第三話 |
![]() 舞台は茨城県秋季中学野球選手権大会。 この決勝戦に、クロパンがエースを務める白浜校と早波校が激闘を行っていた。 クロパンはその剛速球でノーヒットノーラン達成寸前。 このまま行けば優勝…! ![]() 一方その頃、クロパンの家では武次郎と謎の紳士が会談していた。 クロパンは武次郎の実の子供ではない。弟の武蔵が兄に預けた養子だったのだ。 今頃になって何を…っ!苛立ちを隠さない武次郎。 ![]() そして時同じ頃、クロパンはノーヒットノーラン達成で チームも優勝。最高の至福の時を堪能していた。 ![]() そしてこちら。荒れに荒れた会談。謎紳士が呟く。 ![]() 「なあ武次郎さん…あなたにだってクロパンの輝く未来をもぎとる権利は無いはずだろう。」 「うっ……!」 意気揚々と自宅に帰ってきたクロパン。が、 そこには謎紳士と武次郎が二人揃って神妙な面持ち。やがて武次郎が口を開く。 「クロ…これから父ちゃんが話す事を聞き漏らさずしっかりと聞けよ! いいな、一度しかいわねえど!」 ![]() …数分後、目を潤ませ困惑したクロパンが走り去っていく。「ちくしょうーッ!」 号泣し絶叫し、彼がたどり着いたのはグラウンドだった。 そんな彼を追いかけてきた謎紳士。「東京へ行こう、クロパン。」 「ば、ばかやろう、おれを捨てたヤツのところなんかだれが行くか! おれの親は今の父ちゃん一人だ。いつまでもここを離れない!」 ![]() 「君の憧れの甲子園には行きたくないのか!」 咄嗟にクロパンの脳裏に浮かぶ甲子園球場。 「行くとも、沖監督とも約束したんだ。甲子園に行ってみせる!」 だが、謎紳士はあっさりと 「無理だろう。きみの進学する沖高校では甲子園に行けるチーム力は無い!」と 可能性を否定する。 ![]() 「なるほどたしかにこの町では キミの速球にきりきり舞いをさせられている。しかし!東京は激戦区だ。 いまのきみの速球を打ち込むバッターは何人でもいる!」 「冗談じゃねえや!おれは超中学級と言われてるんだ! おなじ中学生なら打たせない!」 そこに突然姿を現した謎の少年。謎紳士が連れてきたようだった。 ![]() 「こいつが…おれの速球を打てるというのか?」 「勝負してみるかね?」「上等じゃないか、勝負してやる!」 「きみが一つでも空振りを取ったらきみの勝ちとする。 だが空振りせず打ち込んだらきみの負けだ。 そのときは負けを認めて東京へ行くと約束しないか?」 こうして、クロパンと謎の少年との対決が始まった。 一球目はボールなので手を出さず、 次いで二球目…かすってファール。 そして三球目…ジャストミートでレフト前ヒット! ![]() マウンドで崩れ落ちるクロパン。 「ほ…ほんとうに東京にはこんなバッターがいるのか…。」 「ザラにいる。」 「たしかめてみたい…自分の目で…」 ![]() まだ見ぬ更なる強大なライバルの存在を知り、 クロパンの心は東京へと動いていた… ![]() |
第四話 |
![]() 東京の私立光陽学園(中高一貫校)に現れたクロパン。 その野球部の練習を見るにつけ居丈高に挑発する。 「よお!よお!どうした!東京にはすごいやつが山のようにいるからって来たのにー! さっきから見てたらなんだおまえらヘタクソ! おまえらこそイモ野球だっぺー!」 ![]() 「い、イモ?なにィ!この野郎言わせておけば!」 クロパンと光陽ナインとの喧嘩勃発。 クロパンを捕まえて制裁しようとする光陽ナインでしたが、 クロパンの敏捷さに誰も追いつけず、身体能力の差をまざまざと見せ付けられます。 ![]() が、そんなクロパンを捉えたのが、 茨城でクロパンの球を打ち砕いたあの少年でした。 ![]() とたんに光陽ナインに袋叩きに合うクロパン。 「やめろやめろ!おまえらもだらしがないぞ!」少年はナインを一喝します。 「勝負するなら野球で決着をつけろ!」 というわけで、急遽始まった乱入者クロパンと光陽ナインとの野球対決。 ![]() しかしクロパンの剛速球は中学生レベルでは手も足も出ません。 「な…投げたと思ったら…ミットにきてた。」 「ご…剛速球だ。」 「こんな速いのはそうザラにはいないぞ。」 やがてクロパンを恐れて、仮病で試合放棄する輩まで現れる始末。 ![]() そんな惨状にあの少年が名乗りを挙げる。 「よし、オレが勝負だ。」 「お、おまえは…!」 そこに例の謎紳士。「わたしがキャッチャーをやろう。」 「あ、部長。」 謎紳士の正体は光陽学園野球部の部長だったのです。 ![]() 「勝負!」 やがて降り出した豪雨の中、クロパンの剛速球が唸りをあげてミットに叩き込まれます。 一球目は空振り。ミットのボールを見て部長が驚愕します。 「すごい…ボールがまったくぬれてない。ボールの回転がこの豪雨をはじき飛ばしている…」 そして二球目、少年はついにクロパンの球を弾き返します! …が、サード真正面のライナー! 「負けた!」少年が思った刹那、ぬかるんだグラウンド故にサードが球を弾いてしまいます。 クロパンは憔悴しきった顔で呟きます。 「ま、また…あいつに打たれた。」 「サードのエラーだ。ヒットにはならんな」 「はい…」 ![]() 少年と監督は勝ってはいないと納得した途端 「オレが負けたー!」と走り去ろうとするクロパン。そして…! ![]() 衝撃の告白! 「アニキ」…この言葉の示す意味とは? |
感想 |
クロパンの出生の秘密と、新たな旅立ちと更なる 波乱万丈の幕開けと言う怒涛の展開。 野球絡んでなかったら何のドラマか解らなくなるというか、 複雑に入り組んだ諸事情がいろいろあるようです大磯家。 クロパンの球を打ち崩せる謎の少年の存在が この三・四話ではクローズアップされていて、しかも四話ラストで「アニキ!」と衝撃の告白。 なんかいろいろ伏線やら謎解きやらが振りまかれすぎていて 掴みきれていないんですが…。真実は次回明らかに。 |