢層に配慮した結果だったらしいんだけど。
でも、前作とギャップありすぎでしょう?

新プロゴルファー猿 製作スタッフ

原作/藤子不二雄A
プロデューサー/波多野正美・田村正司
チーフディレクター/西村純二
脚本/城山 昇・松岡清治・滝原弥生
演出/西村純二・須永 司・青木康直・森 一浩
作画監督/本橋秀之
音楽/筒井広志
OP/マイウェイ猿丸
(作詞・高田ひろお/作曲・小林亜星/編曲・筒井広志/唄・水木一郎)

キャスト


猿丸(頓宮恭子)
中丸」(高木早苗)
大丸(峰あつ子)
小丸(原えりこ)
おっちゃん(富田耕生)
若菜(堀江美都子)
カンクロー(田中真弓)
母(高村章子)
姉(鵜飼るみ子)
猿(茶風林) ほか




というかんじでお届けしました記憶22回目。
短命特集の2回目をお届しました。
今回はリクエストに応える形で2つ、紹介しましたが
まあ記憶の乏しい事。
ガイスラッガーは資料や人の記憶に頼りました。
個人的には「あかぬけ〜」が一番印象的ですね。
この記憶のコーナーだけ、妙に独立しちゃってますね。
それはそれで嬉しい誤算かな?
次回は決定次第お知らせします。



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