タイトル

第十五話・第十六話・第十七話ストーリー紹介



第十五話
手負いの決勝!!の巻

準決勝。
クロパンのコークスクリューはコントロールも出来るようになり益々快調。
ついに決勝進出を決める。

一方こちらは決勝戦の相手・相模灘大学付属高の宿舎。
ナイン全員が広間に集められている。
前に立つ監督と、大学のスポーツ心理学の研究員・田川。


(こいつ、一〜二話に出てきたチンピラにソックリだ。もしかして兄弟?)

魔球に対抗する科学と計算。
70年代野球マンガの定石に則って解説が始まる。

結論―スクランブルエッグは4つのコースしか通らない。
それは投球時の球の握りで判別可能。

ついにスクランブルエッグの秘密が完全解明されてしまった。
科学の勝利だ!

一方、決勝戦を前に神妙な面持ちの甲龍ナイン。
監督がリラックスを目的として、
大阪名物をご馳走すると切り出した(甲子園は兵庫県なんですが…)。

着いた先は粉モン焼屋。(というか、お好み焼屋?)
たこ焼・お好み焼を堪能しすっかりリラックスの甲龍ナイン。
上機嫌の余り三好をからかった猿飛。
三好が怒り喧嘩に。

暴れた表紙にガスホースが抜けて、ガスが引火!

火炎放射器のようにクロパンの左手を焼いてしまう!
驚愕の甲龍ナイン。
救急病院で治療を受けるクロパン。
左手は水ぶくれだらけ。

しかし甲龍学園のピッチャーはクロパンしかいない。
(「ろ組」「は組」から補欠連れてくればいいのに…)
決勝戦で投げる事を改めて決意するクロパン。
そして決勝戦。クロパンの左手は当然ながら治りはしない。
しかも相模灘大学付属ナインは昨日のレクチャーで
完全にスクランブルエッグ攻略法を身に付けていた!
モロバレのコースを徹底的に痛打されるクロパン。

もはや相模灘大学付属ナインにスクランブルエッグは通用しない。
そう考えたクロパンは白鳥の舞いを投げる事に。
だが、投げる刹那に水ぶくれが破れ、大暴投!

相模灘大学付属、労せずに先制。
左手の指の皮は破れてもはや感覚すら掴めぬほどの激痛に。
もう魔球は投げれない。
本来の剛速球で勝負!だが、魔球の無いクロパンなど相模灘大学付属の敵ではない。
あっさりスリーラン。
結果、一回の表・打者一巡で7失点。

もう無理だ…!
監督が告げたピッチャー交代。

一体誰が投げる?

第十六話
大力投、決勝戦!!の巻

監督が告げたピッチャーはキャプテンの剛田だった!

クロパンはライトに回ることに。
剛田は少しでもクロパンの指が回復するためにと、
時間稼ぎを行おうとしたのだった。
剛田の投球はノーコン暴投の連続。

だが荒れ球が幸いしたか、この回をなんとか抑える。

クロパンの手の傷を自分のせいと悔やむ猿飛。
ふと、妙案が浮かぶ。

怪我をした、と嘯いて、ベンチ奥で時間を稼ぐ猿飛。
取り出したのは…


猿飛十三代目ともなると中国針の修練もある…?
というわけで、クロパンの指の痛みは消えた。

打撃では圧倒的破壊力を誇る甲龍ナインの反撃!
一方剛田のノーコン四球に付け込み
大量得点を稼ぐ相模灘大学付属。
試合は前代未聞の乱打戦に。

5回を過ぎた時点で試合は4時間半を経過し、ナイターに。
だが、剛田キャプテンの体力はすでに限界。
辛うじて六回を投げきったものの、もうこれ以上は無理。
クロパンが七回以降投げる事を決意する。

一方、相模灘大学付属はピッチャーを交代。

謎のリリーフ、三馬の投げる球とは…?

まるで宙返りコースターのようなトリッキーな軌道を描いた。
全く読めない球筋に困惑するバッター。

甲龍ナインは手も足も出なくなってしまった。
この魔球の登場に闘志を一段と燃やすクロパン。
だが、投球練習を始めたクロパンに異変が!

「かまわねえやるんだあ!でなきゃ球が投げられねえ!」
結局針を抜いたクロパン。激痛に苦しみつつ再びマウンドに
(意味…無かったのね中国針治療)。

「真紅の優勝旗を南大路光の墓前にそなえるまでは
この指が張り裂けようとも投げ抜いてやるーっ!」

そして投げるは、完全攻略されたはずのスクランブルエッグ!
クロパンに勝算はあるのか?

