タイトル

第十三話・第十四話ストーリー紹介



第十三話
サンダーボルトが禁止!?の巻

1980(昭和55)年・全国高校野球選手権大会甲子園一回戦。
クロパンのサンダーボルトは無敵の快進撃を続けていた。
次々と電撃で黒コゲになり倒れる敵ナイン。

難なく一回戦を勝利した甲龍ナインだったが、

試合終了後主催者から衝撃の通達が。

(まあ、下手すりゃ相手が心臓マヒを起こしかねない魔球ですしね…)
「オレだけの魔球サンダーボルトが使えないなんて!」
絶望感と焦燥感に駆られたクロパン。
海に向かってサンダーボルトを投げ込む。
「これがサンダーボルトの見おさめだあっ!」

刹那、海が持ち上がり、巨大な坊主の男が!手にはバット。

般若心経を唱えながら初見のサンダーボルトを打ち返す!
全身水浸しなのに電撃をものともしない!


禁止されるまでもない、
サンダーボルトはここに完全に死んだのだ。
クロパンに重くのしかかる敗北感。

宿舎では剛田・三好・クロパンが話し合っていた。
今日、海であった謎の坊主男…
それは2回戦で当たる強豪・大嵐山高校の四番バッターだった。
「大嵐山高校はまともな球で勝てる相手じゃない!」
一計を案じた三好は決意し、クロパンに告げる。

翌日―クロパン・三好・猿飛の3人は宿舎を離れ、
人里離れた海岸で魔球想像に血道をあげていた。
が、与えられた時間は僅か5日。
魔球どころかそのとっかかりすら掴めず焦るクロパン。

「おーい、メシにしようぜー。」殺伐としたこの状況下に
猿飛がクッションを入れる。暫し和やかな食事タイム。

が…、この何気ない四方山話が、
クロパンに魔球のとっかかりを与えた!

そして5日後の2回戦、対大嵐山高校戦。
クロパンら三人は甲龍ナインに合流した。

「フフッ、どこに雲隠れしとったか知らんが、この試合はわいらのもんや!」
魔球のないクロパンなど恐るるに足らず。余裕の鉄海。
が、マウンドに上がったクロパンが投げた球は?

球が一旦ストライクゾーンの空中で停止し、
その後あらぬ方向へ突然動き出す!


この奇異なる魔球は一体…?

ついに現れた新魔球・スクランブルエッグ!甦ったクロパン!
だが、このまま引き下がる大嵐山高校・鉄海ではない。
勝負の行方は?

第十四話
打倒!鉄海炎の対決の巻

スクランブルエッグの前に大嵐山高校は三振の山。
嬉しさの余りベンチでほくそ笑むクロパン。

次から次へと魔球を生み出すクロパンのハイポテンシャルさに感心する監督。
一方、甲龍は猿飛の好走塁もあいまって

先制点をたたき出す!

焦る大嵐山ナインを鉄海が勇気付ける。
「心配することあらへん!わしが必ず打ってみせる!」

バッターボックスに立った鉄海は
あえて挑発的にクロパンをイジる。

怒って気持ちの乱れたクロパンの球は変化しきらず、
鉄海に痛打されてしまった!
が、紙一重でファール。

心理作戦でクロパンを揺さぶる野村イズム的作戦はひとまず成功も、
三好に諭され立ち直ったクロパンの投球は鉄海を三振に仕留める。
しかし、鉄海はスクランブルエッグの攻略法の糸口を既につかんでいた。

七回まで1―0。大嵐山高校をノーヒットに抑えたクロパンの前に
三度目の打席に立つ鉄海。おもむろに目隠しをつける。
これぞ仏の道につかえる者にだけ見える「心眼打法」!

「そんなおどしにゃのらねえぞーっ!」
スクランブルエッグを投げるクロパン。
音を聞き気配を読み、
球の軌道が心眼によって読み取られる。開く鉄海のチャクラ!

スクランブルエッグ・般若心経に敗れる!
打球は甲子園のバックスクリーン一直線!同点ホームランか?

しかし猿飛が驚異的な跳躍力で大ジャンプ。
軽くスタンドインの打球をはるか上空でダイビング・キャッチ!
「アウト!」首の皮一枚で繋がったものの、
クロパンは心眼打法の真偽を確かめられない事に不安を覚えていた。

このまま行けばもう鉄海には打席は回らない。完封確実!
しかしクロパンは三好に告げる。
「おれはもう一度鉄海と勝負する!」
避けたまま勝利したのでは真の勝利ではない!
三好も了承し、意図的に四球を出して打順を調整しはじめる。
「なるほど!そういうことでっか!のぞむところやクロパン君!」
鉄海も挑まれた勝負を了承する。

そして九回。鉄海がほくそ笑みクロパンに語る。
「甘いでクロパン君!武士の情けはこの甲子園では無用や!(こ…こいつは…)」
再び心眼打法の目隠しをする鉄海。

光の遺影を前に、クロパンにはある策が浮かぶ。
いよいよ鉄海との最終決戦!
「いくぞおーっ鉄海ーっ!」
マウンドのクロパンの取ったフォームは!

白鳥の舞い!打つ鉄海!
当然の結果として…

強烈なるキャッチャーフライ!

白鳥の舞いも身に付けたクロパン、甲龍学園の快進撃は続く!

感想
「鉄海編」というべき前後編です。
一回戦でサンダーボルトで相手チームを黒焦げにした事にクレームがついたのか(そりゃそうか)、
早速サンダーボルトの使用禁止通達。こうして魔球サンダーボルトは僅か四話分で姿を消すことに。
その上、突如現れた謎の海坊主・鉄海に
サンダーボルトはあっさりジャストミート。名実共に命運尽きます。
しかしこの坊主、ずっと海に潜んでクロパンが来るのを
待ってたって事なんですかね?野暮な疑問ですが。
ドカベンの武蔵坊然り、神通力を持った野球選手は問答無用に
強さがインフレ化する傾向がありますね。
この鉄海も初見のスクランブルエッグをいとも簡単にホームラン(捕られたけど)にする
「心眼打法」なる技を持つし。
ただこの鉄海、仏門に仕える身にしては口も性根も悪いような…。破戒僧?
一人称も「ワシ」だったり「わて」だったりと何かオカシイし。
何にせよ、二回戦で迎えたこの難敵(といっても、目立つ敵は鉄海ただ一人でしたが)を
僅か5日で開発した即席魔球「スクランブルエッグ」で見事撃退。
理屈は外側の球と内側の球を別に動かすから、という事らしいけど、
実際の公式の硬球ではそんな事は不可能なわけで…。
それこそ「ONEOUTS」のトリックスタジアム編のインチキナックルみたいな、
細工した重心偏向ボールでも仕込まない限り無理。
しかしそこはクロパン。血の滲む特訓で何とかした、という事か?
そしていよいよ甲子園編は決勝戦へと進行します…。





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