時の人アニメ特集
今回は特集系。今ほど個人情報保護とかコンプライアンスポリシーとかが煩くなかった、というより
「なにそれ?美味しいの?」な認識だった昭和時代のころ。
当時は話題になった人物であれば功労者だろうと犯罪者だろうと
映画やTVドラマになっておりました。
悲惨な事件であってもそれがセンセーショナルであれば、
各映画会社が映画化権を巡って壮絶な争奪戦が繰り広げられてた、そんな時代。
時の人である有名人ならば、公人だろうと市井の人だろうと、映画やTVに映しまくるのが世の常でした。
で、アニメにも一時期「実在の人物」をメインに取り上げて一本作っちゃえ、と
イケイケでやってた時期がありまして。
古くはキックの鬼(1970・東映動画)空手バカ一代(1973・東京ムービー)
ピンクレディー物語栄光の天使たち(1978・T&C・東映)、
SPアニメだと
「ミスタージャイアンツ栄光の背番号3(1981・日本テレビ・じんプロ・東宝映像)」
「カバ園長の…動物園日記(1981・フジテレビ・東映動画)」
「小さなラブレター〜まり子とねむの木の子供たち〜(1981・テレビ朝日・NOW企画[オカスタジオ])」
など、スポーツ選手や歌手・有名人が題材として扱われるものは多々あったのですが、
そういう偉人伝・英雄譚のような扱いじゃ無く、なんというか、関西風に言う所の
「いちびった」ような感じの実在人物アニメがこの頃垣間見えるようになりました。
その先鞭たる、いしいひさいち原作の長編劇場アニメ
「がんばれ!タブチくん」(1979・東宝東和・東京ムービー新社)がヒットし話題になったことから、
以降「時の人や話題を面白おかしく取り上げた実在人アニメ」がいくつか制作される事になります。
もっとも、その多くは「時の話題に乗っただけ」で終わり、以降時代性のズレやタイムリー性の喪失などの理由、
実在の人物をモデルにしてる旨の権利等の問題点から
現在TV放送もソフト化もほとんどされず、歴史の中に埋もれた徒花的作品となっています。
では今回、そんな徒花のような作品を三本見ていきましょう。
マンザイ太閤記
時は戦国時代。 猿好きの武将・蜂須賀小六は、猿そっくりな若者・日吉丸を拾って下僕とした。 だが正式な士官を目指す日吉丸は、化粧マニア今川義元の足軽採用試験を受験したものの不合格。 しかしめげない彼は、ブロマイドで見たお市の方に一目ボレし、今度は暴走族の織田信長への士官を狙う。 採用された日吉丸はやがて成人し、木下藤吉郎を名乗り、織田信長の配下として さまざまな成功を収めていく。だが、思惑どおりに事は運ばぬ戦国時代。 下品かつ個性的な戦国武将が群雄割拠する世に、果たして、秀吉は無事に天下をとれるのだろうか? |
プロデューサー・片山哲生 |
「アニメでなきゃ出来ないもの」「いろんな要素の面白さを集めてみよう」と 思ったらこういうものが出来る事になったんです。 似顔絵は山藤章二に引き受けてもらえなければ、やる気はありませんでした。 プレスコにしたのは彼ら(漫才師)の持ち味を100%出してもらう為です。 アドリブ頻発でハメをはずして演ってもらいますが、 いったいどんな作品になるんでしょうね。 |
監督・澤田隆治 |
なにしろタレントの数が多いのでキャスティングが好き勝手に出来ました。 漫才コンビのシチュエーションがそのまま役の上で活かせるものであれば、 紳助(信長)とおさむ(秀吉)のからみで新しい漫才も出来るんです。 こうした配役の妙にも注目して下さい。これは一斉にスターが出てきた 1980年代初めの今しか出来ない作品です。モニュメント作品として是非成功させたい。 |
脚本 共同監督・高屋敷英夫 |
脚本では太閤記に新説・珍説で新しい切り口を出しました。 ただ、ギャグは生身の人間がやってこそ生きるもの。フィルムの流れに定着させると、 せっかくの刺身を冷凍食品にして出すという感じになってしまうんです。 けれども鮮度を保つために、笑いや遊びの仕掛けは盛りだくさん用意しました。 録音のあとにもコンテの修正がかなりありうると覚悟しています。 |
