タイトル

第十話・第十一話・第十二話ストーリー紹介



第十話
激突!クロパン対光の巻

夏の甲子園大会地区予選を前に、
魔球サンダーボルトを作り上げたクロパンは、
予選試合へのレギュラー出場をかけて、
「い組」との直接対決を要求し、監督によって了承された。

この練習試合で光率いる「い組」に勝てば、
甲子園に出場できるチャンスが…!

だが、光の魔球「白鳥の舞い」は
完璧なまでに相手の心理を読み取り、
ボールを芯を外してバットに当て、
必ずキャッチャーフライに仕留める。


一方のクロパンも魔球サンダーボルトで
豪打を誇る「い組」レギュラーを次々仕留めていく。


両者譲らず、試合は膠着状態に。
練習試合ゆえに延長戦は認められない。
九回終了までにクロパンら「は組」が
リードしていなければ「い組」の勝ちなのだ。

膠着状態に終止符を打たんと、剛田キャプテンが打席に立つ。

手には絶縁用の革手袋。
「少しでも電撃をやわらげようって言うのか!」
投げ込まれるサンダーボルトを
剛田が電撃に苦しみながらフルスイング!

「敗れたりサンダーボルト!」
打球はセンターオーバー!
「う、打ち返された!」
追う猿飛。が、頭を越されて長打コース。
剛田は叫ぶ。「ランニングホーマーだ!」
猿飛からの返球を受けるクロパン。
「本塁はつかせねえ!」
三好のミットに返球!と同時に剛田がホームに突撃!
「アメラグで鍛えた身体、どんなブロックもはねかえす!」
クロスプレイ!と同時に本塁上で大スパーク。

「バックホームにまでサンダーボルトを…」
判定はアウト。
三好はサンダーボルトの電撃に顔をゆがめつつもクロパンに呟く。

果たして決着は?勝利はどちらに?

第十一話
ウォーッ光が倒れた!!の巻

試合は七回終了まで互いに0−0。一向に決着はつかない。
バッターボックスにはクロパン。
なぜか目隠しをしている。

「そんなコケおどしは通用しない!」
いなす光だったが、フォームに入った瞬間、
クロパンがバットを回しだす。
「うっ!?」

そしてグリップエンドを正面に構える。
「おのれ、みょうなマネを。」
グリップエンドに当たった白鳥の舞いは上には飛ばず、
ゴロでピッチャーの前に。
「フェアだ!」

慌てて拾い、ファーストに投げる剛田。
間一髪クロパンはタッチアウト。
事なきを得た…が、ナインのショックは大きかった。
「ひ、光が打たれたのか…」
「今まで一度としてホームベースより前に打たれたことのない光が…」

8回裏、「い組」の攻撃。光がバッターボックスに。
「監督、ご心配なく、この回で決着をつけます!」
光は水を口に含み、霧状に噴出した。
霧雨のように水煙に包まれるバッターボックス。

光はサンダーボルトの弱点を見抜いていた!


光の打球はスタンドイン。ついに均衡が破れた。
悠々とベースランする光だったが…

試合は光の救急搬送により中止。
救急車により光は病院に運ばれる。
涙ぐみながら語る剛田キャプテン。

「光が死んだら貴様も生かしちゃおかねえ!必ずぶち殺してやるぞ!」
クロパンを憎悪と殺意の眼差しで睨みつける「い組」メンバー。
怒りと悲しみに震える剛田キャプテン。
クロパンは突然の事に全てを理解出来ないでいた。

救急病院。光がベッドに横たわっている。

余命を悟った光。
クロパンの魔球の限界を知る光がした決意…!