第十七話
破れたり!コークスクリューの巻

バカの一つ覚え、カモがネギ背負ってやってきた、と言わんばかりに
スクランブルエッグにほくそ笑む相模灘大学付属ナイン。

内角高め!「もらったあ!」が、コースはなぜか外角高め。
あえなく空振り。三好がミットを見ると、
皮膚組織ごとくっついた血染めのボールが!
怪我の功名、というべきか、クロパンの執念が奇跡を生んだのか?

結果、科学的理論によるコース読み取り作戦は通用しなくなる。
その後は一転して投手戦に。
魔球対魔球。勝つのはコークスクリューか?スクランブルエッグか?

だが、もうクロパンの左手はその機能すら失いつつあった。
赤剥けの掌に悲鳴を上げるクロパン。

だが、光の想いにこたえるために…!激痛に耐えつつバッターを次々仕留めていく。

ここでピッチャー三馬が打席に。三馬はある確信を得ていた。
「同じ魔球使いの僕にはわかる!
魔球の球筋を読むには無心にあることのみ!」

その読みは見事的中!決勝点となるソロホームランを叩き込む!

だが、相模灘大学付属ナインは喜ぶどころか、
苦虫噛み潰したような怪訝な面持ち。
「面汚しのおまえにヒーローになられてたまるか!」
「ペッ!」
帰ってきた殊勲者の三馬を
蛇蝎の如く嫌う相模灘大学付属ナイン。
この、相手のチームワークの無さに三好は機運を感じる。

そして九回裏、甲龍最後の攻撃。
天気が崩れ、雨が降り出す。
トップバッターは三好。
早速相手の心理を乱す挑発作戦に。

見事キャッチャーのパスボールを誘い、振り逃げで一塁に。
ますます天気は崩れ、雷雲が拡がりだす。
打席にはクロパン。だが、
コークスクリューはまだ誰も打てていない魔球。どうすれば…?

その時、突然の落雷!三馬の投球が中途半端な棒球に!
これをクロパンが見逃すはずもなく!

劇的なるサヨナラホームラン!
三馬は血染めのグリップのバットを見て
クロパンの執念に敬服する。

ついに決着!優勝の歓喜にわく甲龍ナイン。
だが、落雷が甲子園の照明全てに直撃。停電状態に。


その暗闇から出でたる松明の炎。
そして謎の軍団!

白虎学院…優勝候補ナンバーワンと言われながらも、
野球部のムチャなシゴキが発覚して出場停止をくらった幻の強豪。

この挑戦にいきりたつ甲龍ナイン。
だが、この試合を受ければ優勝は取り消しだ!と
告げる高野連役員。
これに戸惑う甲龍ナインだが、
監督は全てをナインの想いに一任。

そして出した結論は…!

真の日本一(?)を得るため、甲子園の優勝をかなぐり捨てた甲龍ナイン。
第一回から言っていた甲子園優勝の夢は?
南大路光の墓前にそなえる真紅の優勝旗は?
男の意地が全てを上回るクロパンワールド!
名を捨て実を取れ!梶原一騎イズムそのままに
戦いは思わぬ方向へ!

そして三馬は白虎学院転校を決意。(成績最下位なのに大丈夫?)
さらに鉄海も転校を決心。(京都の仏門の徒なのに大丈夫?)
いよいよ戦いは最終決戦へ!

感想
甲子園決勝。ゆえにここがゴールのはずなんですが、
終盤で思いもよらぬ展開を見せる驚愕編。
冒頭、クロパンが手を火傷。
加えてスクランブルエッグの完全攻略。
さらには無敵の魔球コークスクリューを操る敵投手・三馬の出現と、
何重苦よ?といいたくなるほど甲龍ナインに枷が付く展開。
ゆえに試合展開も妙に大味というか。
猿飛の針治療も意味ありげに描かれたかと思ったら、
結果的に無意味に終わっちゃって、このあたりの構成って
なんかゴチャゴチャしてるなぁ、って感じです。
にしても、いくら最強の強豪校とは言え、シゴキで出場停止くらった高校に
不意打ち気味に勝負挑まれたからって、その場であっさり引き受けて、
挙句の果てに優勝取り消しって…。甲龍にすればハイリスクノーリターン。
いくら白虎学院に「それでこそ男!」と誉められたって、ねぇ。

いよいよもって高校野球マンガの軌道を外れて暴走に歯止めが利かなくなった
「燃えろ!クロパン」。最終決戦に向かってのラストスパートとなりますが…。





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