マンザイ太閤記 福田光明(キネマ旬報1981年12月上旬号 日本映画批評163頁) |
八一年十一月一日、 新宿紀伊國屋ホールで行われた「やすしきよし漫才独演会」は、 人気実力ともにナンバーワンを誇るコンビの舞台だけあって、 ![]() 気合の入った真剣勝負という趣があり、 十二分に楽しませてもらった。 ほとばしる熱気の中には初々しさが漂っていた。 総体的に今、漫才が燃えている。(中略) マンザイ太閤記の失敗は、映画がついに 漫才の活力を最も貧しい形でしか 取り込めなかった映画界の敗北をも意味しているようにも思う。 なんだ?!これは!!人気絶頂の漫才界のスターを似顔絵化して、 その声の出演で「太閤記」アニメ版をつくるという アイデア自体は、決して悪くない。 だが(おそらく)過酷なスケジュールのタレントを 出演させるのが不可能なため、 やむをえずアニメという形式が選ばれたと いう風にしかみえないのが、 漫才のみならずアニメに対する重大な侮辱ではないだろうか。 共同監督に澤田隆治が起用され、 キャラクター・デザインを山藤章二が担当して いるというのも、根本的な企画の安易さが、 彼らに十分にその実力を発揮させずに 終わらせてしまったようだ。 確かにアニメならば金のかかるモブシーンも、実際に撮影するよりは、 簡単にスクリーンに表現することは出来る。しかしだからと言って、 そういったアニメの特性によりかかるだけで 真に迫力のあるシーンが表現できるかというと、 それこそ全く逆の結果を生んでしまう。 漫才アニメだから、その作りもアチャラカでいいというのだろうか。 ♪冗談じゃなーいよ まーったく♪(ザ・ぼんちの歌う主題歌) というのは、観客の言うセリフであって、 この映画と併映作「花の係長」 (フリテンくん以来のヒドさ!!)の二本立は、 こうした番組を堂堂と上映する 松竹という企業体質さえ疑いたくなる、空前のつまらなさであった。 映画の中でも桂三枝のTV出演番組がギャグのネタに再三使われているが、 ついに映画はTVの面白さにさえ負けている、というギャグなのかもしれない。 愛情のこもったアニメ作りといい、 キャラクターと声の絶妙のキャスティングといい、 傑作「じゃりン子チエ」がつくづく懐かしくなった。 再び言う。アニメと漫才への二重の侮辱である。 この映画は許せない。なんだ!!これは?!なんなのだ!! |
マンザイ太閤記 スタッフ |
製作/藤岡豊・片山哲生 脚本/高屋敷英夫・城山昇・鈴木良武・伊東恒久・吉田喜昭・山崎晴哉 キャラクターデザイン/山藤章二 作画監督/椛島義夫・山内昇寿郎 監督/澤田隆治・高屋敷英夫 撮影/荒牧国繁・佐藤るみ子 主題歌「エーメンからGoGoGo」 作詞・糸井重里/作曲・鈴木慶一/編曲・鈴木慶一 歌・ザ・ぼんち 美術/勝又譲治 背景/赤保谷愛花 録音/東音スタジオ 編集/中島照雄 ビスタサイズ・EK 上映時間1時間39分 |
キャスト |
日吉丸・藤吉郎・秀吉…ぼんちおさむ(ザ・ぼんち) 前田犬千代…ぼんちまさと(ザ・ぼんち) 織田信長…島田紳助 明智光秀…松本竜介 やや…今いくよ ねね…今くるよ 竹中半兵衛…桂 三枝 今川義元…西川のりお 義元の近侍…上方よしお 武田信玄…島田洋七(B&B) 上杉謙信…島田洋八(B&B) 喜肋…オール阪神 茂肋…オール巨人 森 蘭丸…明石家さんま 徳川家康…笑福亭仁鶴 蜂須賀小六…芦屋雁之助 よいよいの滝主人…横山ノック 百姓…西川きよし 時代の証言者…横山やすし 春日三球・照代 京唄子・鳳啓助 若井小づえ・若井みどり コント赤信号 ゆーとぴあ 坂田利夫 前田五郎 三遊亭円丈 宮尾すすむ |
カッくんカフェ