夏、全国高等学校野球選手権大会東東京地区予選会場(原文ママ)。
球場でサンダーボルトを連投し続けるクロパン。

ようやく決勝戦までたどり着いたものの、
魔球サンダーボルトの連投はクロパンの体力を確実に削り取っていく。

そして5回…サンダーボルトがついに光らなくなった。
体力の限界が来たのだ。

もはやクロパンに魔球を投げる体力は無い。が、
クロパンの脳裏によぎるのは
光が救急搬送された直後の光景。
「光が死んだら貴様も生かしちゃおかねえ!必ずぶち殺してやるぞ!」
あの直後…剛田以下「い組」レギュラー全員が
クロパンに泣きながら土下座したのだ。
「た、たとえ一球でもいい、光に甲子園で
投げさせてやりてぇ!たのむ、このとおりだ!
きさまのサンダーボルトで
甲龍学園を甲子園に出場させてくれっ!」
余命いくばくも無い光への想い、
光を想う「い組」メンバーの想い。


クロパンは自分を再び奮い立たせる。甲子園に行くために!

第十二話
さらば光!!最後の秘球の巻

光のためにも最後まで投げぬき甲子園へ!奮闘するクロパン。
が、もはや体力の枯渇は拭い様も無い。

相手の四番バッターにツーランホームランを打たれてついに失点!

さらに連打に連打を浴びてこの回だけで5失点!もう限界か?

一方の甲龍も剛田のヒットとスクイズで1点を返し、
1−5と4点ビハインドにまで詰め寄る。
一方のクロパン。左肩は赤黒く腫れあがっていた。

もはやまともな投球すら危ぶまれる状態だったが、
光を甲子園に連れて行くという決意のもと、
クロパンは投げ続ける事を決意する。

その後甲龍ナインの大技小技をまじえた攻撃が功を奏し、1点差までに詰め寄り、
そして九回表、三好の豪打と猿飛のアクロバット走塁で
ついに勝ち越し6−5!九回裏を抑えれば甲子園出場決定!

が、もはやクロパンの肩は限界を超えていた。
左肩に走る激痛。サンダーボルトどころか、普通の球すらもう投げれない。

ツーアウトながらもランナー一塁、
打席には先ほどクロパンからホームランを打った四番!
クロパンの力ない球を見事弾き返し
打球はレフトスタンド一直線!…がわずかにファール。

次投げれば確実にサヨナラ…。
もう打つ手はクロパンには無かった。
「ピッチャー交代!」驚くクロパンの前に現れたのは、
入院中の光だった。

やつれ果てて、昔の面影はもう無い。
が、光は最後の命の火を、この予選決勝のために使う決心をして
グラウンドに現れたのだった。

涙ぐむ監督。そして甲龍ナイン。

甲龍学園は勝った。そして、
マウンドには力尽きた白鳥がいた。


夏の甲子園、開会式の甲龍学園。
光の遺影と喪章をつけての行進。

クロパンと甲龍ナインは光の遺志を継ぎ、甲子園の激闘に挑む!

感想
光編、とも言うべきエピソード。
当初クロパンの前に立ちはだかる強力なライバルとして登場しながらも、
実は余命幾許も無い病弱な体であることが判明。
クロパンとの激闘が、結果として光の寿命を急速に縮めてしまったというのは皮肉な話。
それまで傍若無人だった「い組」メンバーがクロパンに土下座して
「光を甲子園に連れて行ってほしい」と懇願するシーンは涙を誘います。
が、クロパン自身も無理がたたり、この予選でサンダーボルト多投により左肩を壊してしまうという羽目に。
なんか甲龍ナインにすれば次から次へと不幸が襲い来る展開。
甲龍は甲子園連続出場の常連校だったはずなんですが、
「光を甲子園に」というのは、せめて死ぬ間際に甲子園のマウンドに…
という事だったんでしょうかね。が、結果はそれも叶わず。
光はその素性が殆ど語られないままに
死んでしまった感のあるキャラクターなのですが、強烈なパーソナリティ故か、
死後も事あるごとに甲龍ナインの心の支えとして
出てくるようになり、ネタバレですが最終回では「光によって勝てた」と言っても
過言ではない展開になっていきます。
さて、ついに甲子園夏の選手権大会に突入。
いよいよ野球マンガの聖地に入り、本領発揮…?





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