第一話「バーディー・チャンス」 カッくんのゴルフ狂は大変なもの。 今日もナカちゃんとヘリでゴルフ場に来たのはいいが、 ボールがなかなかままならぬ。どっこい、そこは持ち前の行動力。 バンカーに落ちればスコップで掘り返し、岩影に入ればツルハシで岩を粉砕。 池に飛び込めばダンプで土砂を運び、ブルドーザーに乗りつけて池を埋めてしまう。 カッくんの向かう所、障害は無い。何が何でもホールインしてしまう。 これがカッくん流のゴルフ必勝法だァ! |
第二話「マンハッタン・セクシー」 越後農協ツアーに混じってアメリカ旅行団に参加したカッくん。 ホテルで好物のクサヤを焼いて、毒ガスと間違えられて指名手配されてしまう。 ニューヨークから西へ西へと逃走するカッくん。 それを追うナシモト。逃げまくるカッくん、 映画の世界に入り込む。ある時は「シェーン」ある時は「第三の男」 またある時は「地獄の黙示録」のヘリに追われ、E・Tにも遭遇。 「激突!」の巨大トレーラーに追い詰められたカッくん、もうヘトヘト…。 |
第三話「勝ちはもらった」 戦いの火蓋は切られた。丑の刻参りをするフクちゃん。 主婦層狙いのナカちゃん。ワナに落ちてリタイヤのミキちゃん。 キリストにひざまづくカッくん。そして、決戦日。 「本年度レコード大賞は「上のヒト音頭」を歌ったカッくん!」 三波春夫ばりのド派手着物でこぶしコロコロ唄いあげるカッくん。 そんなカッくんを尻目にフク・ナカ・ミキは 涙をぬぐいながら復讐を誓うのだった…。 |
第四話「青春時代」 県立吉田高校ラグビー部は県大会出場の為に練習に熱が入っていたが、 部員のカッくんは今日も休部。 怒ったミキ・フクらの部員は制裁を加えようと海岸にカッくんを呼び出す。 そこで初めてカッくんの妹が心臓病で、治療費稼ぎのバイトをしていた事が解る。 「俺を殴ってくれ」と謝るフク。カッくんの拳で倒れたフクが笑い、部員が笑う。 「海のバカヤロー!」叫ぶ部員達。「さあ、あの夕陽に向かってダッシュだ」と 渚を駆ける全員の顔に夕陽が照り返していた…。 |
第五話「異色対談」 TVの対談番組に出演するカッくん。 お相手はタケムラのケンちゃんとマサコちゃん。 司会は売れっ子シンヤ。教育問題・性風俗と話は進むが、 ことごとくカッくんにタテつくタケムラに「キッサマ〜!」堪忍袋の緒が切れた。 スタジオ内は大騒ぎ。大喧嘩のまま番組は終了。と、 「先生、記念撮影お願いします」と、カッくんに走り寄るタケムラ。 「君も中々役者になったナ」と言われてペーコペコ。 え?タケムラもカッくんのファンだったの? |
第六話「シンカンセン・カンシンセン」 上越新幹線に乗って一人故郷に向かうカッくんは 人目を避けて風呂敷包みに着流し姿。久々にゆっくりしていると、 後ろの方からセント・ルイスの「日本の政治家ベストテン」が聞こえてくる。 次々に登場する親しい名前。が、カッくんの名前が出てこない。 「誰か忘れてやしませんか?」と話に加わり、ついつい身分を明かしてしまうが 「こんな所にあのカッくんがいるわけない」とバカにされ、思わずカーッ! カッくんの行く先々に騒ぎあり。 |
第七話「メインエベント・ナガタチョウ・マッチ」 国会予算委員会。ノサカ議員が国会が臭いとソーリに追求。 結局女性議員の匂いだという事になる。チナツ議員がこれに同調してわめけば、 黙ってはいない厚化粧オバン議員。 その時ゴングが鳴り、国会はリングと化す。そこへ登場した赤パンツのカッくん。 与野党言い乱れてのメジロコールが上がる。と、 プロレスを侮辱されたとアントニオイノキが出現。 カッくんVSイノキ、世紀のメインエベントのはじまりはじまり…。 |
第八話「さらば地球よ!」 198X年。米ソの対立は深まり、遂に全面核戦争に突入。 ミサイルの地球着弾まであと3分。地球は大パニック!40億の人命が危ない! その時!鳥か?飛行機か?スーパーマンか? いや、ヨッシャーマンに変身したカッくんなのです! 頭にハチマキ、唐草の風呂敷マントに下駄履き、胸に燦然と輝く「角」の一文字。 もの凄い勢いで飛んできて、着弾寸前のミサイルを次々と宇宙の果てに吹っ飛ばす。 ありがとうカッくん! |
劇場映画ナマナマ情報(月刊アニメディア1984年10月号) |
内容は全部で8本の短編からなり、主人公カッくん (勿論、某田●先生のパロディ作品、ということで)が、 世界中を舞台に大活躍。ある時はゴルフ場で、 また新幹線の中、アメリカはマンハッタン、 永田町といえば言わずと知れた国会議事堂、 はたまた宇宙や日本のとある高校と、 次々と名シーン・迷シーンを展開する。 抱腹絶倒ながらピリッとワサビの効いた ハイセンスなギャグ映画なのだ。 |
カッくんカフェ 野村正昭(キネマ旬報1984年11月上旬号 日本映画批評153頁) |
一篇約十分の短篇が八本で計八十分強。 「がんばれ!タブチくん」「プロ野球を10倍楽しく見る方法」の マルチラウンド・システムの応用ですな。 元首相・田中角栄ことカッくんを主人公にした 「ワサビの効いたギャグ」でいっぱいのアニメと プレスに記してあるが、いったいどこにワサビが効いていたんだろう。 八十六分間、殆ど笑えずシラケ返った。 「フリテンくん」「マンザイ太閤記」を見た時の苦痛を思い出した。 こちらの政治意識が低い事も大いに関係あるのだろうが、 それ以前にパロディというものについて、あれこれ考えさせられた。 こういうアニメをパロディというのかな。ギャグはどこにあったんだろうな。 「青春時代」を例にとれば、心臓病の妹の治療費を稼ぐために、朝は新聞配達、 夜は氷屋のアルバイトをしている勤労学生のカッくんが、 ラグビー部のメンバーであるミキちゃん、フクちゃんに 励まされて海辺を夕陽に向かって走りだしていくというオハナシだけど、 青春ドラマのパターンを芸も無く取り入れ、 これが本当に面白いと作り手は考えているのかな。 笑い以外には目くじらたてて要求する気はさらさらないのだが、 ひとつも笑えないのは見ていて疲れるもんだな。文句を言う前に気が抜けてしまうな。 こんなものを作ってしまうスタッフには何を言っても通じないだろうな。 いしいひさいちというヒトは、本当に偉大だった。 有名人が登場するだけで、パロディというのかな。 最近はマイナーなオブジェや人物が登場してもパロディとして通用してるもんな。 ちょろいもんだな。 自閉症の映画青年には心の拠り所になるかもしれないけれど、 時たまTVで見る「今夜は最高!!」の いわゆるパロディの、これがアニメ版なんだろうな。 こういうアニメが商品として通用するうちは、日本も平和なんだろうな。 どうせなら、本当に田中角栄を怒らせるようなアニメを作っちゃえばよいのにな。 つまらないものでも開き直っちゃえば、 何を作っても書いても恥ずかしくないのかな。(中略) ギャグとかパロディという言葉も随分安っぽくなったもんだな。 毒という言葉も、言葉だけになっちゃったんだな。(中略) アニメ・ファンは目が肥えてるから、やっぱりこの映画にはソッポを向くんだろうな。 大人向きのアニメと言うんなら、はたして大人はこんなアニメを見るのかな。 子供もだませないくせに、誰に見せるつもりで作ったのかな。 マスコミ受けだけ狙ったのかな。 あ、そうか、新潟の越山会の会員向けに作ったんだろうな。 |
カッくんカフェ スタッフ |
企画/西城鉄男・宇田川東樹 プロデユーサー/宇田川東樹 宣伝プロデューサー/糸井重里 原作・脚本/カッくん制作団 キャラクターデザイン・作画監督/芝山 努 監督/小林 治 美術監督/清水一利 音響監督/明田川進 撮影監督/若菜章夫 編集/椙本英雄 音楽/福井 峻・平野 融 主題歌「猛烈!!カックンロール」 (作詞・伊藤あきら/作曲・中村泰士/歌・ヒロスケ) 制作/東京メディアコネクションズ・亜細亜堂 ビスタサイズ・フジカラー 上映時間1時間26分 |
キャスト |
カッくん…伊武雅刀 ナカちゃん&シンちゃん…八代 駿 ミキちゃん…梶 哲也 フクちゃん…納谷悟朗 レーガン刑事…阪 脩 タケムラ&タコ委員長ほか…竹中直人 マサコ&アキコ&サッチャー…白石冬美 キリスト…糸井重里 松金よね子 北口光彦 桂 米助 セント・ルイス 古館伊知郎 高橋恵子 長谷川和彦 ほか |
GoGo虎ェ門
西武球場・日本シリーズ第6戦1985年11月2日。 9‐3で阪神が西武に勝ち、球団史上初の日本一に輝いた。 ファンは狂喜し、関西中はお祭り騒ぎ。 それまでの鬱憤を晴らすように、狂ったように大はしゃぎするのだった。 いや、狂っていた。もはや関西は歓喜に発狂し、天も地も大騒ぎだった。 翌年、初詣の願掛けに新年会でのビールかけ三回戦と 優勝の恩恵に浮かれる選手たち。 さあ、今年も日本一や!と、ヨシダ監督は選手全員に 自衛隊の体験入隊訓練を受けさせる。 ところが突然始まった大戦争! 仕掛けたのは阪神に優勝をさらわれ、 苦汁をなめさせられたエガワだった。 バースに一騎打ちを仕掛けるがあっさりボロ負けし 敗走するエガワを皆で笑う阪神ナイン。 そんな折、阪神本社では次期監督にヒロオカが指名されていた。 ショックで崩れるヨシダ監督。皆に別れの大盤振る舞いをするが、 実はヒロオカは阪神建設の現場カントクになっただけだった。 「わー!みんなワシのおごった分金返せ―!」 ドケチヨシダの大騒ぎの果て、 今日も阪神ナインは栄光に向かって進むのだ。 |
GoGo虎ェ門 |
このビデオに関しては、制作ニュースは全く聞いてなくて、 ふってわいたように出てきた作品って気がしますね。 もう少し前宣伝をやっていてもよかったような気がしますが。 内容は高橋春男さんの四コマ漫画を30分のストーリーに仕立てたもの。 言ってみれば「がんばれ!タブチくん」の阪神版。 監督は「タブチくん」の芝山努さん。 芝山さんも長くやっているだけあってギャグのツボを心得ている。 作画も安定しているし。 だけど「タブチくん」よりアクの強さとか浪花の根性みたいなものが よく出ていて面白かった。 ただ、僕は野球を知らないのであまり笑えなかったですね。 僕でも知ってる江川とかバースのエピソードは笑えたから、 野球を知ってる人に薦めたい。 ところで、現在阪神は低迷中。 これがビデオの売り上げに響くかどうか気になります。 (月刊アニメージュ1986年6月号 アニメージュ・レーダー87頁記事) |
GoGo虎ェ門 スタッフ |
原作/高橋春男(小学館・週刊ポスト連載) 企画・製作/布川ゆうじ プロデューサー/鈴木義瀧 監督/芝山 努 脚本/大岸一生 絵コンテ・演出/中村孝一郎 作画監督・キャラクターデザイン/山田みちしろ 撮影監督/菅谷信行 音響制作/ザック・プロモーション 美術監督/門野真理子 背景/藤沢みどり・海野 卓 録音監督/水本 完 編集/森田編集室(坂本雅紀・森田清次) 制作担当/岡村雅裕 制作協力/亜細亜堂 テーマソング「虎ェ門マーチ」 作詞・別府千波也/作曲・クニ河内/編曲・鈴木滋人 唄・とみたいちろう |
キャスト |
虎ェ門…堀 絢子 ヨシダカントク…永井一郎 オカダ、フジモト(ほか有名人多数)…キッチュ カケフ…青野 武 バース…内海賢二 エガワ…二又一成 村山 明 羽村京子 木藤聡子 色川京子 阪 脩 曽我部和恭 池本小百合 |
と、いうわけで今回の記憶のかさブタ、いかがでしたか?
3作品とも今となっては再見の機会もほとんどなく、DVDの発売もほぼ見こめません。
時代の徒花、といえばそれまでで、この手の作品って「当時の流行や時代の空気」込みで成立してる側面もあって
今見ると「ワケが解らない」「何のコト言ってるの?」なネタも多く
タイムリーな時事ネタや流行CMネタなんかはホント、生モノで日持ちしないわ
というのを痛感しますね。そういう意味では「当時限定アニメ」というくくり方も出来ようと思います。
また、今と個人情報やプライバシーの捉え方が大きく異なる半世紀近く昔の作品故、
どんなに個人や団体をこきおろす表現も「いいじゃん。有名税、有名税」で
スルーされてた時代でもあったので、こういう作品は成立しえたのでしょう。
今はそんな理屈も通らない?いろいろ煩い世の中ですしね。
次回はどうしようかな。なんか企画中。では。